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【1993/5/13】(朝日新聞)PKO協力法 自衛隊帰還の記事を読んでみた

PKOって何?

きっかけは湾岸戦争

湾岸戦争の過程で、日本は資金面・物質面の協力だけでなく人的な側面でも積極的な国際貢献を行うべきだという理解が広まったことがきっかけ。

何が良くて、何が問題なの?

良い点

  • 国際協力に貢献することができる

  • 国際的地位の向上

問題点

  • 憲法上の問題

  • 自衛隊の在り方

  • PKO協力法成立までの議論の在り方

  • 現地での活動範囲や活動内容の線引き

その日の各紙の報じ方と主張

朝日新聞


  • 議論の甘さ
    与党内でも決して一枚岩になっておらず、各党の思惑が錯綜している。

  • 現地の自衛隊の活動内容
    一貫して武力行使に反対であり、武装解除がなされていない地域に派遣する場合に不可抗力で自衛隊が武力行使や危険に巻き込まれるのではないか、という懸念を報じている。

  • 日本の国際的立場
    強い影響力を持つ米国などからは、日本の積極的な参加を求められる一方で、日本としては憲法9条などの問題から武力行使の恐れがあるPKO活動には慎重にならざるを得ないという板挟みになっている。

詳細は以下の記事から

毎日新聞

  • 国際貢献
    安保理の常任理事国入りを視野に入れている、国際貢献の実績を作る、など日本の国際的な立ち位置的な問題を取り上げた。

  • 現行のPKO法と現実問題との乖離
    実際に現地では活動内容が変更に次ぐ変更だったことも取り上げ、戦闘に巻き込まれた際の対象法や活動範囲、さらには憲法上の理由など、議論の詰めの甘さに言及している。

詳細は以下の記事から

読売新聞

  • PKO活動の妥当性
    世界の平和のために尽力することは当然の責務であり、PKOの活動は十分に評価されるべき。

  • 法整備と憲法問題
    しかしながら、現状のPKO協力法には限界があるので、より深い活動をするためには法改正が必要であり、この議論と共に当時の政権の細川政権に対して憲法問題へ着手してほしい。

  • PKO法制定時の野党について
    PKO協力法を可決するにあたって、野党がした行動は議院内閣制度の根幹を揺るがす愚行と伝え、強い否定をした。

詳細は以下の記事から

全体を通して(筆者の主観)

 PKOの活動に対しては、筆者は賛成の立場である。
記事冒頭で述べた「国際協力への貢献」「国際的地位の向上」を果たすことができるという点で賛成である。
 一般的に新聞の中でも読売は右寄り(改憲派・自衛隊強化)、毎日と朝日は左寄り(改憲派・自衛隊強化)とされている。
実際にPKOに対しても、右寄りである読売新聞は現状のPKO活動に肯定的な立場であると感じた。
反対に、左寄りである毎日新聞は中立であり、朝日新聞は否定的な立場であると感じた。
 特に朝日新聞については、まるで姑のように重箱の隅を楊枝でほじくるような、攻撃的な批判の仕方が散見された。
例えば、見出しでは「『派遣よかった』では済まぬ」、本文では反対意見で「○○だ。」「○○である。」のように強く言い切る断定的な表現が見られた。

まとめ

新聞を一社だけ読み続けることは自分の思想の偏りに繋がるように感じた。
今回のように、同じ事件を読み比べることによって、様々な立場の意見を耳にすることができる。
つまり、その出来事に対するより深い理解が可能になるということが分かった。



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