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東京発祥ブランドゼロ問題

東京発祥ブランドゼロ問題

世界的に見てもファッションは未だにブルーオーシャンだと思う。
技術的には高度なものを要するのにそこまでデザインや文化を学んでいなくて評価されている人も多いし、他分野からプロになる人もいる。だけど、服を纏わない日はなくて衣服がなければ生活が成立しない。もう1度服を考える時代だと思う。

東京カルチャーと服は切っても切り離せない。ハイブランドからファストファッション、古着まで、ありとあらゆる服が集まっている場所は世界的に見ても珍しいと思う。その立役者は古くは銀座だったし、現代は渋谷・原宿だと思う。素晴らしい服屋さんがいっぱいあるし、面白い。ただ1個問題がある。

外国輸入のブランドばかりで、これが東京を代表する服ですよ、と旅行で来た人にオススメできる企業が1つもないのだ。
確かにジュンココシノやヨージヤマモト、イッセイミヤケ、KENZOは世界で有名だ。
だけど、東京発信のブランドではない。
これが日本のファッション文化を1段階下げてる原因だと思う。

パリと言えば、CHANEL、DIOR、LVMH、ミラノと言えば、プラダ、アルマーニ、ゼニア、ニューヨークと言えば、マークジェイコブス、ラルフローレン、コーチなどその国土着のブランドが必ずある。
だけど、東京発祥の服屋さんでここまで有名なのは1つもない。
これは大仰に言えば戦後日本自体につながる。

戦後日本は、すべて復興に資金を注いできた。
その代わり、文化形成は後回しにされた。
急ピッチで大学がつくられ、芸術大学や服装大学、デザイン大学はほとんど国主導でつくられなかった。
ベルギーやイギリスはファッションの国立大学がある。
今やっと日本も気づき始めたけど官僚主導という感じだ。

この75年間のツケは大きい。
政治家は誰もファッションの重要性を学んでいない。
洋服技術やデザインがどれだけ優れているかは、その国の指標の1つだが、スーツやマスク1つとっても、清潔感や見映えは無頓着だ。
そして、ちょっとでも、お洒落をすると総攻撃して政治と洋服を切り離そうとする。

ジェンダーの問題も、この国が後回しにしているのは、ファッションやポップカルチャーについてよく知らないで議論しているからだと思う。
洋服とは、本来科学の結晶だが、
物理学で新素材を作る事には資金を出すが、それを企業が洋服に生かす事までは研究者も、国もそこまで力を入れていないと思う。

政治家でカッコいいと言われている人の私服はダサい。
大抵奥さんが選んでいたりする。
永遠にこの話はできるが、
もう1個問題点として考えられるのは、エリートが好んで読む本にファッションとポップカルチャーが組み込めていない事がある。
つまり、文学や哲学が服装を意識しないで書かれている。

大衆的な人気文学も、ファッションの話を正面切って書いているものや、専門的でありつつ、読みやすく、物語としても面白い、という作品がほぼない。
エリートは、人によると思うが、本や人の話から知識を得ていると思う。
戦後の歴史を読んでいても、ファッション文化はほぼ出てこない。

必然的にファッションの話は、無視されるようになる。
けれど、文化に敏感な人は、
本や人の話は確かに大切にすると思うが、実際に体験して学ぶと思う。
机上だけで、考えないから、新しい洋服を着たり、新しい言葉が生まれる。
柔軟な発想とは、行動し文化を身に纏うところから始まる。

この国を良くして行くためには東京発祥の日本代表ブランドを作る事だと思う。
僕の洋服を作る日に向けた旅路は始まったばかりだけどそのためのプロセスを歩いている。
5年後か10年後かそれとも永遠にそんな未来はないのかはわからない。日本に生まれて日本人として生きてきて見過ごせない事実がある。

頑張ってもがき苦しみながら、見えないこの先の時代を作る1人になろうと努力している。
死ぬ前になって日本や、世界の平和と正義のために貢献できたと思えれば、本望だと思う。
人々は、変わる事ができるし、
着る物1つで明るい気持ちにもなれる。
そんな生きる理由を提示できる何かができたらいい。

noteは毎月更新しています。東京を歩くたびに僕の世界はアップデートされています。その日本一の都市で日々起こる日々の現象を描いていきます。お気に入りの記事があったらいいねコメントしてください。