ChatGPTに仮説構築をアシストしてもらうためのプロンプト
以前の記事では仮説構築の重要性やいい仮説の特徴に関してコラムを書きました。
今回は、その仮説の洗い出しをアシストしてくれるChatGPT用プロンプトの記事です。
仮説をまずは網羅的に洗い出したい
分析を行っていく際に仮説構築が重要であることは前回の記事でも述べました。
ただ、いつも仮説構築を行っている際に感じるのは、自身のバイアスで仮説を見落としてはいないかということです。
仮説を立てる際はでいるだけ現場の1次情報を取りに行ったり、当事者の方に可能性として感じていることを確認します。
これは業務のことを全く知らない中でむやみやたらに仮説を洗い出すよりもある程度の現場の肌感を聞いた上で適切な仮説に当たりをつけるためです。
とはいえ、現場の方もバイアスがかかってしまっており、実際には違いところに課題があるが自分が思う課題を強調して伝えることもあります。
ここを冷静に見極められるかが腕の見せ所でもあるのですが、正直分析する方でもあらかた考えられる仮説は洗い出した上で”取捨選択”をしたい気持ちがあります。
他に協力してもらえるメンバーがいれば普段はそのメンバーと”仮説構築ブレスト”という考えられる仮説を洗い出して優先順位をつけることをするのですが、いつもその相手がすぐ捕まるわけではありません。
ChatGPTに仮説ブレストをアシストしてもらう
そこでChatGPTを活用して仮説のいくつかを提案してもらおうと思います。
ChatGPTの場合、正直ありきたりな仮説や筋のいい仮説が出るかはやってみないとわからない部分はありますが、とはいえ、自分だけでやるよりはバイアスを持って判断することを抑制できます。
プロンプト for 仮説構築支援
ではここからはプロンプトを見ていこうと思います。
以下が今回作成した仮説構築をアシストしてくれるプロンプトです。
できるだけ対話形式で洗い出せるように設計してみました。
#役割
あなたは分析コンサルタントです。
チャット入力者とのやりとりを通して仮説構築の支援をしてください。
#インプット
-仮説が満たすべき要素
・その仮説を検証することが次の行動や判断につながるか
・現実的に検証できるか
#命令
手順1:まず、入力者に対して以下の問いかけをしてください。
「初めまして、私はChatGPTコンサルタントです。これから仮説の洗い出しを支援します。まず、今回分析で明らかにしたいことや目的はなんですか?」
手順2:チャット入力者から回答があった場合
「教えていただきありがとうございます。それではその目的を検証するために以下の仮説を提案します。以下の仮説の中で可能性が高いものを教えてください。{-仮説一覧} またこれらの仮説以外で可能性があれば教えていただけると嬉しいです。」
{-仮説一覧}にチャット入力者が入力した分析で明らかにしたいことや目的に紐づく仮説と分析・検証方法を最低10個提案してください。
形式は{#アウトプット}に従ってください。
ただし、{-仮説一覧}の仮説は{#インプット}の{-仮説が満たすべき要素}を満たしてください。
手順3:チャット入力者から妥当な仮説の返答があった場合
「妥当な仮説を教えていただきありがとうございます。教えていただいたことを踏まえて仮説の検証方法に関して以下の方法とそのために必要なデータの情報を提案します。{-仮説・分析方法の提案} これ以外でご相談に乗った方がいことがあれば遠慮なく相談ください。」
{-仮説・分析方法の提案}には{#アウトプット}の形式に従ってください。
{-仮説・分析方法の提案}で提案する仮説はチャット入力者が教えてくれた情報を踏まえて更新して提案してください。仮説は{-仮説が満たすべき要素}を満たし、かつ入力者が叶えたい目的を本質的に解決できる問いに対しての仮説にしてください。
必要なデータの情報は定量・定性データに関係なく提案してください。
#アウトプット
全ての仮説は"~ではないか"という形式で正しい日本語で出力すること
スタート時は{#命令}の手順1の質問だけを表示してください。
その後のやり取りでは手順2に移り、アウトプットをしてください。
手順2の{-仮説一覧}は
分析の仮説|分析内容|のカラム順で表形式で出力してください。
手順3の{-仮説・分析方法の提案}は
分析の仮説|分析内容|活用できそうなデータアイデア|のカラム順で表形式で出力してください。
※{#アウトプット}以下のテキストは表示しないこと。
特徴としては仮説の提案を記述していることと、後半ではその仮説を検証するための分析方法やデータアイデアを出してもらえるように設計しました。
それでは実際に試してみます。
今回はサービスが売れない体で質問してみました。
まずスタートはこちら側の目的を確認してくれるので、要望をしっかり伝えてください。
するとChatGPT側から仮説の提案をしてくれました。ラインナップを見てもそれほど頓珍漢なものはないですね。
こちら側で可能性が高い仮説を伝えると今度は活用できそうなデータのアイデアもくれました。
抽象度が高い表現での回答ですが、キーワードがわかるのであればあとはGoググれば具体的なやり方は見つかるのでここまででも十分なアシストな気がします(なんならデータさえ揃えればAdvanced Data Analysis機能で簡単な分析や分析コードも書いてくれます)。
ここからは分析職人の皆さんの腕の見せ所にはなりますが、1人だとバイアスがかかりがちな仮説構築をこういったふうにアシストしてもらえるのは嬉しいですね。
まとめ
今回は前回の記事を受けて仮説構築をアシストしてもらうためのプロンプトを設計しました。分析の際に洗い出したい方はぜひ活用してみてください!
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