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「青くなれなかった春に」

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どうでも良いことが全部愛おしく思えるような日々に恋焦がれていたかつての僕。 灰色にしか見えなかった春も、大人になって見ると、意外に「青かった」のかもしれないと思えるようになった。…
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2022年7月の記事一覧

1人になるのは好きなのに、1人でいる自分は嫌いなんです。

1人になるのは好きなのに、1人でいる自分は嫌いなんです。

最速で矛盾をしている。

だって1人になるのは好きなのに1人でいる自分が嫌いだなんて、ギリギリどころか全く理解できない。

唐突に起き上がってチュールを寄越せと鳴いている愛猫の横で、今まさにこの文章を書いている自分ですらよく分からないのだ。

きっとこの文章を読んでいる貴方は、何度も繰り返しタイトルを読み返す羽目になったに違いない。

でもこれが事実。
僕は1人になるのは好きだけど、1人でいる自分

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LINEとインスタと寝れない夜

LINEとインスタと寝れない夜

僕「眠くないの?」

ピコン
「今日はなんか眠くない」「なんか話そ」

僕「あー、そういえば最近インスタ始めたんだよね」

ピコン
「え、今更?笑」

当時好きだった子と度々こんな感じで始まる1秒で既読がつくLINEのやりとりをしていた。

いつもは返信がこない時間にLINEの通知がなって、僕からの「眠くないの?」というメッセージに、彼女が「今日は眠くない」という趣旨の返信がくるのが寝れない夜のお

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何にも期待しないのが長所で、何にも期待出来ないのが僕の短所らしい。

何にも期待しないのが長所で、何にも期待出来ないのが僕の短所らしい。

東京から実家に帰省する時に、絶対に深夜バスで帰る友人がいる。

適当に小林とでも名付けよう。

都内で電車よりもバスで移動したがる変わり者だった。

小林曰く電車や新幹線が嫌いなわけでも、お金を気にしている訳でもなく、ただ純粋にバスに揺られている時間が好きらしい。

お金で時間と楽さを買えるならそっちを選択してしまう僕には到底理解出来ない話だった。

以前一度だけ深夜バスで帰省したことがあるけれど

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「好きかもしれない」はもう負けている

「好きかもしれない」はもう負けている

高校1年生の時に、好きかもしれない人が出来た。

夏目前の6月末。
静岡の土肥海岸というところで、2泊3日の宿泊研修をした時のことだった。

遠泳を目的とした研修だったのに連日空は雨模様で、大して海で泳いだ記憶がない。その日も昼過ぎから海が荒れ始めたので、ホテルで時間が過ぎていくのをただ待っていた。

「好きかもしれない」の対象だった子は、クラスは違うけれど同じ部活で入学してからもそれなりに一緒に

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