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理系に進む女性が少ないのはなぜか

男女という区別が、時代にそぐわないものになってきている。

僕らが子供の頃、クラスの出席番号は男→女の順で決められていたが、今はごちゃ混ぜになっている学校が多いらしい。

今の職場でお客さんが入力するフォームでは、2年ほど前から性別の入力をさせないようになった。

「男だから稼がないと」とか「女だから家事を頑張らないと」といったことを言うのはもう御法度だ。

こんな風に、性別に対して敏感な世の中になった。


しかし、世の中には統計的に男女で差があることがたくさんある。

その中でも今日は、文理選択について注目したい。


みんななんとなくイメージを持っていると思うが、日本では理系を選ぶ女性が少ない。

少し古いが、リケジョというワードが存在するくらいだ。

工学部だと、男子38人に対して女子2人という状況がザラなので、これはどう考えても統計的に男女差があると言える。


ここで気になるのが、どうしてこのような差が生じているのかということ。

先天的な脳の違いによるものだと言ってしまえればいいのだけれど、実はそうも言えないらしい。

というのも、国によっては、女性の方が理系に進む人が多いという、日本とは真逆の国もあるそうだから。

ということで、女性が理系を選ばないという傾向は、後天的なものなのだ。


では、どうしてこの後天性が生じるのか。

それは、従来の日本人女性のロールモデルにおいて、理系分野が必要とされてこなかったからだと僕は思う。

人間の選択は、先行するイメージによって大きく左右される。

女性に理系の勉強は必要ないだとか、女性は理系が苦手だなどというイメージをあらかじめ持ってしまっていると、女性は理系を選択しなくなる。

そして実際、このイメージが今の子供世代にも伝授され続けている。

その結果、日本人女性は理系を選ばないという風潮ができあがる。


というわけで、もともと理系脳の女性が少ないわけではなく、徐々に理系脳の女性が減っていくのだ。

では、これからの時代はどうだろうか。

令和においては、「女性だから文系でしょ」だとか「女性に数学は必要ない」だとかいう発言はできない。

これが徹底されれば、確実に理系を選択する女性は増えるだろう。


個人が自分らしく生きることが肯定される世の中になってきた。

素晴らしい流れがやってきたなと思う。

でも今はまだまだ未完成の状態だ。


『今回取り上げたような余計なイメージがなくなり、個人の自分らしい選択が阻害されない世の中』

日本社会が進むべき次のステップはこれだと思う。

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