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竈猫
2023年5月21日 00:32
小学一年生の時、わたしはスカートの裾を切った。とくに深い意味は無かったけれど、あたらしいハサミをどこかで試したかったのかもしれない。ばれないように、1cmにも満たない小さな切れ込みを入れて、自分だけが知っている内緒ごとをつくったつもりだった。「スカート、どうしたの?」お母さんが次の日聞いてきた。「自分で切った」「ほんとうは?」「自分で切った」わたしは本当のことを言っているのに、
2023年6月20日 22:29
朝起きたら、ラインに通知が来ていた。昨日送った資料の言葉のニュアンスが違うから訂正して欲しい、とのことだった。よくあるミス、頭ではわかっていながら、わたしは、顔をぶたれたような、ひどく惨めな気持ちになった。わたしの、何か大きな山が、派手に崩れた音がした。時間をかけずに終わらせる課題のこと、傷つけたかもしれない友達のこと、自分には不釣り合いなほど難しい資格に手を出したこと、みんなに合わ