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あなたのモノやコトが後世に残るためのたった1つの必要なこと

彫刻家の大黒貴之です。

僕は「何十年、何百年と長い時間の圧力に耐えて
残っていくものが本物である」と考えています。ですので、現時点で、それが「本物」がどうかは、実のところわからないというのが正しいのだと思います。

マーケット上でまるで株券のように
アート作品を売買す様子や100万円単位で値段が吊り上がっていく
オークションの様子には確かに違和感がありますが、
マーケットとは、何千万円、何億円もする作品が
売買されてる市場のことだけではありません。

アートマーケットというと超お金持ちだけの世界のイメージがあるかもしれませんが、
それは資本主義システムのピラミッド上のごく一部です。

例えば、Aさんがある作品を数万円で買うことも立派なマーケットです。


その時代が持つ常識への疑いと反発が歴史をつくる


歴史というのは、前時代の先人たちが築き上げた
イムズや考えに対しての反発の繰り返しです。

その反発とはそれまでの常識を覆そうとしていることです。

そして、その時代には合わなくても時間が経つとそれが当たり前になる。


つまり「中心」と「周縁」の考え方です。

歴史というのは、周縁から中心への反発によって築かれていると言われています。

問題は、反発に成功して周縁から中心になった時です。
変化や進化をせず中心のままにいるとマーケットや
人の煩悩のブラックホールに飲み込まれてしまうことが往々にして起こります。

難しいのは中心に入った後でもどのように自ら反発し続けるのかです。
超一流と言われる人たちは常に自身に問いかけ進化していける人たちだと考えます。

日本でもドイツでもそうですが、私たちは
資本主義という名の貨幣経済の中で生活しているわけです。
マーケットというのは貨幣が前提にあって成立しています。
限りなく自給自足で生活もできると思いますが、
どこかで必ずお金が必要になります。
(一部のジャングルやアフリカの先住民族のように貨幣概念がない人たちは別ですが)僕が生まれながらにそういうルールの中で生きているのですから仕方ありません)

僕が学生の頃によく聞いた「最初にアートマーケットで売買される作品は
ビジネスであり一過性のものであるから後世には残っていかないのか?」
という問いにについても、同じようにそれは時間が経たなければわからない。という答えになります。

いずれにしても、重要なことは、アート作品に限らず、モノであれ、コトであれ「第三者という誰か」しか次の時代へ残していくことができないということです。

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デュシャンが芸術関数においてこのような言葉を残しています。

「芸術はアーティストが生み出す作品だけで完結するのではなく
鑑賞者が創造的行為に加わることによって作品が完成する」

「作品を生み出すのはアーティストであるけれども
後世に作品を残していくのは鑑賞者という第三者なのである」

非常に深いデュシャンの言葉であり、僕がとても影響を受けている言葉です。

最後に、彼の墓碑銘に刻まれた一言。

「されど、死ぬのはいつも他人」

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