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ポーランドでLGBTI差別が正当化

この夏、プライドパレードが欧州各地で行われ、街中ではたくさんのレインボーフラッグが見受けられました。

この動きは日本でも見られるほか、ハッシュタグをつけてLGBTの支持やカミングアウトを表明する流れも(支持をする、というのは本来的にはもしかしたら誤った表現かもしれませんが、ほかに良い言葉が思いうかばず)

タレントさんも現れたり、大物政治家がゲイであることを公言したり、同性婚が認められたりと、性の多様性や恋愛の様々なあり方がどんどん受け入れられつつありますね。

認められて当然だ、と主張する人もいますが、今まで全否定だったものがこうして大衆に受け入れられ、支持されるようになっているのは良い流れだと思っています。

ロンドンで暮らしていると、ゲイカップルもレズビアンカップルも多々見ます。みんなとても幸せそうで、良い笑顔なんですよね。

そして心が温かい人が多い。スコットランドでバイトしていた時の、同じパートナーさんもゲイ。そして一番仲よかったし、一番気にかけてくれた。

落ち込んでいたときはそっとそばにいてくれたし、こっそりと励ましのカードもくれた。ぎゅーってしてくれたし、「お嬢さん今日も素敵ね」とハッピーな言葉をくれました。

ロンドンでも

よく行くスーパーでよく会うゲイのおじさんがいるんですが、彼もまた陽気でチャーミング。

「髪型が素敵よ」「あら、この服良いわね。赤が目立ってるわ」(語尾は意訳ですが、ジェスチャーを考慮するとまさにこんな言い方がすんなりフィットします)などと声をかけてくれます。

そんな多くの社会で受け入れの動きが広がる中、これと逆行する国があることをご存知でしょうか。

最近話題になっているのがポーランド。

ここは敬虔なカトリック教徒が多く、まだまだ保守的な考え方が強いお国柄。私が4月のイースター休暇で行ったときも、その雰囲気は街の至る所で感じられました。

日本でセブンイレブンをよく見かけるように、ポーランドでは大小様々な教会、カテドラルを見つけます。

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また、イースターの時期だったため、より感じられたのかも。

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レースとかごは礼拝に行くときに必須アイテムのよう。教会に入って行く人はほぼみんな持っておりました。

さてそんなポーランドですが、

各地の地方自治体で性的マイノリティーへの差別的政策の導入が進められています。欧州議会(定数751)はこれを受け、非難決議を463対107の賛成多数で可決するほどの事態に。

ポーランドでは、これまでに南東部を中心に80以上の自治体がLGBTI(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス)を認めない、いわゆる「LGBTIフリーゾーン」の創設を決定しました。

こうしたゾーンの大半では、当局が寛容を説く行為を控え、平等な権利を推進する非政府組織(NGO)への資金援助が禁じられるそうです。

ポーランドのワルシャワでは今年2月、市長がLGBTIの権利を保護する条項に署名しました。この市長さんはリベラルだったため、こうした人権の保護・支援に寛容で、WHOが定める宣言に従い、学校ではLGBT問題について扱うよう定めました。

これに与党・法と正義が猛反発。子供達を性的マイノリティーに育て上げてしまうプログラムだと批判し、同党のカチンスキー党首も「LGBTの権利はポーランドを脅かす外来のもの」と主張しました。

これが発端となり保守派が多いポーランドで「フリーゾーン」を設置する動きが広がって行ったそうです。


欧州議員らはかねて、こうした差別的な目的にEUの交付金が用いられるべきではないと主張。域内で当局者や政治家などによるLGBTI差別が増大していることを懸念し、欧州委員会やポーランド政府にこれを非難するよう訴えています。

ポーランドでは性的指向に基づく差別は違法。しかし、同性愛者などへの社会的な偏見が根強く、同性婚はいまだに認められていません。

性的差別だけでなく、近年は再びドイツでは反ユダヤ主義や反イスラム主義が台頭しつつあるほか、ほかの欧州でも移民を排斥する動きがちらほらと見られるようになりました。

EUは世界でも人権を擁護することを掲げ、主導的な立場にあるため、域内でのこのような事態は逆風となりそうですね。

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