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小説書いてます

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小説(短編・超短編)・詩・散文詩・日記等、文芸(風)の作品を集めました。
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2019年10月の記事一覧

「大草原でSNSがバズる」-(心境小説的散文詩③)

「大草原でSNSがバズる」-(心境小説的散文詩③)

平生、大自然に縁がない私は、ひょんなことから大学の仲間に

連れられ、キャンピングカーに乗って、某県にある大草原に

来ている

こんな自然の中に来てまで私はスマホを手放せない

絵になりそうな風景を見つけると、すかさず

スマホのシャッターを押し、加工アプリを駆使して

即座に、ここには来ていないリアルの知人に向けて

SNSにアップする。

こんな大自然の中でまで私はなんと忙しいことだろう

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「特急列車」-(心境小説的散文詩②)

「特急列車」-(心境小説的散文詩②)

駅のホームをものすごい速さで、電車が通過していく

三十をすぎたのに所帯はおろか、彼女すらいない僕は

時たま、会社の帰りに特急列車に飛び込んでしまうんじゃないかという

不安に襲われる。

平生、僕はそれでも様々な常識的考えで

汗ばんだ手を握って、変な衝動に必死に牽制をかけている

十代のころ「生きたいと望んでも生きられなかった人が沢山いるのだから自殺はよくない」という考えを本か雑誌で読んだ

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「四十惑に吹くすきま風」ー(心境小説的散文詩①)

「四十惑に吹くすきま風」ー(心境小説的散文詩①)

四十を過ぎれば

自分の不甲斐なさに肩を落とす機会は増える一方だ。

昨日は「君たちには失望した」と

まだ十代の革命家に恫喝されたりした。

若い革命家は「世界は変わるはず」

「やればできるはず」「傍観は罪」

というメッセージを与え、同世代の人や

倍以上離れた、ひょっとすると、私より

上の世代にも希望を与えていた。

私はと言えば、そのさらに前日、

会社にいる私のはなしを聞いてくれそう

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