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ろくろ首 (短編小説)
私の名前はカナ。
ある日、終電を逃してしまいホテルを探していた。
しかし、その日にかぎって駅に近いホテルはいっぱいで、空がない。
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やっと見つけたビジネスホテルに入ると、ちょうど先客が最後の一部屋を取った所だった。
その先客はとても美しい女性だった。
どうやら美しい女性も終電を逃してしまったらしい。
最後の一部屋を逃して落胆する私に美しい女性は声を掛けてきた。
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「あなたも終電を逃したのね?」
「はい、うとうとして寝過ごしてこの駅に着いてしまいました。」
「もしよかったら、私の部屋にご一緒にいかがですか?」
「えっ いいんですか…」
美しい女性の誘いに私は感謝した。
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その日はとてもむしあつく、私はなかなかねつけなかった。
明け方になってやっと眠気がやってきました。
うと、うと……。
隣のベットの美しい女性もねつけないようだ。
ずっともぞもぞしていましたが、とつぜん、起きあがるけはいがした。
トイレにでも行くのかなと、私は気にせずにねむろうとしたが
ふと、なまあたたかい風がふいてきた。
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薄目を開けて隣を見るとなんと、
美しい女性には男性器が付いていて、
その男性器は長く伸びていた。
「まさか。この美しい女性、男性だったの…」
私はつぶやくと、ねたふりをしながら美しい女性の長く伸びた性器をじっと見つめた。
この人ががなにか私におかしなことをして来たらどうしよう…
美しい女性はふわふわとただよって、ベットから出ていった。
私はそっとおいかけた。
美しい女性はシャワールームに行き、長く伸びた自分の性器をひとりで触りだした…
今日はとても蒸し暑い、私はその光景に何故か興奮していた……
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少し離れてその光景を見ていた私はゴクッとのどをならした。
その時「くるり」と美しい女性が私のほうを見て、にやりと笑った。
「しまった。見つかったかも…」
美しい女性はいそいでベットにもどり、なにごともなかったかのようにねむってしまった。
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つぎの朝、私よりはやく目をさました美しい女性が、声をかけてきた。
「昨日の夜はとてもむしあつかったですねえ。よくねむれましたか」
「……ほんとうですね…」
私はふとんをかたづけながらこたえた。
「暑かったけれど、昨日は疲れていたのか、ぐっすりとねむって、夢ひとつみませんでした」
私はわざと、とぼけたふうに言います。
すると美しい女性はわらって、
「あら、あなた、あんなにふしぎなことをなさったのに」
と言うのです。
「私がふしぎなことを? ふしぎなことをしたのはむしろ、あなたのほうではないですか」
「わたしがふしぎなことを?」
美しい女性はにこにことしています。
「ええ。あなたは美しい方だけど、じつは男性で、このへやからぬけだし、シャワールームで一人で変な事してたじゃないですか!」
私が声をあらげながら言うと、美しい女性は目をほそめました。
「気づいていたのですね、、、でも、あなたも自分の性器を大きくしてわたしのようすをのぞいていたじゃないですか」
それを聞いて私ははっとした。
ずっと気づかれていないと思っていたのに、、、、
私もほんとうは、男性だったのです。
微笑を浮かべ美しい女性は荷物をまとめホテルの部屋から出て行った。
ろくろ首
曖昧な旅人
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