業務効率化の落とし穴と正しい進め方

ノーコード・ローコードツールの現実

近年、ノーコードやローコードのRPAツールが業務効率化の手段として注目を集めています。しかし、「誰でも簡単に扱える」という広告を鵜呑みにしてはいけません。従業員から「簡単だと聞いていたのに、使い方が分からない」という反応が返ってくることもあります。

これらのツールはプログラムコードを書かずに使える点が魅力ですが、ツールの適切な使い方を学ぶ必要があります。プログラミングやデータベース、IT業務処理統制などの知識がなくてもツールは使えますが、本当に効果的なツールを作るためには基礎的な概念を理解していることが重要です。

効率化に対する誤解

RPAツールは多くの予算と学習コストを伴います。何でもかんでもRPAツールで解決しようとするのは誤りです。実際には、ExcelやWordを適切に使いこなすことで十分に業務効率化が図れる場合が多々あります。

• Excelの「データベースファーストの原則」に即したデータ管理

• 一部の関数を使用してできる演算

• マクロで解決できる作業

• Wordの差し込み印刷を利用した文書作成

Excelのサポートを10年間やってきた経験から最も頻出の助言は

「データベースファーストの原則」

であり、この原則には

「1セル1データの原則」
「1列1データ型の原則」
「セル結合禁止の原則」

の3つが含まれる。

ほんっとにこれはどこに行っても目にする問題。

これだけ注意すれば後は簡単です

— 吉田拳/Excelで、経営は強くなる (@sugoi_kaizen) August 9, 2022

これらをしっかり理解して適切に使用することで、RPAツールを使わずに効率化を実現できることもあります。

効率化の進め方とマナー

効率化を進める際には、周囲のステークホルダーに負担がかかることを忘れてはいけません。自信過剰にならず、慎重に提案を行うことが大切です。

提案のポイント

1. 普段の業務は、人一倍一生懸命行っている姿勢を見せておく。

2. 提案は日常業務の延長として、いつも通りの手順で行う。

3. 楽をするためではなく、組織の利益を最大化するためであることを伝える。

4. 他部署や他社での導入事例を調べる。

5. まずは自分の業務で試してみる。

6. 巻き込むステークホルダーの範囲を適切に定める。

7. 社内の情報システム部門が推奨する流れをチェックし、それに従う。

関係者への配慮

効率化の提案は、上司、クライアント、発注先、他部署など、様々なステークホルダーに影響を及ぼします。これらの関係者に十分な配慮をし、理解と協力を得ることが重要です。

業務効率化は一筋縄ではいかない課題ですが、正しい方法で進めることで、組織全体のパフォーマンス向上につながります。慎重かつ戦略的に進めていきましょう。