下北沢国際人形劇祭ニュースレター #2

⚡︎⚡︎⚡︎ SIPF便り(第二号)⚡︎⚡︎⚡︎
2024年に入ってしまいました、「第1回 下北沢国際人形劇祭」(長いのでSIPFと略)は、あと一ヶ月と一週間で開幕します。
遅ればせながら、ニュースレター第二号をお送りします。SIPFのことより、他の人形劇情報についての文量がなぜか多くなりがちですがご容赦ください・・・・・・。私は企画統括をしています山口遥子です。今日の下北沢はそこそこ寒く、もう仕事はやめて銭湯にでも行っちまうかという気がしてきました。皆さんもそれぞれの仕方で暖を取っていらっしゃいますでしょうか!

エアランゲン駅前

ドイツで一番大きな人形劇祭の話をしかけたところでした。ドイツ南部のエアランゲンは、とりたてて目立つところのない小さな大学町です。しかしここは、二年に一度行われる「figuren.theater.festival」(人形.演劇.祭)という人形劇の巨大なお祭りの会場になるので、人形劇人にとっては思い入れの強い町です。写真は、エアランゲン鉄道駅です。人形劇祭のフラッグが立ち並んでいます。
(ウェブサイトはこれ:https://figurentheaterfestival.de/) 

上演作品の質&量からして、たぶんドイツではトップクラスの人形劇祭だと思います。一週間以上にわたり、ドイツ中心にヨーロッパ全域から招かれた人形劇(あるいはオブジェクトシアター/マテリアルシアター/ビジュアルシアター)が朝から晩まで上演されます。上演劇団は70以上、会場は30もあります。

なにしろ大きな(=予算が潤沢な)フェスティバルですから、ドイツの著名劇団「ベルリーナーアンサンブル」の人形劇作品とか(https://www.berliner-ensemble.de/inszenierung/brechts-gespenster)、ベルギーの著名ダンスカンパニー「モスーボンテ」の仮面劇とか(https://www.mossoux-bonte.be/en/)、ビッグ&ゴージャスな作品がたくさん来ていましたが、シンプルなセットの小さな良作も沢山見られます。

私も朝から晩まで人形劇を見倒しましたが、中でも特に印象に残った&観客からアツい歓声を浴びていたのが、アリエル・ドロン『BOXED』ダラー・マクローリン『STICKMAN(棒人間)』です。この二作品は、下北沢国際人形劇祭にもやってきます!

二人ともヨーロッパ人形劇界では有名どころながら、初来日です。彼らの名前を日本で聞いたことのある人は殆どいないと思いますが、どちらもいま欧州人形劇界で超超超アツい二人ですので紹介させてください。

アリエル・ドロン(Ariel Doron)はまだ30代ですが、もうヨーロッパの人形劇祭では招聘されたことのないところはないぐらい、超売れっ子の一人です。もともとイスラエル版セサミ・ストリートのエルモ役に若干20歳で抜擢され活躍した実力派テレビ人形遣いでしたが、普通に操れる人形は操り尽くしたとでもいうように、どんどん操りづらい(というかまったく可動部のない)オブジェクトへと興味が移行。ベルギーのオブジェクトシアターの第一人者アニェス・ランボー氏(Cie. Gare Centrale)などに師事したのち、ソロパフォーマーとしてオブジェクトシアターの作品を作り始めました。主題はイスラエルの政治社会状況、特にイスラエルの絶え間ない戦争とパレスチナ入植政策を批判的に問うものです。

アリエル・ドロンの作品は2/24(土)に上演されます(ご予約はこちら:https://www.sipf.jp/program/divadlo_alfa_ariel_doron.html)。しかも、チェコの手遣い人形劇とあわせて豪華二本立て(ダブルビル)です!

このダブルビルのテーマは、「ハンドパペットの現在地」。人形劇の中でも最も伝統的な手法の一つ「手遣い人形」は、現代人形劇においてどのような表現を獲得しているのか? その最新の、刺激的な姿を見て頂くプログラムです。チェコの人形劇(40分)をご覧頂いた後、休憩を挟んで、同じ舞台でアリエル・ドロンの人形劇(20分)を見て頂きます。

上演前日の2/23(金・祝)には、アリエルを囲んだ朝食会が朝10時からあります(https://www.sipf.jp/program/breakfast_puppet_club.html)。本人のこれまでの創作活動についてや、作品のポイントなどについて聞きます。こちらもぜひご参加下さい(参加費無料、会場でリーズナブルな値段のコーヒーや朝食ご注文ください)!

ちょっともうまた長くなりすぎてしまいましたので、ダラー・マクローリンの紹介は次号とさせてください。これはSIPFウェブサイトではなんだか地味に見えますが、笑えるし技術は凄いしストーリーもオチも面白いし演者は魅力的だし頭も使わされて爽快だし、今回のプログラムのなかでもトップ一押しの一つですので、まだ何を見るか迷っていらっしゃる方はぜひご注目下さい! (ご予約はこちら:https://www.sipf.jp/program/darragh_mcloughlin.html

ではまた一週間後に第三号をお送りします。それまで皆さん、よい一週間を!
(「SIPF通便り」第一号はこちら:https://note.com/dekuart/n/nab8e824bae79

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