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「青くなれなかった春に」

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どうでも良いことが全部愛おしく思えるような日々に恋焦がれていたかつての僕。 灰色にしか見えなかった春も、大人になって見ると、意外に「青かった」のかもしれないと思えるようになった。…
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#大人

過去を嘆きながら生きるには、人生はあまりに長すぎる

過去を嘆きながら生きるには、人生はあまりに長すぎる

今の日本人の平均寿命は、男性が82歳、女性は88歳ぐらいらしい。

人生100年時代にはまだ程遠いものの、人類の進歩は目覚ましい。

そう遠くない未来、100歳まで生きるのはデフォルトの時代になるのかもしれない。(正直私はそれを望んでいないのだけれど)

では、例えばの話。10代のうちにしか出来なかった後悔があったとしよう。

今10代の人は最近の後悔を、もう20歳を超えていい加減現実に打ちのめさ

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何にも期待しないのが長所で、何にも期待出来ないのが僕の短所らしい。

何にも期待しないのが長所で、何にも期待出来ないのが僕の短所らしい。

東京から実家に帰省する時に、絶対に深夜バスで帰る友人がいる。

適当に小林とでも名付けよう。

都内で電車よりもバスで移動したがる変わり者だった。

小林曰く電車や新幹線が嫌いなわけでも、お金を気にしている訳でもなく、ただ純粋にバスに揺られている時間が好きらしい。

お金で時間と楽さを買えるならそっちを選択してしまう僕には到底理解出来ない話だった。

以前一度だけ深夜バスで帰省したことがあるけれど

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「好きかもしれない」はもう負けている

「好きかもしれない」はもう負けている

高校1年生の時に、好きかもしれない人が出来た。

夏目前の6月末。
静岡の土肥海岸というところで、2泊3日の宿泊研修をした時のことだった。

遠泳を目的とした研修だったのに連日空は雨模様で、大して海で泳いだ記憶がない。その日も昼過ぎから海が荒れ始めたので、ホテルで時間が過ぎていくのをただ待っていた。

「好きかもしれない」の対象だった子は、クラスは違うけれど同じ部活で入学してからもそれなりに一緒に

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恋敵は親友になり得る

恋敵は親友になり得る

私が高校時代に経験した恋愛は、先日更新した「勝手に終わった恋だった」の中に登場する話と、LINEに頼って終わらせてしまった恋の二つだ。

二つ目の恋を簡潔に伝えるとするなら、私にだけ矢印が向いていない三角関係の恋愛だった。

結果は言うまでもなく私の惨敗。
高校野球は負けても甲子園の砂を持ち帰れるのに、目も当てられないほどに惨敗したにも関わらず、何も得る事は出来なかった。

話したい事は山ほどある

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「ここじゃない」と言い続けて。

「ここじゃない」と言い続けて。

「自分がいるべき場所はここじゃない」

そんな感覚に陥ることが儘良くある。

具体的に何が足りてなくて、なんでそこが自分の場所ではないと思っているのかは分からない。

ただなんとなく「ここじゃないんだ」という漠然とした思いを、僕は常に心の内側に秘めている。

きっと「私」の言葉を見て、感情にも言葉にもならないような何かの所為で、胸に違和感を覚えている人は、同じような思いを抱いているのではないだろう

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