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【気まま書評シリーズ:5】『鬼速PDCA』- 調整編 - 。おっさん社長の読書録

先日、『HUNTER×HUNTER』連載再開か!!!とTwitterで話題になっていましたが、どうやらデマのようでしたね。いやはや、冨樫先生の闘いはまだ終わらない……。

YouTubeにはネテロ会長を模して、連載再開まで毎日1万回(千回の日もあるようだけどw)の感謝の正拳突きを行なうツワモノまで現れて……『H×H』は休載してても世間から熱視線を浴び続けています。

そんな『H×H』』とは違い、世間からの熱視線は受けてないものの地味に連載化していた、書籍『鬼速PDCA』の要約シリーズ。本日の「調整編」をもって無事終了なのであります。

要約することで、自分の思考の整理に役立ったのは言うまでもないですが、ちょっぴりでもいいから皆さんのお役に立っていればいいな!と思っています。

それではラスト、「調整編」の要約をステップ順にお伝えします!

↓↓↓前回の「検証」フェーズの記事は以下より↓↓↓

ステップ1. 検証結果を踏まえ調整案を考える

最後の調整フェーズでは、一つ前の検証フェーズで振り返った結果をもとに次の計画→実行に向けて調整を行ないます。調整案の中には、計画および実行を”中止する判断”も含め、調整フェーズで検討することになります。

調整のレベルは、以下の4つに大きく分かれます。

1. ゴールレベルの調整が必要そうなもの
2. 計画の大幅な見直しが必要そうなもの
3. 解決案・DO・ToDoレベルの調整が必要そうなもの
4. 調整の必要がなさそうなもの

調整のレベルがどのケースに該当するかによって、新しいPDCAサイクルへの進み方も異なってくることを抑えておいてください。

検証フェーズから渡されるバトンは、KPIやKDIの達成率、そしてそれぞれの未達に終わった要因(仮説)、達成できた要因(仮説)の3つです。このうち、各達成率は数値化されているのでわかりやすいですが、各要因の粒度はバラバラです。

ですが、要因がどのような粒度であれやることは明確。未達に終わった要因には、「ではどうやったらできるようになるのか?」、達成できた要因には、「ではどうやったらさらに成果を出せるか?」を考え書き出します。

もしリストアップされている要因があまりに多いのであれば、実行した際のKGIへのインパクトの大きさにフォーカスして振るいにかけ、調整候補を減らしてみるもの策です。そして、調整案を考えた結果は、先ほどあげた4つのレベルに分けられます。

ケース1. ゴールレベルの調整が必要そうなもの

ゴール(KGIやKPI)の調整には、「中止」「変更」「追加」の3つが存在します。

中止とは、検証を踏まえて調整案を検討した結果「どうやってもムリ!」「さすがに諦めよう!」とゴール達成を断念するケースです。不測の事態でPDCAを断念せざる得ない場合もあれば、あらかじめ決めていた予算上限に達したので施策をストップする場合などさまざま。

具体例を示すと、「赤字が膨らむ事業部を閉鎖しよう」などのケースがあります。

次に変更とは、文字通りゴールの指標を変えたり、達成期日を先送りしなければならなくなったケースのことです。ゴールを変更する際には、必ず今までのPDCAは変わることになります。具体例を示すと、「今年の司法試験を諦め、来年に標準を合わせよう」などのケースがあります。

次に追加とは、プロジェクトを進めていて予想もしない大きな課題に直面したとき、今までの業務とは別途にプロジェクトチームを立ち上げるようなケースのことです。

具体例を示すと、「コスト削減を進めていたら、不明瞭な会計処理が見つかった」などのケースがあります。

ケース2. 計画の大幅な見直しが必要そうなもの

ケース2は、ゴールは変えずとも「課題を変更する」または「追加しないといけないケース」のことです。特にスケールの大きな課題を扱っていて、課題レベルに変更や追加があるとかなりのタイムロスが生じます。

例えばゴールが「会社の利益アップ」で、課題が「売上増」から「コストダウン」に変わるとなると、社員たちがおいおい!とざわつくレベルの変更です。

こうなると、経理や資材部を巻き込んで現状の把握や広範な情報収集・KPIの設定など、計画の大半をやり直さないといけないので、PDCAサイクルは大幅な遅延が予想されます。

