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北海道内の100名を超える高校生や大人がつながる〜持続可能な世界・北海道高校生コンテスト交流会〜

おそらく北海道初!100名を超える道内の高校生、大人たちが集まりSDGsについて探求するオンライン対話の場。北海道、全道から集まった高校生のオンライン対話の場、無事に開催終了しました!

(集合写真のお名前はわからないようにしています。お顔もわからない解像度となっていますが、掲載に問題のある方は出村までメッセージください)

持続可能な世界・北海道高校生コンテスト交流会とは?


北海道大学環境科学院の山中教授が3年前から実施されている、全道の高校生を対象とした持続可能な世界・北海道高校生コンテスト。そこに参加した高校生と高校生を応援してきた先生方、審査員のみなさんとのオンライン交流会の場を開催しました。

SDGsの視点から以下のテーマのいずれかを紹介するというものです。
①「総合的な探究の時間」の授業や
②部活動で行った探究
③学外団体と協働した活動の成果

詳細は後日、当日の対話の内容を見える化したグラフィックファシリテーションとともにご紹介したいと思います。今回は、場のホスト(進行)を担当させていただいた視点から、対話の場を終えた直後の気持ちと、参加者、運営を共にしてくださったみなさんに感謝の気持ちを残そう…とパソコンに向かっています。

(山中先生の作成されたサイトより)

目指した交流会の姿


日本の教育は、一斉に同じことを学んで一斉に同じ試験を受け、同じ時期に卒業していくスタイルがほとんどです。(少なくともわたしはそのような教育を受けてきました)。今回の場は、知識も能力も育った環境もバラバラな一人ひとりが集まっているから、学びのスタートはもちろんバラバラ、持ち帰る気づきもバラバラで良いんだと思える場を目指したいと思いました。

話すのが得意な人、何を話したらよいか戸惑う人、話したいことがあるけれど喉で言葉がとまる人、いろんな高校生がいました。ちなみに私は、話したいことがあるけれど、本当に言いたいことほど言葉にならなくて喉でつっかえてしまう高校生でした。

場で起きていたこと


第3回持続可能な世界・北海道高校生コンテストに参加した高校生、先生、コンテストの審査員の皆さんが一同に集まって、3時間という限られた時間の中、同じ時間、空間を共にしました。さまざまな感情の生まれるとても豊かな場でした。この限られた時間の中で、何をして、何をしないのか。プログラムデザインは、コアメンバーと共に時間をかけて検討しました。また、多様な参加者をホスト(支える)するため、当日の運営メンバーも全国から多様な方と力を合わせる形で企画運営しました。

当日は、私からみて、自分の中にあった言語化できなかった思いを、他の高校生が話していることを聞いてそんな風に話せばいいんだ。と気づいたり、対話の間はほとんど話していなかった高校生が、最後のチェックアウトの時に「今日みたいな場を高校生でひらきたい」と宣言したり、たくさん話せることだけが良いのではなく、人の話に耳を傾けることで、ふつふつと燃え上がる気持ちがある。そう確信できる時間でした。

北海道は、ご存知の通り、広大な土地があります。今回の参加者である高校生も、札幌や旭川といった都会(と彼彼女らは呼んでいた)で高校に通う生徒がいれば、僻地/田舎(と彼彼女らは呼んでいた)で高校に通う生徒もいました。バックグラウンドの異なる高校生等が、お互いの地域の課題に耳を傾け合いながら「そんなこと考えたことなかった!」「他の地域の話を聞いてみることで、自分の地域の見え方が変わった」「都会はいいなって思っていたけど、都会は都会で大変なんだね」などと話す姿が印象的でした。

「自分たちのテーマは、人との関わりがきっかけになっている作品が多いと気づいた」「毎日が忙しい。自由な時間がほしい。もっとゆとりのある未来にしたい」「コロナ禍で暗い気持ちになりがちだけれど、みんな笑って楽しい未来にしたい。」「人間にしかできないことを大切にしたい」という言葉も聞こえてきました、。私自身ハッとする瞬間が何度もありました。

