見出し画像

人を看るということ

『看護』とは人を看る、護るという意味
常に人と人、子供から高齢者まで毎日関わり
気付かされることばかりです

私は癌を専門にみる病棟にいます
癌は日本人の死因の第一位です
私の父もその一人です

ある日、癌の骨転移により背部の痛みを
訴える男性がいらっしゃいました

まだ看護師になりたてだった私は
痛み止めの検討しか頭に浮かびませんでした
痛み止めを服薬したからとして癌転移の痛みは
完全に止まることはありません

苦しむ男性を目の前になにができるのだろう
私はただみることしかできないのだろうか

私はただ、なんとなく男性の病室から
出ることはできず
窓を開けてみたりテレビをつけてみたり
環境整備をしたりしました。

少し時間が経つとその男性から
『側にいてくれてにありがとう』
『人が側にいるって気休めになるんだなぁ』
と話してくれた。

何もしてないよ私。

人を看るというのは、必ずしも何か行動するのが
正解とは、限らない。
入院生活は孤独や恐怖、痛み、
人それぞれ思うことはあります。

私はその時考えさせられました。
家族でもそう、会話がなくても
居心地や安心感を得ることがあります。
それと同じように、人は誰かが近くにいる
そんな些細なことでもその人の状況によって
その当たり前が救いにできることがある。

何もしなくても会話をしなくても
その人の心に寄り添うことはできる。

私は日頃、看護をする中で
このことを思い出して、患者様ひとりひとりと
か変わることを大切にしています。
家族のように。

皆様も誰か悩みを抱える人がいるなら
話を聞くだけじゃなく、ただ側にいるだけで
人は救うことができると私は思います。
それが人を看るということではないでしょうか

#あの選択をしたから

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?