オマメの心理部屋

都内の臨床心理士です。 言葉を磨くべく参戦しました。 心理的な日常の見方、考えたことな…

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都内の臨床心理士です。 言葉を磨くべく参戦しました。 心理的な日常の見方、考えたことなど発信していきます。 リアクションいただいた方の記事は必ず拝見してます。 Instagramで食のエッセイ、Twitterで自由律ハイカー。 どうぞよしなに!

最近の記事

不登校と、葛藤回避時代のリスク

お久しぶりです。 あっという間に卒業シーズンですが、学校では不登校の相談が増えています。相も変わらず、世は大不登校時代であるなぁ…と想うオマメです。 個人的には、今後さらに不登校が増えていき、公立の学校はいずれ無くなっていくのでは?と想像する瞬間があります。 というのも、昨今の不登校増加傾向は世の中の流れに関係するように思うからです。 今回は、そんな最近の考え事とうっすらとした危機感を一緒に書き残しておこう、という魂胆です。 葛藤回避の横行する令和 "多様性の尊重"が

    • 不登校に抱かれがちな3つの不安〜いち心理士の考察

      都内の臨床心理士、オマメです。 前回不登校に関する記事を書いてみたところ、 言いたいことが沢山出てきて驚きました。 今回は、書ききれなかったことを補足します。 オマケ部屋です。 さて、子供が不登校になった時、 保護者の方がよく不安に思われるテーマが、 ①ちゃんとした大人になれるの? ②必要な協調性が育たないのでは? ③休んでいる時間は無駄なんじゃないの? この3つです。 今回は、これらの不安について、支援者として 考えてきたことを綴ります。 Q1:ちゃんとした大人

      • 不登校から考える、学校に行く意味と行かない意味。

        こんばんは。 オマメの心理部屋を訪ねてくださり、 ありがとうございます。 今日も、臨床心理士として日々考えることを 書きます。 世は大不登校時代である 現在スクールカウンセラーとして4つの学校に 勤めていますが、 どの学校でも年々明らかに増えているのが 「不登校に関する相談」です。 昭和における「不登校」より認知度も高まり、 いまや珍しいものではなくなってきました。 相談に来るのは生徒さんだけでなく、関係者や 保護者であることも多いです。 通常はそれぞれの立場での葛

        • 用務員さんの重要性に気づいて欲しい!という話

          こんにちは。 オマメの心理部屋にお越しいただきありがとうございます。 ここでは、都内で臨床心理士として働く私が、普段考えていることを纏めています。 今回お伝えしたいのは、題名の通り、 用務員さんの重要性に気づいてくれよ〜! という話です。 「そんなの、知ってラァ!」という方は、 ここでお別れかもしれません。 「用務員さん大好き!」という方はきっと うんうんと共感してくださることでしょう。「どういうこと?」と心を傾けてくださった方は、このままお進みください。 スクールカ

        不登校と、葛藤回避時代のリスク

          不安になるほど苦手な人が現れたら?心理士の処方箋

          おばんです。 オマメの心理部屋へようこそ。 ここでは、臨床心理士として働く私が、 日頃感じる臨床心理学の魅力や役立つところを 発信しています。 今回の記事では、 「不安になるほど苦手な人」が現れたとき、 自分の心を守るためにできそうなことを 考えてみたいと思います。 みなさんは、職場や学校などに、 不安になるほど苦手な人はいますか? (もしくは、いたことがありますか?) 「やり過ごせるけど苦手な人」ではなく、 「不安になるほど苦手な人」です。 どんな相手かというと

          不安になるほど苦手な人が現れたら?心理士の処方箋

          職員室の雑談仮説「教育者、山登りにハマりがち?」

          こんばんは。 オマメの心理部屋を覗いていただき、 ありがとうございます。 私は現在、都内で臨床心理士として働いています。 非常勤で複数の仕事を掛け持ちしていますが、 その半数以上が学校現場です。 いわゆる、 スクールカウンセラー(以下,SC)ですね。 SCは基本的に週1勤務なので、職員室にも 決まった曜日にだけ顔を出します。 毎日勤務の先生方とも、週1回のおつきあい。 初年度は「週1回で関係性なんて作れるのか…?」と思っていたのですが、意外と連続性は保たれます。

