【感想文】社長の心得(小宮一慶)ページ数:223ページ 2014年著
【なぜこの本を読もうと思ったのか?(自分の弱みや足りない点)】
・社長という生き物がどう生きるべきか原理原則を知りたかったから
・マネジメントの立場として、立場にふさわしい人間になっていきたいから
【なぜそう思ったのか?】
・元々この本は前職の経営コンサルタントの勉強の一環として、
社長はそもそもどうあるべきなのか?
という興味から購入した本だが、ずっと本棚にしまいっぱなしになっていた。今はマネジメントの立場として、社長になったつもりで仕事する為に、原理原則を落とし込みたい気持ちから読んでいった
【本文の文字数】
1,432文字/1,440文字
【❶結論】【本書は組織化していくフェーズで初めて重視される】
私が思うに本書が特に重要視される状況にあるのは、
・社員が10人以上の会社
・二代目社長
・カリスマ社長が事業を進めてきた会社
である。
理由は3つ。
①立ち上げ当初はとにかくキレイごとを言っているヒマはない
②最初から完成されている人間など存在しない
③社長は元々本業のプロであり、経営のプロではない
①についてはまずは事業を軌道に乗せる事が企業として
継続的発展していく為の最優先事項である。
その事業を進める為に初めて社員を雇うのである。
売上の源泉なくして雇用はない。
もちろん最初から本書の考え方が身について落とし込まれていれば完璧であるが、2,3番目の理由にもある通り、基本的には実践を通して内省・内観を繰り返して修正していくものであると考える。
経験上、組織は特に10人を超えてくると
自分中心では進まない領域がある様に感じる。
「あなたの私利私欲の為に働いているわけではない」という考え方が
当然存在し、その声が大きくなる為だ。
つまり、他人の利害をしっかり組み込まないと円滑に進まない事になる。
したがって、もし事業を継続的に発展し
組織を拡大させたいと思うのであれば、
人として視座を高く持ち、謙虚になり、素直になり、相手中心に物事を考えて実践出来るようにならなければいけないという事になる。
言い方を変えると、そう変わっていかなければ
事業は継続的に発展しないという事だ。
【❷要約】
本書は筆者が経営コンサルタントとしての二十年の経験と、
多くの社長との出会いによって集約された
経営の本質・原理原則・経営者としての
正しい考え方や生き方をまとめた心得書である。
社長と一口に括っても千差万別であるが、
本来社長とはどうあるべきなのか?という原理原則について、
序章を始め全4章にて95項目で構成されている。
各項目について見開き2ページで完結しており、
右側に項目、左側に解説のシンプルで読みやすい構成になっている。
(一倉定氏の経営心得と同じ構成である)
序章➤良い会社とは何か?社長との仕事とは何か?の定義
第一章➤社長と社員の基礎力を高める方法
第二章➤社長が持つべき仕事観
第三章➤社長が知っておくべき人材育成の要諦
第四章➤社長としての人物力
構成にも表れている通り、
具体的な売り上げの伸ばし方や財務諸表に対するハウツー本ではなく、
すべての元である「生き方・考え方」に
焦点をあてて展開しているのが特徴である。
【❸仮説】【考え方が先か?目的が先か?】
私の課題として「人生積み上げ思考」がある。
その場その場を生きており、
人生に対する終着点(目的)は結果論になっている生き方だ。
別にこの思考を否定するわけではないが、
この思考における重大な欠点を述べたい。
「大成しない」のである。
逆に目的思考とは、人生における目的を先に決め、
逆算的に学ぶべき事や実践すべき事を決定していく考え方である。
ある時、積み上げ思考ではいけないと感じた。
人生に目的が生まれたからである。
「世の中小企業を仕組みの整った中堅企業に引き上げる事」
この人生目的を達成する為に、
体系的に物事を学び、実践していく事を継続中である。
私の場合は目的が定まったゆえに、必要な考え方が身に付いたと言える。
考え方を決めたから目的が定まる聖人君子に
誰もがなれるとは私は考えていない。
しかしその大いなる目的は考え方が元になっている事も事実である。
二元論にするよりかは、人によって変えて行けばいいのではないだろうか。
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