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連載小説「オールド・クロック・カフェ」

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京町屋を改装したカフェは、一歩入ると時計の森。そこでは、時のはざまに置いてきた忘れ物を教えてくれる「時のコーヒー」があるという。
運営しているクリエイター

#時計

小説『オールド・クロック・カフェ』 #1杯め「ピンクの空」(1)

 その店は、八坂の塔へと続く坂道の途中を右に折れた細い路地にある。古い民家を必要最低限だ…

deko
3年前
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小説『オールド・クロック・カフェ』 #1杯め「ピンクの空」(2)

前回のストーリーは、こちらから、どうぞ。  <あらすじ> 京の八坂の塔近くにある『オール…

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3年前
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小説『オールド・クロック・カフェ』 #1杯め「ピンクの空」(3)

前回までのストーリーは、こちらから、どうぞ。 はじめから、読む。 (2)から、読む。 <あ…

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3年前
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オールド・クロック・カフェ #1杯め「ピンクの空」(4)

前回までのストーリーは、こちらから、どうぞ。 (1)から読む。 (2)から読む。 (3)か…

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3年前
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『オールド・クロック・カフェ』1杯め「ピンクの空」 <全文>

 その店は東大路から八坂の塔へと続く坂道の途中を右に折れた細い路地にある。町家を必要最低…

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3年前
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小説『オールド・クロック・カフェ』 2杯め 「瑠璃色の約束」(1)

 その店は、東大路から八坂の塔へと続く坂道の途中を右に折れた細い路地にある。古い民家を必…

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3年前
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『オールド・クロック・カフェ』4杯め「キソウテンガイを探して」(1)

 その店は、東大路から八坂の塔へと続く坂道の途中を右に折れた細い路地にある。古い民家を必要最低限だけ改装したような店で、入り口の格子戸はいつも開いていた。両脇の板塀の足元は竹矢来で覆われていて、格子戸の向こうには猫の額ほどの前庭があり、つくばいに浮かぶ玉椿があざやかだ。格子戸の前に木製の椅子が置かれ、メニューをいくつか書いた緑の黒板が立て掛けられていなければ、そこをカフェと気づく人はいないだろう。  そのメニューが変わっていて、黒板には、こんなふうに書かれている。  なぜ

『オールド・クロック・カフェ』4杯め 「キソウテンガイを探して」(2)

第1話は、こちらから、どうぞ。 * * * hesitation * * *  大樹と泰郎を追いか…

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2年前
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『オールド・クロック・カフェ』4杯め 「キソウテンガイを探して」(6)

第1話から読む。 前話(第5話)は、こちらから、どうぞ。 * * * Time Coffee * *…

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2年前
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『オールド・クロック・カフェ』  ほっと謎とき篇(1)

 その店は、東大路から八坂の塔へと続く坂道の途中を右に折れた細い路地にある。古い民家を必…

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2年前
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小説『オールド・クロック・カフェ』 ほっと謎とき篇(2)

前話は、こちらから、どうぞ。 * * * Solve the Time Mystery * * *  「正孝君…

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2年前
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『オールド・クロック・カフェ』5杯め「糺の天秤」(6)

第1話は、こちらから、どうぞ。 前話(5)は、こちらから、どうぞ。 * * * Time Flie…

deko
1年前
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『オールド・クロック・カフェ』5杯め「糺の天秤」<全文>

 その店は、東大路から八坂の塔へと続く坂道の途中を右に折れた細い路地にある。古い民家を必…

deko
1年前
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『オールド・クロック・カフェ』一杯め「ピンクの空」【ノトコレ版】

 その店は東大路から八坂の塔へと続く坂道を右に折れた細い路地にある。板塀の足元は竹矢来で覆われ、木戸の向こうに猫の額ほどの庭があり山吹が軒先で揺れる。門の前に木製の椅子が置かれメニューを書いた黒板が立て掛けられていなければ、カフェと気づく人はいないだろう。  そのメニューが変わっていて、こんなふうに書かれている。   六時二五分のコーヒー………五〇〇円   七時三六分のカフェオレ……五五〇円   一〇時一七分の紅茶……………五〇〇円   一四時四八分のココア…………五〇〇