曖昧な旅人

このno+eでは、58歳の男性が自らの内面に向き合い、本当の自分と向き合う旅を綴ります…

曖昧な旅人

このno+eでは、58歳の男性が自らの内面に向き合い、本当の自分と向き合う旅を綴ります。時には自己との対話、時には葛藤、そして成長への道のりを探求します。他の自分、つまり社会的な役割や外界からの期待に囚われず、真に心からの声に耳を傾けながら、人生の新たな意味を模索します。

最近の記事

遠い昔に家族で行った事のある鎌倉旅行

(※18禁 この先は性的描写が含まれております) 姉の誕生日を祝う為、昔家族で行った懐かしの鎌倉に泊まりで行こうという事になった。 他界した父も母も海が大好きだった。 私の家族旅行での一番の思い出は、湘南の海岸で写真を撮ろうとしていたら、突然風が強くなり、姉の帽子が飛んでしまい、家族全員で追いかけた事だったりする。 あれから50年近くの月日が流れた事には驚くばかりである。 今回「鎌倉プリンスホテル」を選んだ理由は、部屋からの眺望が素晴らしく海が見えること、部屋にいる

    • 2045年 夏 (短編小説)

      私の名前は木村研二 昭和40年生まれの80歳 2030年頃から流行った謎の疫病の流行により、遂に人類の男性人口が180,000人になってしまった。 疫病で命を落とすのは何故か男性だけと言うとても不思議な現象は未だ解明されないままである。 近年の出生率の9割が女性の誕生で、男女比は私の若い頃と違って来た。 2020年くらいから始まったコンピューター革命によって私達は働く必要が無くなり、人類は放牧される羊の様になってしまった。 音楽も文学もAIによって作られた物をAIの

      • 自己開発セミナー (短編小説)

        俺の名前は木村研二  。 34年間の人生、何をやってもうまくいかない。世の中に不満だらけだ。 その日、パチンコに負けてふてくされて駅前を歩いているとスーツを着た男が声をかけて来た。 「あなたは自分自身に満足していますか?」 男は唐突に私に尋ねてきた。 「はぁ?」 スーツを着た男は早い口調で、「あなたの人生に素敵なヒントを与えます」お時間があったら、ぜひ私たちのセミナーに参加しませんか?  俺は金がないが、時間ならば十分にある。 俺は男についていた。 駅裏にあるビ

        • ヒノキオ (短編小説)

          俺の名前は日野輝男 小さい時から「ヒノキオ」って呼ばれてる。 ペンキ職人の厳格なオヤジに育てられた。 母親は、俺が物心つく前に他の男を作って出ていったらしい。 俺がまだガキだった時、オヤジがよく、絵本を読んで聞かせてくれた。 オヤジが読んでくれる絵本の中に、「嘘をつくと鼻が伸びてしまう」物語があったんだけど、あれだけは嫌いだった。 あの絵本のおかげで、嘘つきだった俺は、嘘をついてしまった後に慌てて「自分の鼻が伸びていないか」を確認する癖がついてしまった。 小学5年の

        遠い昔に家族で行った事のある鎌倉旅行

          らっきょう (短編小説)

          私の名前は沢本カナ 東京に来て8年になる私のディズニーデビュー日だった。 久々に会う大学時代の友達や、夢の世界は普段の仕事のストレスを充分に忘れさせてくれた。 「ディズニー超楽しい〜」 「やば〜いっ ^_^」 ゴールデンウィーク明けの平日だったため人気のアトラクションもいくつか楽しめた。 「優香 ディズニーってなんでらっきょうのにおいがするの? 夢の世界なのにね…」 「はぁ…カナの鼻おかしいんじゃない?らっきょうのにおいなんてしないよ」 「うそっ….この辺らっ

          らっきょう (短編小説)

          なりたい自分 (短編小説)

          私の名前はカナ。 今お付き合いしている方がいます。 彼の名前は木村研二さん。 丸の内の大手に働くサラリーマンです。 実は、私の方からの一目惚れです。 私は木村さんの帰宅時間を狙い、毎日夕刻どきに駅に向かう道で木村さんの目につくように待ち伏せをしていました。 でも、待ち伏せるようになって1月が経っても、木村さんは私に気づくことがなかったため、私の方から思い切って行動に出ました。 それほど私にとって木村さんはタイプの男性でした。 私は道に迷ったふりをして彼に道を尋ね

          なりたい自分 (短編小説)

          ろくろ首 (短編小説)

          私の名前はカナ。 ある日、終電を逃してしまいホテルを探していた。 しかし、その日にかぎって駅に近いホテルはいっぱいで、空がない。 やっと見つけたビジネスホテルに入ると、ちょうど先客が最後の一部屋を取った所だった。 その先客はとても美しい女性だった。 どうやら美しい女性も終電を逃してしまったらしい。 最後の一部屋を逃して落胆する私に美しい女性は声を掛けてきた。 「あなたも終電を逃したのね?」 「はい、うとうとして寝過ごしてこの駅に着いてしまいました。」 「もしよか

          ろくろ首 (短編小説)

          パパ活 (短編小説)

