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旅のオススメを聞かれたら 【百島の人:西野 愛】 trip from Fukuyama


「帰国したら百島で一緒に暮らそう」
え?百島って……、どこやねーん!?というところから始まり、今ではすっかり百島大好き! 移住4年目の西野愛です。夫の祖父母宅があるこの島で、持続可能な自給自足の生活を目指して暮らしをしようと始まった生活。畑を耕し、鶏を飼い、新鮮な野菜や果物、そして生みたての卵を食べる毎日。海を眺め、子どもと浜で遊び、近所のおじいちゃんおばあちゃんとのおしゃべりを楽しむ。そんな平穏な日常に何よりの幸せを感じながら、家族三人のんびりと暮らしています。

海に囲まれた豊かな自然と人々のあたたかさが何よりの魅力な百島でしてほしい10のコトをご紹介します。

1.  ただ歩く

百島を訪れるのに大切なことは、目的を持たないこと。これをしたい!これを見たい!これを食べたい!と思っても、ご心配なく~。百島には何もありませんから。何もないのが良いところ。ただゆっくりと一周歩いたり、自転車で回ったりして、この島ののんびりとした時間の流れを感じてみて下さい。本当に何もなくて驚くことでしょう(笑)。三つの集落、昔ながらの小さな商店、穏やかな海、畑仕事をするおばあちゃん、昼寝をする猫……。そんなここでの日常の風景を覗いてみる。気づけば、あなたもいつの間にかこの島の心地よい時の流れの中にいるはずです。

2.  島民としゃべる

島を歩き、運よく島民に出会えたなら、あなたはラッキーです!無人島かと思うぐらい人に出会わないのは、特に日曜日。少ないお店すらも閉まってしまい、静まり返っています。もしもだれかに出会えたら、ラッキー!そして出会えた人がじいちゃんばあちゃんだったなら、さらにラッキー! 以前、遊びに来た友人が「さっきのおじいちゃん、半分以上何言ってるか分からんかったわ!」とゲラゲラ笑っていましたが、いわゆる「百島弁」というやつです。これがなかなか面白いんですよ。80~90代の可愛いおばあちゃん(ジブリ映画に出てきそうな可愛さ!)が歩いて来たらチャンス到来! さぁ、心がほっこりするトークタイムの始まり始まり~。「初めて会った気がしない」。そんな人だらけなのが百島の一番の魅力です。

3.  浜で過ごす

百島にはたくさんの浜がありますが、私のオススメ3選は、ブルーアイランド、海老呑、だんご岩! 天気の良い日に、誰もいない浜辺で海を眺めながらビールを飲む。穏やかな瀬戸内海だからこその贅沢な時間です。「このまま昼寝してしまえー!」と横になればさらに幸せ。疲れも悩みもパ~っと解き放たれていくよう。あ、お酒のせいではなくてね(笑)。浜から見る夕日は、ここに暮らしていても毎日見たいと思うぐらい、大好きです。

4.  山に登る

登山と言うと大袈裟なくらい百島には高い山はありません。15分ほどで登頂できるような低山なのに、眺めが最高な「軍殿山(いくさんど)」。大した準備などなくても、フラットな靴を履いていれば誰でも登れます。眺めは最高! 青い海に浮かぶ美しい島々、瀬戸内ならではの絶景を独り占めできるスポットです。登り口を見つけたら、あとはオレンジ色のリボンを目印に登るだけ! ぜひ登ってみてください。

5.  焚き火

百島にいると気軽にできて、町ではできない楽しみのひとつが、焚き火。火というのは、なぜ、見ているだけでこんなにも心が落ち着くのか。夕暮れ時、浜で枝や流木を拾い集めて火を灯す。暗くなるにつれてじんわりと火のぬくもりを感じて、離れたくなくなります。昼から夜へ移っていく海と空を眺めながらの焚き火は、大人の贅沢なひとときです。さらなるに楽しみは、焼芋、焼きリンゴ、焼きマシュマロ、焼きみかん(これは百島だけ?笑)。「小学生か!」って馬鹿にしないで。美味しい焼き加減に仕上げるのは簡単ではありません。そして上手く焼けた時、その美味しさに本当に感動するのです! この感動をぜひ味わってくださいね。焼芋においては多大な研究を重ねている私ですが、そのコツは教えません(笑)。

6.  ちいさなパン屋さん

百島には、週に2日だけオープンするパン屋さん「百島しあわせパン製作所」があります。火曜日は食パンの日、木曜日はベーグルの日。基本は事前予約ですが、お店の前に黒板が出ていたら、当日分がまだ買えるかもしれません! すぐに売り切れてしまうので、焼きたての時間(食パンは11時頃、ベーグルは12時頃)に行くのがオススメです。材料、製法にこだわった安心のパン、そして何より美味しいパン、我が家はみんな“ももパン”の大ファンです。ちなみにうちの息子(1歳男児)は、店主の俊美さんの大ファンです(笑)。

