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神のDB(034)

(034)確かな『想い』と『誓い』が生まれたですぞぉ~|ω・)どうぞ~

前のお話:https://note.com/daikiha/n/ne86313014e4c

後のお話:https://note.com/daikiha/n/n76ec902db389

/⇒走&巡~⇒決!⇒笑顔&想いと誓い

公園は閉鎖されていた。
警察や救急車の救助の人達が公園の至る所にいて、神仕の岡村に操られていた人達を救助している。
ボクは施設の入り口の階段に座っていた。
さっきますみからもらったタオルと毛布に身を包んでいる。

岡村をソードの柄で叩き殴って気を失わせたあと、周りの茂みからレジスタンスの人達が現れた。
(ありゃ、さすがにびびった。気配もくそもないんだもん(゚д゚ノ)ノ ヒィィ!!)。
そこにますみとマスターがいて、ますみにいきなり腹に蹴りを受けて吹っ飛んだ後に、唯ちゃんが戻ってきた。
(唯ちゃん、すんごくあたふたしてたなぁ、かわええr(^~^*))。

それから仁君の治療にあたる唯ちゃんと、ボクの三人にマスターが『お見事でした、ダイキさま。お疲れ様です、仁君、唯君』と言葉を投げかけてきた。いつものあの微笑で。
なぜかその後ろではますみが心配顔でおろおろしてたり、思案顔になってたりしてたけど。。
(その後の、「うん、決まり」みたいな顔が気になる。。)

ま、何はともあれ終わった。

ホンに、ドッキドキだった。
神仕との戦闘。これで3回目だけど、前回のショッピングセンターのときよりすんごく緊張した。。はう。

そんなことを考えていると、
『ダイキさん!』
目の前から唯ちゃんの声がする。
『唯ちゃん。お疲れ様ぁ。すんごく助かったよぉ。ボクの無茶なお願い聞いてくれて、ありがとう。・・・って、どうしたのぉ?』
俯いている唯ちゃん。
ボクが何か言おうとすると、
『ごめんなさい!』
いきなり頭を下げてきた。そして、
『今回の護衛。自分の不甲斐なさ、仁君の行動、どれもダイキさんを危険に晒す内容でしたぁ。あまつさえ最後はダイキさんに頼ってぇ。。私は、ダイキさんの護衛、失格です。』
俯いている唯ちゃん。涙が地面に落ちていた。

『唯ちゃん。顔、上げて。』
ビク!っとした唯ちゃんが、ゆっくりボクの方をみる。
『さて、唯ちゃん、今からボクの言うとおりにしてね。』『え?』『いいぃ~、まずはねぇ~』『あ、はいぃ』

「まず、舌を上の歯に当てる。」
「すると、自然と口元の筋肉が上にあがるね。」
「これがうっすら微笑み。」
「それから、そのまま口を少し開ける。」
「目安は前歯6本ぐらいが見えるくらいかな」
「これが微笑み」
「さらに、上の歯が全て見えるくらいまで口をあけて、」
「そうだよ。そして、目を少し和らげる。すると」

ボクの目の前には、
『笑顔になるんだよ。』
笑顔の唯ちゃんがいた。

『ダイキさん・・?』『あのね、唯ちゃん。』
ボクはゆっくり唯ちゃんの両肩に手を乗せる。
『唯ちゃん、もっと自分に素直になってほしいな。ボクに対しても、皆に対しても、全ての人に対しても。唯ちゃんが感じるまま、接してほしい。素直な、自分の感情を自由にしている時の唯ちゃんの笑顔は、今の笑顔より最高なんだよ。今日、何度かみたんだ。その笑顔は、みんな、ほんわかするんだ。みんな、笑顔になれるんだ。』
ボクは唯ちゃんの目を見て