ただし、課題が解決されたことでKPIをPDCAから外す場合は、課題の優先度の入れ替えなどは起きますが、PDCAサイクルの速度にはあまり影響を及ばさないでしょう。

ケース3. 解決案・DO・ToDoレベルの調整が必要そうなもの

ケース3は、ゴールも課題も変わらないが、解決案やDO、ToDoに対して変更やテコ入れを行なうケースのことです。

役目を終えた、または効果が薄かった解決案やDO・ToDoを外し、他の解決案・DO・ToDo(優先度を下げていたものも含む)を追加していきます。

ケース4. 調整の必要がなさそうなもの

ケース4は文字通り、KGIからKDIにかけてどれも調整の必要がなさそうなケースのことです。目標に対して進捗が順調で結果が望むかたちで出ており、改善の必要がないのであれば、次のPDCAサイクルも同じKDIで進めていって大丈夫です。

ステップ2. 調整案に優先順位をつけ、やることを絞る

ステップ1で調整案を考えたら、次にその調整案に優先度をつけていきます。資源は有限です。今ある時間・予算・人手のなかで全てを実行することは多くの場合不可能なので、ここで改めて「インパクト」「時間」「気軽さ」の指標に基づき優先度をつけていきます。

具体例を示すと、ある会社に今まで電話アプローチしかしてこなかったが、最近徐々にアポ率が下がってきた営業マンがいたとします。

そして、要因の仮説は「電話アプローチのリストも終盤に差し掛かり、可能性の高い優良顧客に電話をしつくしたから」とします。このような場合、考えられる調整案は以下の通りでしょう。

ケース1. ゴール設定を下げる
ケース2. メールアプローチを追加する
ケース3. 電話アプローチの最新リストを探す
ケース4. 電話アプローチを継続する

調整案を洗い出したら、優先度順に整理をしていきます。

「さすがにまだ改善の余地はあるから、ゴールを下げるのはまだ早いだろう」「メールか。インパクトはありそうだけどノウハウがないし、リストもないから時間はかかりそうだな」

「最新のリストが入手できるなら即効性はあるよな。探す価値はありそうだ」「効果が下がっている電話アプローチの優先度は、さすがに下げないといけないよな」 などなど。

このように、さまざまな角度から調整案を見つめ、優先度をつけ、”何からやるか”または”何をやらないか”を決めていきます。

ステップ3. 次のサイクルに繫げる

ステップ2で調整案に優先度をつける作業が終わったら、次のPDCAサイクルに進みます。つまり、最初のPlan(計画)に戻るということです。

ただし、この調整フェーズでほとんど計画で行なう作業が完了していると思いますので、なるべく止まることなくDO(実行)のフェーズへ進みましょう。

ステップ3では、時間をあけず「1. 担当者を決める」「2. 期日を決める」「3. できるだけ具体的なタスクに落としこむ」作業を行ないます。何度も言いますが、できるだけ早く次のDO(実行)に移ることが大切です。

最後に、本書に書かれている検証・調整フェーズでよく起こる過ちについて箇条書きでまとめます。以下に注意しながら、検証・調整フェーズを乗り越えてください。

1. 新しいものに目移りしやすい(個人)
2. 間違ったものばかりに目が行く(個人・組織)
3. 意見の統一がはかれない(組織)
4. 課題のたらいまわし(組織)
5. プロセスの可視化が不十分(組織)

まとめ

いやー、お疲れさまでした。『鬼速PDCA』の要約シリーズ、いかがだったでしょうか?

途中、少し掲載に間が空いてしまいましたので、「アレッ? 北原の野郎、途中棄権しやがったな!」と思われてるんじゃないかとひとりアワアワしていました。(笑)

今回の連載は今年社会人になった新卒1年目の方に届ける気持ちで執筆しました。新卒1年目と言えどもう年末。今年は新型コロナウイルスの影響で、ほとんどリモートワークという新人さんが多いのかもしれません。

なかには、「直接先輩に問題や悩みを相談できず、壁に当たっている」という方もいらっしゃるのではないでしょうか? もし今の仕事の悩みが深いという方が読んでくれてたら、一言大きな声でお伝えしたいです。『『あなたは大丈夫!!!!』』だと。

新卒の時期って、誰もがほんと些細なことで悩みを抱えてしまいがち。もちろん私だっておんなじでした。でも、もう少し年を重ねてから振り返ってみると、この時期にもがき苦しみ向き合い続けたことは、絶対にあなたを成長させてくれるはずです。

だから、仕事は、スローペースでもいいから続けてください。続けることから見える景色があります。冒頭の『HUNTER×HUNTER』の冨樫先生ではないですが、ちょっとキツいなって時は無理せずに身体を休めてもいいんです。会社も絶対にダメ!なんて言いません。そういう時代になりましたから。。。

そして、そんなあなたの扱うプロジェクトに個別の差はあれど、着実に成長に導いてくれるのがPDCAサイクルです。『鬼速!!』……で進めれば理想ですが、そうでなくとも辛抱強く各々のペースでPDCAをまわされてみてください。

拙文ですが、このnoteが多くの新卒社員さんに届くことを願っています!

リスペクト 北原より

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