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地球を守る仕事・林業のお話し

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記事一覧

『次の世代に引き継げる林業に 』

『次の世代に引き継げる林業に 』

■育てるべきは「森より森を守る人」「自伐林業、女子林業」も「馬搬」も、森を守りながら林業コストを下げて、木材費を安くするための活動だ。そのおかげもあって他の林産地と比較しても安く木材を生産できるようになってきた。

 ひどい買い叩きに遭わなければ、森林の補助金を得なくても(植林の補助金は受けるが)、他の木材と同様に市場価格で販売しても黒字が出るレベルになった。残念ながら「くりこま木材」は、いわゆる

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森林エキスパートに聞いた 意外と知らなかった林業のせかい

森林エキスパートに聞いた 意外と知らなかった林業のせかい

 〈海があるけど山がない千葉県〉から〈山があるけど海がない長野県〉に移住して3年目の主婦です。毎日山に囲まれていたら林業のことが気になり始め、森林エキスパートにお話を伺う機会をいただきました。

 タイトルで「世界」を「せかい」としたのは、ちょっと難しそうな林業について易しく書いてみたい、知らざれる林業ワールドを覗き見するワクワクを伝えたいという思いからです。お読みくださった皆様が「林業」や「森林

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みんな、林業やめよう

みんな、林業やめよう

前の標準単価と実態の乖離に関する記事をいろいろな方に取り上げていただきました。有難うございます。前から分かり切っていたことではありますが、安全な作業ができる価格で補助金が設計されていないという認識が現場では常識であることを改めて感じました。この状態で「危険な作業をしないでください」と言っても効果がないことは明白ですし、ずっと高いままの千人率の推移が証明しています。林業従事者の命は安く見積もられ続け

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【熱い話が出来る人と出来ない人。】新米林業屋とてお

【熱い話が出来る人と出来ない人。】新米林業屋とてお

どうも、新米林業屋とておです。

新米林業屋の僕が林業についての情報や仕事や子育て、人生について考えていることや感じていることなどをお話ししています。

熱。熱い話をするのが好きです。ただ、熱い話っていうのは、やっぱりそれを受け止めてくれる相手、そしてその相手も自分と同等もしくはそれ以上の熱を持っている人でないと、なかなか熱い話ってできないんですよね。

相手が冷めていたりとか、そこまで情熱がない

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【林業してる女子のあれこれ】林業という仕事について話すことの難しさ

【林業してる女子のあれこれ】林業という仕事について話すことの難しさ

 大学の研究室のつながりで、年に一度、大学生に向けて「林業という仕事の内容」、「私が実際に行っている作業」、「働き方」等について話す機会がある。
 話を聞く学生は林業や森林についての前提知識はほとんど無い。話をするのはオンラインで1時間ほど。この条件では森林や林業について大まかなイメージを持ってもらえれば御の字である(実際には「相手の知識量を考慮しきれない」、「講師と言う立場に浮かれて話しすぎてし

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水源の森を守る公務員 ~「水道水源林」で働く水道局林業職の仕事紹介~

水源の森を守る公務員 ~「水道水源林」で働く水道局林業職の仕事紹介~

■■ 東京都水道局が管理する水源の森 ―「水道水源林」
 みなさんは東京の水道水がどこから来るか知っていますか?
 都内に供給している水道水は、その大半が河川水を利用しており、利根川・荒川系の水が約8割、多摩川系の水が約2割となっています。では、その河川にはどこから水が流れてくるでしょうか…? そうです、森林から流れてきます。東京都水道局では、多摩川に安定して水を流し、都民の重要な水がめである小河

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