プログラムづくり、プロセスデザインの中で、チャレンジしたこと

GraphicRecording by Eri Ishikawa

何十人もの審査員や先生方が参加されていて、お話をお聞きしたい人がたくさんいる中、「大人の話を黙って聴く」という時間を、たった30分にしました。多くの教育イベントなら、先生から教わる時間、審査員の方から知恵をもらう時間を多く取る場になるのだと思います。その中で、とことん高校生同士が、「顔を合わせて対話することに思いを向ける時間」にさせてもらいました。大人から教わらなくても、自分たちで学びあえるということを感じれる場にしたかったし、何より、高校生から大人が気づきをもらう場にしたいと思いました。大げさに聞こえるかもしれませんが、名だたる審査員の方が参加される中で、私にとっては勇気のいる決断でした。誰よりも高校生のことを考えている責任者の山中教授ならGOサインをくださるだろうと信じれたことが背中をおしてくれました。

オンライン会議は初めてだという生徒や、対話にも馴染みのない方々が、はじめて会う人といきなり対話できるなんてことはなく、慣れる時間が必要です。「本当に話したいこと」た、答えのない「未来の話」をするために、「さぁ話してね」と言っても話せません。

3回のグループを問いをかえていく中で、少し、外に向けて話せる人が増えることを信じてプログラムを設計しました。無言に見える時間、話せないように見えている時間の中に、彼女、彼らの内側に対話の種が生まれることを信じて、1回、2回と居心地の悪いと感じる時間も含めて「自分のペースで話す」練習をしてもらいました

GraphicRecording by Eri Ishikawa

「大人である私たちが、まずチャレンジしよう」とスタート


オンライン会議が普及してきたとは言え、100人以上の方が一緒に対話する場を企画運営するのは、まだまだ大人である私たちにとってもチャレンジでした。ネットワーク環境が悪くて何度も接続が落ちてしまった人がいたり、高校に1台しかパソコンがなくて、複数にで参加してくる方もいました。見えないところでトラブルもたくさん起きたし、そういった不確定なことも含めて、一人でできないことを仲間と「まずやってみるやってみる」ことから「学ぶ」大人の姿。それを見て、一人でも、「なんだ、こんな風にまずやってみればいいのか」と思ってもらえていたらいいな。と思います。満足いかなかったよ、もっとこうすればいいのに、と思われた方ももちろんいると思います。その方は、ぜひ今日の場を踏み台にもっと素敵な場をひらいてほしいなと思います。

これまで、この場をひらくためにたくさんの時間を費やして準備してこられた山中教授。一緒に交流会をひらくことに声をかけてくださりありがとうございました。気の利いたことは何も言えないファシリテーターですが、参加した人が、少しでも安心して声を出せる場になっていたら良いな、と願っています。道内の高校生だけでなく、この場に参加した審査員のみなさんや、大人たちにも、未来への希望と、これからの可能性の種をありがとうございました!そして、難易度120%のテックサポートを男前にこなしてくれた耕平さん、堺さん、グラフィックファシリテーションを引き受けてくださった、ぱおぱお(なみかさん)、ぐっちゃん、えりつぃん、ごえり、友美乃さん、かよちゃん、ゆっこさん、おことさん、かえでさん、どきどきしたと思うし、初対面の高校生同士の中で、見守りながら描くという、今日一番の大役、とてもとても難しい役割を最後までありがとうございました!

ひとりごと


何が正しい、間違っているという答えのないことをしていて、だれも未来のことはわからない。この1年、コロナ禍で、誰もが曖昧で複雜な社会に生きていることを体感したと思います。仕切るのが上手い人が座回しする場は、一見うまくいっているように見えるかもしれません。でも、彼ら彼女らに、今、必要なのは、誰かがお膳立てした上手くいく場を体験することではなくて、自分から「一歩踏み出せた!」と感じる場、「湧き上がるエネルギー」なんじゃないかと思います。この1年で一番悩んだかもしれません。今日の日は、たった数時間でしたが、もし、一人でも誰かのエネルギーの火種になって、何かはじまるきっかけになるのであればうれしいです。それは、1年後、10年後、私が死んだ後に起きるかもしれないけれど。
後半は、恥ずかしながら、独り言です。
まずは、終えた直後の新鮮な気持ちで思いつくままに。

最後まで読んでくださったマニアックな方(笑)、ありがとうございます。こうして読んでくださる方がいるから、苦手な文字も人一倍時間をかけながらでも、紡ぐことができています。

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