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最近の記事

チェコ最大の人形劇祭スクポヴァ・プルゼニュ2024は、今回もまたすごい詰め込みの5日間だった・・・

今年もスクポヴァ・プルゼニュ(https://www.skupovaplzen.cz/)が無事に終わった。今年はケガ人が出なかった、何よりだ! 2024年6月12〜16日。たったの5日間に52回の公演(さらに3つのワークショップと、10の野外公演)を詰め込む大忙しの人形劇祭。会場間にはフェスティバル専用バスも走っていて、観客へのきめ細かい対応が非常にありがたい人形劇祭である。それでも(運営側はもとより)観客も5日目にはへとへとだったが。 2020年の七転八倒→中止、の時に

    • ドレスデン国立美術館(SKD)の人形劇コレクション、お引っ越し中です

      いま、私が客員研究員として所属しているドレスデン国立美術館(SKD)の人形劇コレクション(https://puppentheatersammlung.skd.museum/)は、お引っ越しの真っ最中です。 このコレクションは、ミュンヘン市立博物館の人形劇コレクション(https://www.muenchner-stadtmuseum.de/sammlungen/puppentheater-/-schaustellerei)に次いで、ドイツ第二の大きさ。現物資料をあわせて、そ

      • 2024年春の人形劇祭、FIDENA/ドイツとFIMFA/ポルトガルに行ってきました

        5月中旬、ドイツとポルトガルの二つの人形劇祭に行ってきた。ふだんは人形美術がなんだテクニックがどうだということにかまけていられるが、今回は二つの人形劇祭のイスラエルに対する態度が気になってそれどころではなかった。現在イスラエルが行っている大量虐殺に対して、二つのフェスティバルがとっている態度には大きな違いがあった。 それについては最後に述べるとして、ひとまず以下はそれぞれのフェスティバルでみた作品についての簡単な記録です。 ドイツのFIDENAで見た作品 1)Mark Do

        • 下北沢国際人形劇祭ニュースレター #2

          ⚡︎⚡︎⚡︎ SIPF便り(第二号)⚡︎⚡︎⚡︎ 2024年に入ってしまいました、「第1回 下北沢国際人形劇祭」(長いのでSIPFと略)は、あと一ヶ月と一週間で開幕します。 遅ればせながら、ニュースレター第二号をお送りします。SIPFのことより、他の人形劇情報についての文量がなぜか多くなりがちですがご容赦ください・・・・・・。私は企画統括をしています山口遥子です。今日の下北沢はそこそこ寒く、もう仕事はやめて銭湯にでも行っちまうかという気がしてきました。皆さんもそれぞれの仕方で

        チェコ最大の人形劇祭スクポヴァ・プルゼニュ2024は、今回もまたすごい詰め込みの5日間だった・・・

          下北沢国際人形劇祭 ニュースレター #1

          2023/11/20に送信したメール・ニュースです。 ⚡︎⚡︎⚡︎ SIPF便り(第一号)⚡︎⚡︎⚡︎ 素敵な秋ですね! 遅ればせながら、ニュースレター「SIPF便り」をお申し込み頂きありがとうございました。 ようやく第一号をお送りします。 私は下北沢国際人形劇祭の企画統括をしている山口遥子と申します。やたら長いメールですので、お茶でも飲みながら、ドーナツでも食べながら、お付き合い下さい。 下北沢国際人形劇祭の開催が、いよいよ3ヶ月後に迫ってきました。プログラム公開は今

          下北沢国際人形劇祭 ニュースレター #1

          アメリカ人形劇(シカゴ国際人形劇祭、NY、UCONN人形劇学科)

          アメリカ人形劇のリサーチトリップから戻ってきました。 2/14にZoom報告会をしたので、その時に使用したパワポ資料を置いておきます。

          アメリカ人形劇(シカゴ国際人形劇祭、NY、UCONN人形劇学科)

          Das Wunder. ミュンヘンの人形劇フェスティバル

          ミュンヘンの人形劇振興協会(Gesellshcaft zur Förderung des Puppespiels e.V. )が主催する人形劇フェスティバル「Das Wunder.」が2022年10月14日から11月8日まで開催される。芸術監督は、ミュンヘン博物館の人形劇コレクションの統括もしているマシャ・エルベルディングさん。 以下は、同協会のHP(https://figurentheater-gfp.de/festival-2022.php)と、受けとったインビテーション

          Das Wunder. ミュンヘンの人形劇フェスティバル

          リューベックの人形劇フェスティバル(FIDENAより)

          リューベック人形劇場と、リューベック人形劇博物館がリノベーション閉館中。この二つが合わさって、2023年に「KOLK 17」というモダンな名前のついた新たな人形劇機関として再出発するそうです。 リューベック人形劇場で行われていたフェスティバルは、リノベーション閉館中はハンザ同盟博物館に場所を移して継続中。2022年は、9月24日から10月30日まで開催されます。 以下はFIDENAポータルサイトの記事の翻訳です。 元のページ:https://www.fidena.de/pu

          リューベックの人形劇フェスティバル(FIDENAより)