『ボクはこれからキミ達とレジスタンスの皆、それに関わる人達、全てとこれから共に過す日々を、』
ボクの気持ちを込めて。

『笑顔で』

『明るく』

『楽しく』

『過したいんだ。これは救世主としても、ボク個人としても想っていること、だよ。』

『ボクの救世主としての宿命とか、みんなのレジスタンスとしての使命とか、そういうどうしようもないことあるとしても、』
ボクは切に願う。
『ボクは、共に生きていくキミ達と過す日々を大事にしたい。大切にしたい。護りたい。だって、もうボクらは。。』
そう、ボクらはもう、、、

『家族だから。』
だからボクは彼らを、

『この命を掛けても、護るよ。』

『だから、唯ちゃん。笑顔でいてね。それがボクの願いだから、ね。』

唯ちゃんの頬に涙が零れ落ちる。
『ダイキさん。。。私、わたし、わたしぃ。。。あうああぁぁ。』そしてこちらに近づく彼女を迎えようと両手を広げる。。。

『兄貴!!』

って、なんかムサイのが突っ込んできたー!!
『兄貴!感度うっス!!最高っス!!オレの命、預けます!兄貴に一生、ついてきます!』
おお!!!仁君が泣きながら抱きついている!!!!あああああ!!ムサイ!臭い!息苦しい!!
『うにゃぁーー、仁君、きつい!ちょ、ちょー、離れてーー!!』『兄貴、最高っス!好きだ!大好きだ!!』『うぎゃーー、オレは男は嫌いジャーーー!!!』『あうあうー!ダイキさんと仁君ー、そんな関係だったのぉー。』『おぎゃー、唯ちゃん、最低の誤解!!!』

昼下がりの公園で男女のわめき声が聞こえる。
冷たい風が少し吹いてきた。
さっきまで充満していた熱気は醒め、公園は普段の雰囲気に変る。
親子や、夫婦や、恋人や、友達同士が集う場所に。
そこはお互いを想う「心」が集まる場所。
様々なドラマが生み出される場所。
今日、またひとつ、

確かな『想い』と『誓い』が生まれた。


/⇒走&巡~⇒決!⇒笑顔&想いと誓い=出会い

そろそろここから撤収らしい。
当たり前にあるこの公園はいつもの日常に戻る。
ボクのお気にぃなこの公園で今日、忘れられない出来事が起こった。

あの時からまだ1ヶ月もたっていない。
ボクがこれまで8年間も過ごしてきて何も起きなかったこの場所で、これからも今日のようなことが起こるんだろうか。
いや、起こるんだ。
ボクは覚悟を決めたじゃないか。ボクの人生は変わった。そのことから逃げないって。

ふとそんなことを思っていると、
『私、忘れないよ。一生。ね、仁君。』
唯ちゃんが仁君に声を掛ける。
『ああ、当たり前だ、忘れないぞ。この場所のこの時が、兄貴との本当の「出会い」だ!』
仁君は公園を見ながら目を大きく見開いて答える。
そして彼らがボクの方をみる。純粋で真っ直ぐな眼差しで。

ボクも忘れないだろう。
この眼差しを。
この場所で、この時の、彼らとの、

忘れられない本当の「出会い」を。


->《2012年2月10日金曜日午後21時30分》

『わすれないぞーーーーーーーーーー!!!』

ご近所迷惑もなんのその、我らが特攻隊長 近森 仁君を今日も
『だめだよー!仁君!そんな大きな声出しちゃあ~』
幼馴染であり、稀代の魔法使いでもある後方支援スペシャリストの河合 唯ちゃんに窘められている。
この風景は。。平和そのものだ。
こんな、
こんな平穏な風景が続けばいい。
そして、
護らなくてはいけない。
って、最近、強く想うようになったのは、救世主としての自覚というものが目覚めつつあるのか。
あるいは。。。

近所の家から窓やドアを開ける音がする。
さて、とりあえず。

ふけるかなぁ~。

前のお話:https://note.com/daikiha/n/ne86313014e4c

後のお話:https://note.com/daikiha/n/n76ec902db389

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