          職員室の雑談仮説「教育者、山登りにハマりがち?」

          なぜnoteを書き始めたのか。臨床心理士の思惑

          こんにちは! オマメの心理部屋へようこそ。 (アカウント名を変えてみました) ここでは、都内で臨床心理士として働く私が、 日々考えていることについて発信しています。 noteで記事を書き始めた理由について、 全く説明していなかったことに気づいたので、 ここらで一度記しておきたいと思います。 なぜ私がnoteを書くのかというと…、 自分自身の言葉の鍛錬の為というのと、 「生きるのに役立つような臨床心理学の知識はオープンソースであれ」という想いからです。 心理士は言葉

          なぜnoteを書き始めたのか。臨床心理士の思惑

          臨床心理士になる前の不安と、なってみてわかったこと

          こんばんは!オマメです。 前回、#あの選択をしたから で、 臨床心理士になったわけを考察しました。  キイロスズメバチを目指す兄へのコンプレックスから、個別性を重んじる価値観が形成され、 心理士の仕事とマッチした…という話でした。 いや、どういう話? こんな感じで、noteでは、 かなり自由に語らせてもらっていますが、 これがなかなか、楽しい。 安全感の中で好きに語れる場…というのが、 クライエントさんの追体験になっている 気もします。ありがとうございます。 さて

          臨床心理士になる前の不安と、なってみてわかったこと

          自分が臨床心理士になったわけ。コンプレックスは職業選択の役に立つ!

          職業選択は、人生における重要な選択の一つだ (と、されている)と思う。 考えてみると、すでに幼稚園の卒園時から、 『大きくなったら何になりたいですか?』 と聞かれる機会はあった。 ちなみに私はポケモンのジョーイさんになりたかった。 「大きくなったら何になりたいですか」 という質問は、 「大きくなったら何かになるものですよ」 という前提のもとに成り立っている。 つまり、私たちは、人生のだいぶ初期から、 「大きくなったら何かになるものだ」 という意識を、無意識に刷り込まれ

          自分が臨床心理士になったわけ。コンプレックスは職業選択の役に立つ!

          盆踊りを覗き込む。『居るのはつらいよ』『手の倫理』の2冊で考察してみた。

          どうも。オマメです。 都内で心理士をやっています。 前回、盆踊りに初めて参加したら、サウナより 整ってしまった話を書きました。 上記の記事では、盆踊りで整った理由として、 初体験だからこそ味わえた原理があったのでは ないか…という点から考察しました。 しかし!やはり、それだけではない筈です。 あの時感じた盆踊りの"心地よさ"には、もっと なにか、普遍的なものがあったのではないか。 今回は、盆踊りに見つけた、より普遍的な魅力 について、考察したいと思います。 盆踊り経

          盆踊りを覗き込む。『居るのはつらいよ』『手の倫理』の2冊で考察してみた。

          初めて納涼盆踊りに行ったら、整ってしまった話

          オマメです。 先日、近所の小さな公園で、納涼盆踊り大会が開かれていました。 折角だし、観に行ってみるか。 そんな軽い気持ちで参加してみたところ…、 盆踊り、エグかった。 すごかった。 これまで自分は、どちらかといえば、 『みんなでゆっくり回って何が楽しい…』と、 遠巻きに眺めているタイプでした。 しかし、参加してみてわかる類の知がそこに。 盆踊り、すごいぞ。 未経験の人はマジで1回行ってみて欲しい。 それくらい心が動いたので、今回は、盆踊りに 見つけた驚きの

          初めて納涼盆踊りに行ったら、整ってしまった話

          初投稿/「正欲」にみる対話のカギ。みんな違って、みんな同じなのでは?

          はじめまして、オマメです。 都内で臨床心理士をやっています。 朝井リョウさんの「正欲」を読み、導入から最後まで、夢中で楽しませていただきました。 煽り文句の、ピリリと胡椒が効いていそうなこの感じ。朝井さんぽい!と思うと同時に、直観的に共感できそうな期待が湧きました。 (▼まだの方は、是非まず原著を…!) 読後感を一言でいうと…、 こういうのを待ってました!! の、極みでした。 自分では手の届かなかった難痒い(むずがゆい)部分を、ズバッと切って貰った感じ。 気もちぃ〜

          初投稿/「正欲」にみる対話のカギ。みんな違って、みんな同じなのでは?