          去年の世界人形劇祭で一番良かったカンパニー Bakélite

          一人か二人でやっている、フランスのとても小さな人形劇団(オブジェクトシアター)Bakélite(https://www.compagnie-bakelite.com/) は、去年のシャルルヴィルの世界人形劇祭で一番プロ同士からの評判が高かった(私調べ)。大きな会場で上演されるメイン・セレクションとしではなく、フェス内フェスである「Panique au Parc」というちょっと中心から歩いた所にある公園内での小公演だったが、毎回長蛇の列だった。 前回2019年の世界人形劇祭で

          去年の世界人形劇祭で一番良かったカンパニー Bakélite

          Théâtre de l'Entrouvert - フランスの人形劇団

          フランスの人形劇はモダンでコンセプチュアルなものが多い。Théâtre de l'Entrouvert(https://lentrouvert.com/en/)もその一つで、等身大の氷の人形をゆっくり糸で操り、それがとけていくさまを見届けるという作品を作り続けている。初めて見たのは2016年のAnywhereという作品で、氷の人形から溶け落ちる水滴が、黒を基調とした舞台で美しくきらめくのが印象的だった。こういう一つのアイデアで最後まで押し切る作品、大きいマリオネットの鈍い動き

          Théâtre de l'Entrouvert - フランスの人形劇団

          ウニマのプロ養成委員会からのお知らせ

          UNIMA(世界人形劇連盟)のプロ養成委員会が、人形劇の研究・養成機関リストを更新しようとしています。 現在ウニマが公開している世界の人形劇養成機関リストはこちら。 https://www.unima.org/en/useful-information/directory-of-puppetry/ 右側のカテゴリリストから「Schools」を選択する。55の大学等が登録されているが、これはあまり最新のものではないのできっと他にもあるはず(逆にソフィア大学の人形劇美術学科など

          ウニマのプロ養成委員会からのお知らせ

          佐渡の人形芝居

          佐渡には三つの人形芝居がある。 ①説教人形、②のろま人形、③文弥人形。 そのうち、①説教人形、②のろま人形のほうが歴史が古く、これらは享保年間(18世紀前半)、あるいはもしかしたら元禄年間(17世紀末ごろ)に、上方から移入したとされる(佐々木義栄『佐渡が島人形ばなし』 pp. 6-9)。 昔は一興行が5幕で、説教人形3幕/(間狂言として)のろま人形1幕/説教人形2幕という形式だった(同 p.33)。 新青座(のろま人形)の土屋さんによれば、残念なことに、説教節ができる太

          佐渡の人形芝居

          セマフォルのファウスト博士 2021年09月13日

          プラハのロココ劇場で、「プラハ二区、カレル広場40番、ヨハン・ファウスト博士」をいま上演している。凄くおもしろい翻案! ただしこれはプラハのセマフォル劇場が1982年につくった有名な舞台(演出はイジー・メンツェル!)のリメイク版。セマフォルは伝説的なグループで、カレル・ゴットとか、シュバンクマイエルとか(セマフォルは「七つの小さな演劇形式」という意味の略語で、その中には人形劇も含まれる)、後のスターが大勢ここから生まれたそうだ。 舞台となるのは、プラハの「ファウスト博士*

          セマフォルのファウスト博士 2021年09月13日

          チェコ現代人形劇入門 2021年08月23日

          上演・上映・レクチャー「チェコ現代人形劇入門」2Days、無事盛況のうちに終了しました。レクチャー内で紹介した舞台作品映像一覧は下記画像の通り(一部時間の関係で泣く泣くカットしたのもあり)。 内容は・・・・・・ はじめに、チェコ現代人形劇の三つの方向性(伝統保持/伝統の新たな解釈/他ジャンルとの融合)を簡単に説明しました。そしてそれら三つの方向性の実例比較として、チェコ人形劇で一番よく演出されている作品『ヨハネス・ドクトル・ファウスト』の、「ポルトガル」のシーン(ドイツ

          チェコ現代人形劇入門 2021年08月23日

          人形劇の高等教育機関 2021年02月26日

          ウニマ(国際人形劇連盟)のアメリカ・センターが、人形劇を学ぶことが出来る高等教育機関のリストを公開している。北米・南米、ヨーロッパ、アジア・オセアニアまで及んでいて、かなり包括的なリストだと思う。ただこれは、人形劇を実践として学ぶ人(役者、演出、舞台美術、人形美術)のための機関で、人形劇理論や人形劇史の研究機関のリストではない。 https://www.unima-usa.org/schools-for-puppetry-training 人形劇理論・人形劇史の研究機関に

          人形劇の高等教育機関 2021年02月26日

          マテジンカ人形劇祭、開催されますように… 2021年02月24日

          2020年は日本でもヨーロッパでも、本当に沢山の人形劇フェスティバルが中止になって残念だったけれども(チェコのスクポヴァが開催一週間前に中止になった話はこちら)、2021年へ延期されたものも多いので、いつまでも悲しんでいられない。みんなヤキモキしつつも希望を持って、2021年のフェスティバル準備を始めている。 私が2021年一発目に参加したのは、1月27日〜2月7日に開催されたスコットランドのManipulate Festival。これはオンラインのフェスティバルだったけど

          マテジンカ人形劇祭、開催されますように… 2021年02月24日