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メジャーじゃなかった心の病パニック障害【9】

4.病気と付き合う【2】

ー 通勤との戦い ー

色んな仲間とも疎遠になりつつ
付き合いの悪い人になっていった。

何かのせいにしたい。
全て病気のせい。
病気になる素質のせい。
こんな才能はいらない。

もう、自身との戦いであった。

病院からの治療方針は薬物療法だ。
とにかく不安になっちゃいけない。
そして、自信をつけていく。
そのために心をコントロールさせる
くすりだ。

朝夕のソラナックス0.4mg
頓服のデパス1mgを"基本"とした
処方だった。

通院は2週間に1回となる。
その都度2000円程度支払う。

この時点で
発病して、4年くらい経過していたと思う。

正直よくなっているか?といえば
不安要素が増えまくり
悪化している感覚であった。

社会人として、任務が増える。
新たに経験することが増える。
初挑戦への不安が、
この病気の予期不安にリンクしていた。

そんな理由もあり、
転職するとか、休職するとか、
行動する勇気も持てず、
病気になった時点の所属会社に籍を置き、
収入に対する安全運転を継続していく。
こうして"だらだら"と時間が過ぎていった。


いつになったら治るんだろう?
不安といらだちが、つきまとう。
心が疲れる毎日だった。

ー 普段の一日のながれ ー
【各駅停車にしか乗れなかった


朝食はとらない。
(電車で気持ち悪くなったらいやだから)

デパスと、ソラナックスを服用。
基本は頓服のデパスは、
もはや、日々の服用に
変えるほどでした。

常時、"予期不安"であった。

デパスは、効き目に速効性があり、
その場しのぎに最適だった。

ソラナックスは、即効性がないので
効きめがあまりよくわからない。
病院の説明では、
中期的に不安をおさえるクスリ。
と聞いていた。

飲み忘れたことがなかったので
比較ができない。

出掛ける前に
ズボンの左右のポケットに
デパスを
2錠ずつ装備する。
忘れていないか、何度も確認する。

出勤に電車を使う。

『なんだ、のれるじゃん。』

と思うでしょうが、
結構頑張って乗車してたんです。

くすりが効いている?
これの答えは
その場しのぎの観点からは、
効いていたと思う。

この病気になってから
ぼくの通勤は、毎日以下のようになっていた。

必ず各駅停車にのり、
ドアの近くを陣取ります。
ドアにからだが
"ベッタリ"
くっつくぐらいにして、
窓の外を眺めている"振り"をしていた。

内心は不安で一杯。
(発作が起きたらどこに逃げようか。)と。


乗車駅から到着駅までの行程で
左右のドアの
開く回数が多い方に陣取ります。
決して座席が空いていても
座りません。
(やばくなったらすぐ降りるため。)
駅間の所要時間を
全て把握します。
当時はスマホなどなく、
駅ホームの支柱に貼りつけてある
駅間の所要時間を
すべて暗記していました。

これにより、
乗車中の不安感の度合いが
変化しつづけるのです。

次の駅までが、
3分以内は安心ですが
5分を越える駅間は、
メチャクチャ不安でした。

毎回各駅で、一旦下車します。
再度乗車した時に
また、ドアにベッタリくっつくためです。
基本的に都心に向かう満員電車は、
乗換駅でない場合は、
降車する人は皆無。

乗車メインのため、
端から見たら、
一旦下車をするのは
意味不明
だろう。
これも、
"変に思われない"
ようにするためだった。

(誰か降りる人いますか?)
的な演技をしていました。

5分を越える駅間に差し掛かるとき、
不安はかなりの頻度でやってきました。
この場合は、
完全に下車し、
呼吸と心が落ち着くまで、
胸に手を当てて、
ホームで待機します。そして、
何事もなかったかのように
よそおいます。
誰が見ているのでもないのに。

次の電車にのれる場合は、
けっこう調子が良い方です。
不調のときは、
2,3本あとの
電車に不安を抱えながら乗ります。
こういう時は
大抵、
ポケットのデパスを1錠
水なしで服用していました。


今考えると、
とても不衛生。


車内に触れていたその手は、
緊張で手汗しっとり。
焦るぼくは、
その手は洗わず、
ポケットにつっこんで
"プチッ"と錠剤をだし、
すかさず、
口のなかにれ、
噛み砕いて
粉末状にする。
ものすごく苦い。


このころ、毎年インフルエンザに
かかっていたのはそのせいか?
などと思う今日。

くすりをのんだ瞬間を
変な風に見られていないか?など、
相変わらず
周囲の目を
気にしていたのであった。
朝、出掛けに服用したにもかかわらず。
2錠目服用なんてざらでした。

もうひとつ。
次の駅までの
駅間の不安要素があります。
1.トンネルがある。
2.鉄橋がある。
3.次駅が人身事故が多発駅である。
4.停止信号で止まる確率が高い。

この4点は、
止まったら逃げられない。
に、共通してます。

このように、
クスリをのんでリスクを避けながら
自分なりの工夫をしていったのでした。

こんな僕でも、
時期に
新幹線に乗ることが出来るようになったのです。

つづく。

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