見出し画像

Théâtre de l'Entrouvert - フランスの人形劇団

フランスの人形劇はモダンでコンセプチュアルなものが多い。Théâtre de l'Entrouvert(https://lentrouvert.com/en/)もその一つで、等身大の氷の人形をゆっくり糸で操り、それがとけていくさまを見届けるという作品を作り続けている。初めて見たのは2016年のAnywhereという作品で、氷の人形から溶け落ちる水滴が、黒を基調とした舞台で美しくきらめくのが印象的だった。こういう一つのアイデアで最後まで押し切る作品、大きいマリオネットの鈍い動きをずっと見せられる作品は私はどちらかというと苦手だが、詩的でなんとなく美しく、多くのフェスティバルに呼ばれている。数日前に新作「les vagues」の案内が届いた。人生の変化を海の変化になぞらえて描いたヴァージニア・ウルフの作品をモチーフに、「個人、集団、宇宙のレベルで現れるメタモルフォーゼ」を氷人形に仮託して表現したいという。抽象的〜。(https://lentrouvert.com/les-vagues/

いまのフランス人形劇では、伝統芸ポリシネールは路上でこそあれ、舞台ではなかなか見ない。もう10年近く前にかなりイカれた二人組の劇団 La Pendue (https://www.lapendue.fr/language/en/actualities/)が"POLI DEGAINE"という演目で現代的洗練を極めたポリシネール劇を見せたので、なかなかあれ以上の発展はできないのかも知れない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?