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【社内報の作り方】インタビューで沈黙はNG?

 社内報で避けて通れないのがインタビュー。しかし相手はタレントでも文化人でもなく、一般ピープル。インタビューを受けたことのない人も多く、やけに緊張していることも。実践編の初回は、社内報インタビューのコツを紹介します。

事前に質問を提示しよう

 まずは質問項目を明確にします。相手のことを調べ、何を聞くべきか整理し、それを書面にまとめ、事前に相手へ提示するようにしましょう。もし相手方に余裕があれば事前に回答を回収しても良いですが、文章にするのが苦手な人、また面倒だという人も少なくありません。この場合は、「当日に聞く内容なので、出来たら目だけ通しておいてください」と伝えればOK。こうした事前準備は必須です。

撮影が先か、話が先か。

 インタビュー取材は同時に、撮影の場でもあります。撮影は①インタビュー中のカット、②メイン用カットと、大別すれば2種類です。通常タレントさんの場合は、②を撮り、インタビュー冒頭に①を撮って、後はインタビューという流れですが、社内報の場合は逆。まずインタビューし、その後インタビューカット、最後にメインカットです。これは撮られ慣れているかどうかの違い。社内報の場合、取材に緊張している被写体をインタビュー前に撮影すると、堅い表情になりがちです。しかしインタビュー後は気持ちも打ち解け柔らかい表情で撮影できます。またインタビューカットも、インタビュー中にすると、話が畏まりすぎ、盛り上がりません。ここがタレント取材との大きな違いです。

ゴールを伝える

 インタビューを受ける側の不安は、変なことをいうと、上司に怒られるということです。その心配を払拭するため、内容を事前に確認できる、修正できることを伝えましょう。またそもそも何を話せば良いか悩む真面目な方が多いです。そこで質問をぶつけても、どういう意図だろう?と、質問の裏読みをし、しっかり話してくれないケースもあります。事前に企画の説明、こんなことを話して欲しいなど、ゴールを共有すれば、極端な話、質問しなくても勝手に話してくれます。

沈黙は、考える時間

 やりがいは?目標や展望は?あなたにとって同僚とは?などの質問は鉄板ですが、案外答えにくいものです。こうした難問をぶつけた時、黙ってしまう人が多く、聞いている側は焦ってしまいます。すると「質問を変えます」や「例えば…」と、沈黙に耐えかねすぐに別の切り口に変える人がいますが、これはNG。この沈黙は相手が考えている時間なので、静かに待つべきです。もし答えたくないなら、そう伝えてきます。相手の考えがまとまるよう静かに黙って待つようにしましょう。

インタビューは財産に

 若手の頃、毎月のように営業責任者の方々にインタビューさせていただきましたが、これは本当に大きな財産です。課題発見能力や課題解決能力など現場のたくさんの具体的方法論に触れ、それが会社の、さらに経営の理解にもつながっていきました。インタビューをすればするほど、社内報に必要な知識が身に付きます。ぜひ明日からのインタビューを楽しんでください。

今回の一冊

吉成真由美インタビュー・編
人類の未来

 ノーム・チョムスキーが好きで買った一冊。5人の知の巨人が、世界の変化、未来の予測を話すインタビュー集です。ここで感じるのはインタビュアーである吉成氏の頭の良さ。豊富な知識を背景に、本質を炙り出す手法は、ややもすれば自己主張になりかねないですが、そこを自制できる力がまさにプロです。インタビューのコツは方法論ではなく、好奇心と知識量であることを雄弁に語っています。SFを読むよりスリリング。口語体で読みやすくオススメの一冊です。

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Connecting the Booksは、これまで培ってきたクリエイティブディレクター、コピーライター、編集者としてのノウハウを公開するとともに、そのバックグラウンドである「本」のレビューを同時に行うという新たな試みです。