          ある日ネットを見ていたら「沢本研二」がファイナルコンサートを行うとあった。 私は学生時代「沢本研二」が大好きだった。今でも、カラオケに行くとシュリーの歌をよく歌う。 懐かしさやシュリーの最後の姿を見届けたいという想いに駆られた私は、コンサートチケットの抽選に応募した。 シュリーの最後のコンサートとあってチケット入手にはかなりの倍率を想定したが、あっけなく当選した。 当日は有給を取って一泊二泊の旅行で埼玉に行く事にした。 会場に近い大浴場付きのホテルを取り、現地に早め

          パパ活 (短編小説)

          夜釣り (短編小説)

          夜が深くなると、私は自分の孤独を紛らわす為にXにある投稿をする様になっていた。 それはまるで夜釣りみたいなもので、、 私は自分の存在を確かめたかった。 「今 家出をして困っている人 私の所でよかったら泊まっていいですよ(無料)  気軽に連絡ください。都内 」 #新宿 #安い宿#予約不要 夜釣りを始めて3ヶ月が経った頃、暗闇に垂らした糸に張りを感じた。 「泊まる所を探しています」… 私はこの短いメッセージに返信した。 「私の住まいは新宿からタクシーで10分程です

          夜釣り (短編小説)

          「絶対」という束縛 (短編小説)

          15歳の時まで住んでいた街に久しぶりに行った。 久々にみる駅前はだいぶ様変わりし、大好きだった「ラーメン太郎」や「喫茶マイアミ」の面影はなく、なんだかオシャレなお店や無人のレンタカー屋等があった。 駅前の端っこにある「中華喜兵衛」は小中学校を共にしたイッチの実家だ。 風の噂で、イッチは30年くらい前から実家のお店を引き継いでいると聞いていた。 一瞬迷ったが、昼食はここで取ることにした。 お昼時間の「中華喜兵衛」はとても賑わっていた。 43年ぶりに見るイッチは、厨房

          「絶対」という束縛 (短編小説)

          愛犬 (短編小説)

          今から3年くらい前の出来事(当時の私 55歳) 職場にカナという43歳の女性が入社して来た。 カナは他の同僚達とはあまり会話をしない一風変わった女性だった。 カナのデスクにはいつも 可愛い犬の写真が飾ってあった。 カナはおそらく「自分の世界感」を強く持っていた為、仕事の会議中でも内容とだいぶ逸れた発言をしばしばする様な女性だった。 私は一応 社内に個室を持つ身分で、カナは私の部屋に書類を届けてくれたりした。 数ヶ月が経ち、カナはすっかり会社の一員となり、私の部屋で

          愛犬 (短編小説)

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          五木ひろし

          これはこれで悪くない 聴いているうちに歌い手としての五木ひろしの素晴らしさが見えてくる これを聴く度に思い出すのが、昔コンビニで見かけた幻のキャンディー「スパゲッティミートソース味」 思うより不味くなかった。 曖昧な旅人

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          この形なんに見えますか?

          釣りである 私はわかっているつもりなのに(苦笑)、ついついこういった記事をポチッとやってしまう。 おそらく多くの人は「たまご」でしょ、、となるのだが、「この形がアレに見えてしまったら危険」などという文が横に添えられていたら自分が心配になってしまってクリックしてしまう。 もちろんその先には誘導の罠が次の手で待ち構えている。 「この形 なんに見えますか?」と不意に問われて答えてしまった後には必ず「己の隙間」を恥じる次第です。 曖昧な旅人

          この形なんに見えますか?

          ようこさん

          ネットサーフィンをしていたら、あるコラムに出会った。 そのコラムには「私達は今この瞬間しか生きられない」とあった。 すなわち時間というものは幻想に過ぎず、過去や未来も存在しないというのだ。 コラムを読んでいたら、ようこさんを思い出した。 私が27歳の時、横浜オフィスより数名のスタッフが研修で私の職場に2週間来た。 中でもようこさんは、とても真剣に研修に取り組み2歳年上だった私に質問やアドバイスを求めて来た 人って頼られたり、求められると嬉しい物で、私はようこさんに仕

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          西川峰子の名曲

          このテレビコマーシャルが流れていたのは今から45年くらい前。 「ぎゅ〜どん ひっとすじ~ 。。はっち じゅ〜うねんっ」 当時創業80年だったって事は現在創業125年ってことか、、、 残念ながら現在の吉野家は牛丼一筋では無くなってしまったが、私は今でも定期的に食べてます。(お新香も好き) 45年経った今でも、入店時には私の頭の中で流れるこのナンバー♪ 当時、このコマーシャルにおいて西川峰子さん以外の歌手が歌っていたならば、現在の吉野家は存在してないかもってくらい西川峰子さんの歌はよかった。 伸びやかで、艶やかで、印象に残るこの歌は間違いなく西川峰子の代表曲だと思う。 もしも森昌子さんが歌っていたならば、牛丼は軽いものになり、村田英雄氏では重くなり過ぎた、、、 コマーシャルに出ていたイチロー君のその後の野球人生も気になる次第、、、 曖昧な旅人

          西川峰子の名曲

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          「エマニエル夫人」という幻

          私が小学生か中学生の頃に出会ったあの映画の世界観は、私に大きな影響を与えた。 その世界はまるで幻想のようで、現実と夢の狭間にあるかのようだった。 そして今、58歳になった私は自問する。果たしてあの映画のような幻想の世界に触れた経験が、私をダンディーな男に変えたのだろうか? 曖昧な旅人

          「エマニエル夫人」という幻

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