「人事制度」は、キャリアのゲームルール
キャリアコンサルタントの黒岡です。
今回は「人事制度」というテーマでお話をしていきます。
この仕事をしていると上記のような悩みを何度も聞きます。
というより突き詰めると、悩みの本質は「評価されてない」や「給料を上げたい」等の人事制度に関連する所に着地する事が多いなと感じます。
この悩みを解消するために、自社もしくは転職検討先の「人事制度」を学ぶ事が重要です。
今回は、出来るだけ多くの人が正しく人事制度を理解し、組織とのすれ違いを無くし、気持ち良く働ける様、分かりやすく書いてみました。
是非、読んでいただけると幸いです。
そもそも人事制度とは?
そもそも人事制度とは何の事を指すのかご存知でしょうか?
日本の人事部というサイトでは下記の様に表現をされていました。
この「等級・評価・報酬」を決定する為の仕組みが「人事制度」と言われる様ですね。
こう見ると、人事制度とは「会社から従業員へのメッセージ」と受け取るの最も分かりやすいでしょう。
会社からの
「こんな風に育って欲しい(等級制度)」
「こんな風に考え行動して欲しい(評価制度)」
「その頑張りに対してこんな風に報いたい(報酬制度)」
というメッセージを、しっかりと理解して、正しく目標設定し、人事制度に合わせた成果を出す事で等級や報酬UPが叶えられる事が分かると思います。
なぜ、人事制度は必要なのか?
人事制度が無い組織を想像すると、人事制度の必要性を理解することができます。
10数名等の小規模な会社であれば、社長が従業員ごとに労働条件を設定して必要に応じて更新するという形をとります。
しかし、数十名、数百名と組織が増えていったら、社長が一人一人に合わせて調整するのは、時間や労力がかかり過ぎますし、従業員間の公平性を保つ事も出来なくなります。
そこで、「人事制度」が必要になります。
労働条件をある程度画一化・公式化した枠組みにはめることによって、人材マネジメントの効率性と公平性、一貫性を高める事ができるのです。
人事制度はどの様に作られるのか?
次に、この人事制度がどの様に作られるか?を考えていきましょう。下記が人事制度を作成する上でのフローチャートとなります。
MVVから紐付き、経営・事業戦略を描いた上で、人事戦略は構築されます。人事戦略に伴って人事・組織ポリシーが示され、人事制度(等級/評価/報酬)が作られます。
その為、人事制度を理解したければ、まずは会社のMVVや経営・事業戦略から理解を深めていく必要があります。
これらの目的、目標、戦略を実現していくために、人事戦略は立てられ、社員が活躍し、成果を生み出す為に人事制度は構築されるという事をまず理解する事が重要です。
リクルートの人事制度から学ぶ
人を育て、人が活躍し、人が新たな事業や価値を永続的に生み出し続けている組織。つまり、「人事制度が機能している組織」と言えば、どんな組織が浮かぶでしょうか?
私は真っ先に浮かんだのがリクルートさんでした。
そこで、リクルートさんの人事ポリシーを覗いてみましょう。
リクルートの中核にある考え方は、「価値の源泉は人」という考え方。
個人/チームには進化し続ける事を求め、会社は機会・環境を提供する事をコミットする。
リクルート出身の人の転職相談に乗ると、ほぼ毎回聞くのが
という話です。
これがまさに「能力を遺憾なく発揮するための機会・環境を提供」するという事なのでしょう。
そしてそのサイクルを回す上での仕組みとして「ミッショングレード制」という人事制度があります。
皆さんも仕事や勉強等で、自分の120%上の目標を設定し、達成し続けていると夢中になって続けてしまうという経験はないでしょうか?
まさにその循環を生み出すのがミッショングレード制です。その人の現在の能力でなく、「期待値を踏まえた報酬と職務」を提示し続けるという仕組みです。
この仕組みの中で社員が成長し続けることによって、リクルートでは価値が生み出され続けているのですね。
リクルート出身の起業家が多い理由
また、リクルートと言えば「起業家輩出」のイメージが強いと思いますが、その裏には下記の人事ポリシーがあるからではと私は考えます。
上記の人事制度の中でも、「自律 / LEAD THE SELF」にリクルートらしさがあると思います。
起業家は、自らが何を成したいか?を考え、社会に示し、人を巻き込み、コトを成していく仕事です。
常に、「自分自身がどうしていきたいか?」が問われる、このカルチャーこそがリクルートから起業家が多く輩出される要因なのではと私は考えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今日は「人事制度」というテーマでnoteを書いてみました。
サッカーで得点を取るにも、試験で合格する為にも「ゲームルール」を学ぶことが重要です。
逆に、「ゲームルール」を理解していなければ、評価もされなかったり、反則と言われてしまう事もあるでしょう。
キャリアにおける「ゲームルール」の一つが「人事制度」であるので、自社や転職先の人事制度を改めて深く理解してみてください。
各社の人事制度について客観的なアドバイスが欲しいとのことであれば、いつでもカジュアルにお話ししましょう。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?