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トランプ2セットでやる【超・神経衰弱】のススメ

大学の頃の友人たちとの思い出と言えば、大抵家に集って麻雀を打っていた。
適当に作った飯を食い、2半荘くらい終わったところでお開きしようと片付けるも、どうもまだ帰りたくないな、って気分になる。

次の日も暇なのが大学生というもの。
結局、朝まで夜更かしコースである。

しかし、我が家にはSwitchのようなゲーム機は何もなく、あるのは麻雀とトランプくらいだった。

大富豪や七並べといった定番ゲームは大抵すぐに飽きられ、我が家では様々なオリジナルトランプゲームが開発される運びとなった。

その中でも一際不人気大人気だったのが、“超・神経衰弱”である。
何ともダサいネーミングである。微妙に攻撃力の低そうな精神攻撃の技名か。
大学生になれど、男子なんてそんなもんだ。

当時、我が家には何故かトランプが5セットあった。
大体は、父親がパチンコの景品で持って帰ってきた、幼少期の遺物だった。
それ故かなり年季が入った代物だったが、全く同じ柄のトランプが2組あった。

2セットあれば何か面白いことが出来ないか、と考える。
ババ抜きや七並べをしてもただ量が増えるだけで、あんまり意味がない。
大富豪するにも多すぎる。

そこで考え出されたのが、超・神経衰弱。

ルールは至って単純。

  1. ここにトランプが2セットあるじゃろ?

  2. 記号(スート)まで一致する全く同じカードが2枚ずつ、52組出来るじゃろ?

  3. その組み合わせしか認めない神経衰弱……オモロそうじゃろ?

やけに多い108枚のトランプ。

これによってどれだけゲーム性が変わるか、最初の一枚目で考えてみよう。

通常の神経衰弱では、54枚の中から同じ“数字”を探す。
例えば、1枚目に引いたカードが「ハートのキング」であれば、どこかにあと3枚の「ダイヤ・スペード・クローバーのキング」があるはず。
3/53 = 5.7%の確率でカードを合わせることが出来る。

しかし、超・神経衰弱では、“全く同じカード”を探さなければならない。
1枚目が「ハートのキング」なら、どこかにあと1枚だけ「ハートのキング」がある。
1/107 = 0.9%でカードが合うので、ノーマル神経衰弱と比べ、単純に6倍くらい試行回数が必要になる。

さらに言えば、話はそう単純ではない。
神経衰弱とは、記憶するゲームである。

どの場所に、どの数字のカードがあったのか。
ゲームが進むほどにカードの位置を何となく覚えてきて、ときには連続で数字を合わせてコンボを決められたり出来るのが爽快なゲーム。

(手元に3、その隣が9、あいつの前にあるのも9だから俺の番で取れる……)
こんな感じだろうか。

これが超・神経衰弱の場合、スートまで暗記しなければならない。
全く同じカードじゃないと取れないから。

(これがハー3、隣がスペ9、あれ、あっちの9はクローバーだったっけな……)
こんな感じである。

そして、単純にカードが倍量あるため、暗記量も2倍。
1枚当てるまでに必要な試行回数 = そこまでに覚える必要のあるカードが6倍。
脳の負荷的には、12倍。

いや、速さが2倍になるとエネルギーが4倍になるように、気分的には144倍くらいの大変さである。

正直、地獄である。
でも、楽しいよ。ほんとだよ。

序盤はほぼ運ゲーなのだが、段々と覚えられるカードが増えて行き、ビタりと当てられた時の爽快感はノーマル神経衰弱の比ではない。

皆様も、ぜひ深夜テンションで始められてはいかがだろうか。

広い机が無ければ2段目も使おう。
程よく頭がバグってオススメだ。

下記に、超・神経衰弱の注意事項を記す。

  1. ジョーカーだけは4枚同じカードが揃うので、どれでもアタリ判定。
    絵柄が違うなど見分けられる場合、これも全く同じカード縛りにしても可。

  2. 2人でやると地獄を見るため、3~4人がおすすめ。
    人数が増えると、あっそこ分かってたのに! が増えていくので、それもまた面白い。

  3. 参加者の記憶力にもよるが、30分~1時間はかかるので覚悟が必要。

  4. 安く同じ柄のトランプを買うなら、ダイソーのものがオススメ。
    200円で地獄を再現できます。

  5. 心地よい疲労感で眠れるので、朝4時くらいに〆として始めるのがオススメ。
    睡眠不足で限界な脳ミソを体感できる。


◾︎ 追記(2024/02/13)
今日の注目記事に選ばれてしまった〜!
スキして下さった方、今からしようとして下さっているそこのあなた、ありがとうございます!

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