些細なことですぐに怒る人の脳で起きていること
【認知特性と怒り】
100人の脳があれば100通り認知特性は異なります。
それを自閉スペクトラム症の方の捉え方は「偏っている」と決めつけるのは、とても傲慢で上から目線な言い方だなと最近、daremogaメンバー、作業療法士の長岡祐佳さんから学んでいます。
発達特性のある方の認知は偏っている、というより
ただ、マジョリティの認知と「違う」、認知の視点が異なるというだけ。
とはいえ、ちょっとした悪気のない会話に過剰反応されると困りますよね。
視点の違い、この点を踏まえて
今回は、怒りやすい人の脳の特徴とアンガーコントロールについて解説します。
ただし、認知機能の研究はまだ初期段階で更にASDの認知については、明らかな要因や原因は「仮説」段階が多いのです。ですから、「特徴」の一つと捉えていただければと思います。
些細なことで攻撃してくる人の特徴は
びっくりした ⇨ 攻撃された
嫌な顔をされた ⇨ 攻撃された
頼み事をされた ⇨ 攻撃された
このように、状況を短絡的に紐付けて<攻撃された!>と解釈することが多い。
怒っている人を見ると「あ〜、子どもっぽいな」と感じるのは、実際に「すぐに怒る人」の脳は子どもっぽいからといえます。
なぜ怒りっぽいの?ー脳科学的な理由
状況を分析して最適な言動に導くのは脳の高次機能の役割です。
各感覚器官からの情報を扁桃体が受け取って、簡単にいうと「好き嫌い」を判別します。
そこから、思考、経験の再現などを行う高次機能である前頭葉が働くと「今、怒ったら相手との関係が悪くなる」(仕事をクビになるかも)と、思考が働き予測して自分が起こす反応にブレーキをかけます。
この機能が十分に育っていないと「困った状況」に臨機応変に対処することが難しいため、あまり頭を使わなくてもいい「より簡単な」行動を選びやすくなります。
要するに、
① 状況を分析して
② 解決のルート(行動)を複数考え
③ 最適なルートを選び実行する
という複雑な思考を使うより
・嫌味を言う
・理詰めで責める
・怒鳴る
・モノを投げる
・ドアをバタンと閉める
・大きな足音を立てる
といった自分にとってすぐにできる行為で
溜まったイライラ(ストレス)を発散するのです。
(あ〜、以前の私・・・)
あ、気が付きましたか?
お子さんの言動にカッとなる親も、子どもの癇癪も
実は同じ原理なのですね〜
でも朗報です!!
キレやすい脳は、日頃の関わり方の工夫で思考を使う脳に成長していくことができます。
今回は一つだけコミュニケーションのTipをお伝えします。
指示+説明
<伝える本人が当然わかっているだろう>
と思うことは指示の理由や具体的な説明をせずにいきなり指示だけをしてしまう。
ASD傾向のある方の中には見通しが立たない。
ルーティンと異なる指示を受ける。
こういったことで脳内でプチパニックを起こすことがあります。
普段から超絶忙しい母親がそこまでするのは難しいことは重々承知の上でお伝えしますが、
時間が惜しいからこそ、有効な会話にする方が
よっぽど早くコトが進みます!ということ。
指示に対して怒り、不貞腐れ、1時間ロスをするより
5秒、説明を加えてスッと行動できるのなら
その5秒を惜しむ理由はないですよね?
指示だけの場合
「家を出るんだから、早く支度しなさい!」
⇩
指示+説明の場合
「今日の行き先は〜だよ。3時20分に待ち合わせだから家を15分前に出ると丁度いいね。持ち物(ハンカチ、定期など具体的なものを伝える)をカバンに入れたら、少し早めに家を出よう。お母さん(お父さん)は先に玄関で待ってるね。時間通りに出られたら嬉しいな。』
これを言うのに15秒でした。(測ってみた)
いかがでしょうか。
この後に起こるお子さんの行動、それぞれ変わってくるのがイメージできますか?
それでは、次回の投稿もこの続きを書いていきますね。