誇り高きネガティブ

作ったばっかりのカフェラテを派手にひっくり返した
雑巾を３枚使ってやっと拭き終えたけど
なんか床がベトベトする
今日はほんとについてない
シャワーが突然水に変わるし
無糖のコーヒーを買ったつもりが砂糖入りだし
鶏もも肉の皮はなかなか切れないし
そんな日もあるさで片付けられないこの性格
きっと明日まで引きずってる
でも脳みそお花畑野郎よりはマシでしょ
昔っからポジティブな人が苦手
なんでもっと真剣に悩まないの
なんで学びに変わるまで落ち込まないの
ネガティブこそ人の痛みに寄り添えると信じてるから
話してみてこいつ合わねえと思ったらすぐ切る
私は潔いネガティブなのだ
あなたに話せてよかった
あなたにしか話せないよ
歴代の親友たちからもらった賛辞は
今でも私の心の支えになっている
私はあまり自分のことを語らない
場の空気を暗くしてもマズいし
何より自分の心は自分だけのものだからだ
滅多に他人に見せるものではない
私は誇り高きネガティブなのだ
もちろんホテルになんか誘わないから食事だけしてくれないか
おじさま方からそんな依頼を頂くことがある
私といると心が浄化されるだなんて
大袈裟なこと言っちゃって
聞き役は手慣れたものだから
打ち明け話に悩み事ここだけの秘密まで
何でも聞きこなすことができる
おじさんって大変だなあとつくづく思いながら
ちょっと普段は食べられない料理を有難く味わう
これ少ないけどと報酬までもらっちゃって
いいのかしらと帰りの電車で首を傾げる
でもネガティブだからこそ人の痛みが分かる
悩みが分かる苦しみが分かる切なさがわかる
世の中どうにもならないことだらけだってことも
物事を深く洞察しない人とは頼まれても友達にならない
人には人を選ぶ権利があるのだから
そして私は
誇り高きネガティブなのだから