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2024年3月の記事一覧
「コージーコーナー(朝日広告賞受賞)」の考察
1. なぜアイデアとして優れているか?この広告は食べ物の見栄えとしてはかなりマイナスな「崩れている」というビジュアルを逆手に取っているところに面白みがある。
ケーキの広告のみならず、食品を商品として扱う広告では、美しい形状やシズル感を演出する広告が一般的な表現である。
コージーコーナーやケーキ屋さんの特徴には「持ち帰って食べること」がある。
持って帰る過程で崩れてしまった経験のある人は多い。
「関西学院大学法学部」広告の考察
関西学院大学の法学部の宣伝広告。
1. なぜアイデアとして優れているか?
「感情」と「論理」の対比構想となっている。
ターゲット層と思われる高校生以下の思春期真っ只中の学生に向けた広告として、恋愛は自分ごと化されやすい内容である。
対して、「法律」は身近なものでなく、法律に触れる機会がない限り、自分ごととして捉えにくい。
そこを「恋愛の質問を法学の観点から答える」という見せ方で、法律に興味を持
「小学一年生」広告(朝日広告賞受賞作品)の考察
小学生向け雑誌「小学一年生」の広告。
1. なぜアイデアとして優れているか?漢字の単語と崩れ方を掛け合わせた、「なぞかけ」の体裁となっているところに面白さがある。
まず、小学校でよくある「漢字テストの赤ペン」という題材が、雑誌のターゲットである小学生との親和性が高い。
年金や首相などの「単語が示すもの」とかけて、「文字の形状ミス」と解く、その心が赤ペンに繋がっていくという造りとなっている。
エボルタ(朝日広告賞受賞作品)の考察
1. なぜアイデアとして優れているか?このビジュアルは「子供が電池切れしている」という部分に面白さがある。
「持久力」をキーワードに、子供とロボットを使い、「子供の体力の持久力」と「ロボット(電池を使っている)の持久力」を比較する体裁で、「エボルタ=長持ちする電池」という商品価値を演出している。
電池は日常生活の中で使われる場面が多いため、通常の広告では、普段使いされる場面を切り取ることが多い
「ギャツビー」の広告(準朝日広告賞受賞)
一般公募の広告賞受賞作品。
1. なぜアイデアとして優れているか?毛を「トゲや菅状花(花の中央部分)」に見立てるという、シンプルながら毛を使う挑戦的な広告。
ギャツビーといえば、ワックスやシャンプー、シェービング剤など、メンズ向けの商品を展開するブランド。
通常、体毛を使う広告は、発想自体は面白いが、違和感や気持ち悪さを醸成するようなビジュアルになりかねない。
しかし、この広告では体毛を「
「夜の水族館」の広告
水族館が期間限定での夜の営業に伴う宣伝広告。
1. なぜアイデアとして優れているか?「夜の水族館」というテーマを、日中のビジュアルでうまく表現しているところに面白さがある。
夜という表現を、団地に並ぶ布団によって「粗相した布団」→「水族館の夢を見ている」→「夜」という連想で想像できてしまう。
本来は、粗相が海の生き物の形になることやシミが青くなることはないが、非現実的な表現に振り切ることで
「味の素広告」の考察
調味料や食品を扱う企業「味の素」のブランド広告。食事で使われるうま味調味料が認知されている企業でもある。
1. なぜアイデアとして優れているか?
ダ・ヴィンチの絵画作品「最後の晩餐」をパロディにし、「最初の晩餐」として変換している。
作品自体が有名なものなので、直感的に絵画のパロディであることが認識でき、比較的万人に認知されやすい作りになっている。
最後の晩餐においてはキリストの「死」を思わせ
「小学一年生」周年記念の広告
小学一年生向けのコンテンツ雑誌「小学一年生」の周年記念広告。
1. なぜアイデアとして優れているか?昭和時代を思わせる家族写真の体裁で、全世代がそれぞれの時代の雑誌を持つことによって90年の長さを感じさせる表現に落とし込んでいるところに面白さがある。
まず、家族写真にすることで、本来持っているはずのない雑誌を手に持つことで目を惹く。そして、それぞれの時代の雑誌を持っていることによって、90年の
「居眠り運転防止啓蒙広告」の考察
1. なぜアイデアとして優れているか?「まぶたが接触する」=「人と車が接触する」という、眠ることと車の事故を「接触」という共通点で捉え、形にされたアイデア。
眠るためには目を閉じる動作は必ず起こることである。
この「目を閉じる」ことを閉じるという認知ではなく、「上まぶたと下まぶたが接触する行為」という視点に切り替えることによって、事故と居眠りの共通ワードができている。
「居眠りによって人の命を
「かねふく」のグラフィック考察
辛子明太子の販売を行っている「かねふく」の広告。
1. なぜアイデアとして優れているか?
ふっくらした唇のことを「たらこ唇」と呼ぶが、このビジュアルはそれを逆手に取って「たらこ(明太子)を唇に見立てる」という逆説的な表現であるところにアイデアがある。
商品を唇に擬態させつつ、1つだけが明太子であるという、「間違い探し」のような見せ方で遊び心のあるデザイン。
また、「かねふく」という社名が人名のよ
POLA APEX広告の考察
スキンケアブランドのPOLAが新しく開発した、業界初の肌分析からその人に合ったスキンケア商品を提供するサービス「POLA APEX」の広告。
1. なぜアイデアとして優れているか?美容広告の表現としてあまりない「顔の歪ませる」ことでチャートを作るという表現の新しさが面白い。
従来の美容業界の広告イメージは、芸能人やモデルを使うことが多く、「この俳優さんのようになりたい」という憧れの感情を抱かせ
森林文化協会の啓蒙ポスターの考察
世界的に森林が年々減少していることを啓蒙するためのグラフィック。(おそらく)
1. なぜアイデアとして優れているか?森林減少と未来の子供に森林を残そうという2つの意味を持っている
森林伐採などで木々の減少が叫ばれる中で、木々の緑の減少をクレヨンの緑の減少になぞらえているところが、最小限の表現方法で直感的にイメージできる。
さらに、題材がクレヨンであること意味があるのではないかと想像する。
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広告電通賞展ポスターの考察
1. なぜアイデアとして優れているか?
「チャレンジ」をグラフィックで表現する際に、「波乗り」というモチーフはベタなアイデアである。
しかし、海を有機的に捉える演出ではなく、平面的かつ四角という、本来は存在しえない幾何学的な海にすることで「未知へのチャレンジ」という姿勢が演出されていて、表現の面白さがある。
さりげなく配置されているコピーは、グラフィックの特徴に連動したコピーとなっている。
例