発達障害には具体的な改善策を立てた方がいい理由
「発達障害を改善するためには、具体的な対策を立てた方がいい」
書籍やネットなどで、よく言われていることですよね……でも、ASD当事者の私としては、「具体的」という言葉自体があいまいで、いまいち理解できません。
なぜ具体的にした方がいいのか
どうすれば具体的になるのか
以上のことを、ASD当事者の目線で考えてみました。もしよかったらご覧くださいね。
(本人が対策を考えるときはもちろん、周りの人たちが本人に声がけするときにも、参考になるかと思います)
なぜ具体的に対策を立てた方がいいのか
発達障害のマイナス面をカバーして、プラス面を生かすために、なぜ具体的に対策を立てる必要があるのか。具体的な方が、本人の特性に合っているからです。
ASDの特性
ASDは一般的に以下のような特性があると言われています(個人差あり)
ひとつのことに集中するのが得意
ルールをきちんと守る
こだわりが強い
言葉を正確に使いたがる
ここまで読んで、「あれ?」って思いませんか?そう、ASD当事者はカチっとした型があった方が、グッと集中しやすい人が多いんです。
たとえば事務をするにあたって、作業の手順を書いたマニュアルを作って、その通りに動いた方が、ミスを減らしやすいですよね。それはマニュアルという型があるから。ちなみに、耳で聴いた情報よりも、目で見た情報を処理する方が得意な人にとっては、マニュアルは心強い味方になります。
周りの空気を読みながら、何となく流れるように動いている定型発達者とは、ちょっと具合が違いますね。
ASDの特性については、以下の記事にも書いています↓
ADHDの特性
ADHDにも具体的な対策は有効だと思います。ADHDには以下のような特性が見られます(個人差あり)
興味のあることなら集中できる
すぐに行動に移せる
発想力が豊か
ADHDの自由奔放なエネルギーを無駄遣いしないためにも、ある程度の型はあった方がいいでしょう。ToDoリストを使って行動を整理したり、ひらめいたままにメモを取って物忘れを防止するといいですね。
具体的な対策の立てるための3つのポイント
では、生活や仕事において、どうすれば具体的な対策を考えることができるのか。以下の3点に気をつけながら、作戦を練るといいと思います。
1.肯定的な言葉を使う
人間は否定的な言葉について、どうしても想像しづらいもの。肯定的な言葉の方が、心を定めやすいです。
たとえば、「夜更かしをしない!」と決意したところで、まずは夜更かししているイメージが、しっかり脳に浮かびますよね。そして、そのイメージを懸命に消去しようとしても、何時までに寝ればいいのか迷ってしまうかもしれません。夜中の12時、12時1分、12時2分、12時3分……という風に、就寝時間の例を挙げたらキリがないからです。それなら「11時までに寝る!」と、ひとつにきっちり決めた方が、すっきりします。
2.複数の選択肢は1つに絞る
選択肢が複数あると頭が混乱して行動に移せないので、1つに絞った方がいいです。
例題の×は、極端な例。動物性たんぱく質を摂取しないベジタリアンと、肉食推奨のローカーボを、両立できる訳がありません(笑)矛盾を生じる場合は、どちらか選んだ方がいいです。ローカーボと決めたら、そのことだけに専念できますもんね。
3.あいまいな言葉は5W1Hで絞り込む
「適度」とか「なるべく」とか「ほどよく」という言葉は、あいまいで加減が分かりづらいことがあります。それどころか、やり過ぎたり、やらな過ぎてしまうことも有り得るでしょう。あいまいな言葉は5W1Hに置き換えると、想像しやすいし、実行しやすくなります。
例題では、「60分」「1回」「5分」「100ml」という風に、数字を上手く活用しています。数値化することで、加減や達成度がイメージしやすくなるので、おすすめです。
まとめ
発達障害のある人が、具体的に対策を立てた方がいいのは、自分の特性を生かすため。
1.肯定的な言葉を使う
2.複数の選択肢は1つに絞る
3.あいまいな言葉は5W1Hで絞り込む
以上のことに気をつけながら、仕事や生活の改善策を考えてみるといいと思います。
ただし、あまりにも型がキツイと思ったら、ラクにしてくださいね。靴に合わせて足の指を切るのでなく、自分が歩きやすい靴を作るイメージで。
改善策を立てるのは、あくまで自分らしく生きるための第一歩です。
(お知らせ)
当記事は、「悩みのフローチャート」の3.の項目の解説です。
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