百島しあわせパン製作所

7.  海ほたるナイトクルーズ

百島に来て以来、楽しんで乗っているカヤック。その中でもおすすめしたいのは夜のカヤック。沈みゆく夕日を眺めながらパドルを漕ぎ進めて、夜が訪れたら、手を休めて空を見上げる。湖のように静かで穏やかな海に、ぽつんと浮かんでいる自分。空には月と星。そして、海には美しく輝く海ほたる。上手く言葉にできない感動と共に「無」になれる至福の時です。 

百島カヤッククラブ“しまカヤ”

8.  船の魚屋さん

週に一度、百島の福田桟橋にやってくる漁師さん(来島日は当日の朝に島内放送で案内があるので、島民に確認を。ここ最近は毎週土曜日です)。どんな魚があるかはその時のお楽しみ。「そのエビ全部ちょうだい!」「えー!私も欲しいわぁ」「ほんなら半分ずつしようや!」と、交渉しながらお目当てのものを仲良く買う人たち。そして、新鮮な魚を手際よくさばいていく漁師さんと百島のおばちゃんたち。そんな風景を近くで見ているだけでも楽しくなります。

9.  土曜市

毎週土曜日9時から泊地区で開催されている朝市で、農作物や不用品を島内で循環させようと始めた島民による島民のための市です。出店は自由で、野菜や果物、お惣菜、時々テレビなどの電化製品も売られることもあり、週に一度、人が集い賑わう場になっています。買い物するだけでなく、この場に来てお喋りをすることを楽しみに感じているおばあちゃんたち。1歳から94歳までが集まる楽しいひとときです。9時のベルと同時にあっという間に商品がなくなるので、早めに来ることが何より大事!おばあちゃんたちは開店前のデパートみたいに並んでいます。百島らしさを垣間見ることができる土曜市で、溢れんばかりのおばあちゃんパワーをもらって、元気をチャージしてください!(朝市のレポート記事「世界最短の朝市【日帰りtrip百島】」も参考に)

10.  瀬戸内隠れ家リゾートCiela

ここまで百島のおすすめを書いてきましたが、百島を満喫するには少なくとも一泊はしてほしい! それが私の本音です。のんびり滞在してこそ、百島の良さを感じられると思うから。Cielaは、宿泊設備が揃っているうえ、目の前が海というロケーションがなんとも贅沢。美しい夕日を眺めたり、焚き火を囲んだり……、楽しみ方は無限です。

瀬戸内隠れ家リゾートCiela

バックパッカー時代に、アジアの国々を訪れて感じた「本当の豊かさ」。それは便利な物に溢れた日本では見つけられない豊かさの本質でした。たとえばラオスの村で感じた、上手く言葉にならない、でも心の底から湧き上がる「幸せ」という感情。それに近いものを日々百島で感じています。物質的な豊かさではなく人と人との繋がりが今もなお強く残る、私にとってとても“豊かな”暮らしなのです。出会ってすぐに打ち解けられるあたたかな人たち、初めて来た時から今も変わらないこの島の心地よさ。いつもそこにある美しい自然。人間に必要な物なんてこれ以上ないかもしれない。「シンプルに生きればいい」、ここにいるとそう言われているような気がするのです。ここだけ時が止まっているような平和な島。この空気を吸いに、ぜひ百島へ来て下さい。

【百島へのアクセス】

① バス
福山駅前〜常石港(トモテツバス 瀬戸経由「常石」行 6番乗り場)
●所要時間:約43分
●乗車料金:720円

② フェリーor高速船
常石港〜福田港(百島)
●所要時間:フェリーは約12分、高速船は10分
●乗船料金:250円
※切符売り場はないため、船内で購入

【駐車場】
●乗船桟橋手前の駐車場を利用できる。駐車スペースが狭いため、駐車できない場合あり。

【注意】
●常石港では自動車の乗降が可能。
●自動車の航送は歌港・常石港・福田港の3港間のみ可能。自転車はフェリーと高速船の両船で航送可能。

瀬戸内への旅の玄関口
福山駅前のまちやど「AREA INN FUSHIMICHO FUKUYAMA CASTLE SIDE」
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住所:伏見町4-33 FUJIMOTO BLDG. 1F(RECEPTION)

AREA INN FUSHIMICHOは、まち全体をひとつの「宿」と見立てた「まちやど」です。泊まる、食べる、くつろぐ、学ぶ、遊ぶ、さまざまな要素がまちのなかに散りばめられています。チェックインを済ませたら、伏見町、そして福山のまちから瀬戸内への旅へ。



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