見出し画像

神のDB(031)

(031)まったりからの急展開ですぞぉ~|ω・)どうぞ~

前のお話:https://note.com/daikiha/n/n8b6772939245

後のお話:https://note.com/daikiha/n/nac2f76990cfa

/⇒走&巡&店&食=怒×2⇒公園&話

さて、
てんぷら屋さん(ちゃんと壁とかもろもろ「仁君が」壊したところはきちんと弁償しました。ハイ(*- -)(*_ _))を後にしたボクらは、
腹ごなしもかねて(既に済ましている感はあるけどね)近くの公園に来ていた。

ここは、あの花火大会でも有名な大きな川の直ぐ脇にある公園で、敷地が広く、緑多く、風の通りがいい。
そして公共施設や最近流行っている七福神神社のひとつに数えられている神社もあって、楽しめつつ、のんびり過せる公園だ。

午前中よりも風も収まり温度もあがり、日差しが暖かいので公園をブラブラするにはちょうどいいこの頃。
。。。ボクの周りの雰囲気は最悪でありましたとさ。

唯さんはさっきから顔を俯いて歩いているし、仁君はこっちを見ずにそっぽ向いた状態で不機嫌な感じで、ボク達3人は公園についてから無言だった。
うーん、いかんなぁ。。というか気まずさバリバリ。
こりは疲れる。
神経的にダメージケアが必要だなぁ。。。と、ボクはここで一番の年上として、
『うーん、暖かいねぇ。日差しが気持ち良いや。こんな日和に公園を散歩できるなんて、凄く贅沢だよねぇ~』
これでもか!、の笑顔で二人に言葉を語りかける。
『・・・・』
『・・・・』
がぁ。。反応なし!

うし!、予想通り!ういうい、めげない泣かない落ち込まない。
『おー。あっちの芝生、居心地良さそうだよぉ~。お弁当でも作ってきてランチでもしたら楽しそうだよねぇ~』
これでどうだ!、のジェスチャー&スマイルを二人へ投げかける。
『・・・・』
『・・・・』
うがぁぁあ!!レーダーに反応なし!
おし!予想通り!うさうさ、しょげない逃げない飛び込まないぃ~。。

おおう。。危うく脇の川に飛び込むところだったよぉ~。うーん。
ボクがそろそろこのフィールドに充満するストレスに逃げ出そうとホンに思い詰めかけているところに、
『・・・ごめんなさいですぅ~。ダイキさん。』
唯さんの小さな謝罪の言葉が聞こえる。
『え?どうしたの?唯さん、なんで謝るの?』
ボクは唯さんの謝罪に素直な疑問を投げかけた。
だって、唯さんは悪いことなんて何もしてない。なのにどうして謝るんだろう。それも、ボクに。
そんな疑問を考えているボクに、眉毛を八の字にした顔をボクのほうに向けた唯さんが、
『折角のダイキさんの貴重な休日に、私たちを誘ってくれて、私達に凄く気を使ってくれて、私達を楽しませようとしているのにぃ。。。私、ダイキさんを困らせてますぅ~。』
少し涙声で言った。
『え!なになに~。いやいやいやー、唯さん。それ誤解だよ!』
ボクは慌てて少し大きな声で唯さんに訴える。
『ボクは凄く楽しいよ。うれしいよ。一緒にキミ達が付き合ってくれて。さっきてんぷら屋さんでも言ったけど、感謝してるんだよキミ達に。』
ボクは二人より一歩下がって、二人を見ながら言う。
『ボクはこれからキミ達とレジスタンスの皆、それに関わる人達、全てとこれから共に過す日々を、』
ボクの気持ちを込めて。

『笑顔で』

『明るく』

『楽しく』

『過したいんだ。これは救世主としても、ボク個人としても想っていること、だよ。』
そう、ボクは想う。
ボクの救世主としての宿命とか、彼らのレジスタンスとしての使命とか、そういうどうしようもないことあるとしても・・
ボクが言葉を続けようとした時、

『ふざけるな』

仁君がボクの方を睨むように見て、言う。
『え?』
『あんた、本当にそんなこと思っているのか?』
『仁君、あのぉ・・』『唯、黙ってろ。』仁君が唯さんのほうを見ず、言葉を続ける。
『なんだその甘い考え方は。あんた、自分がどんな存在で、今がどんな状態なのか分かっているのか?今、この時でも世界は神たちの支配を受け続け、人類は、そして俺達レジスタンスはいつ滅ぼされるか分からない状態なんだよ。』
仁君は少し震えた声で続ける。
『そんな状態の中での、あんたは、救世主とは、希望なんだよ。この状況を打開できるたった一つのな。それが、そんな希望がよ。』
仁君はさらに視線をきつくし、
『そんな甘い、平和ボケしたようなこと言われちゃあ!困るんだよ!迷惑なんだよ!!』
ボクの方に向かって言葉を叩きつける。
『知ってるか?今までアンタを護るため、アンタが生まれてからのこの30年以上、何人のレジスタンスの仲間が犠牲になったっと思ってやがるんだぁ!で、護ったアンタがこんなへなちょこで、ふざけた甘い考えしか持っていないヤツじゃ、犠牲になったあいつらが。。。ああ!くそ!』
ガアァァンン!!
仁君が傍にあったゴミ箱に裏拳を喰らわす。そして、ポケットから取り出した手ぬぐいを手に、
『こんな手ぬぐいぐらいでお礼になっているなんて思っているのか!俺達の命は、この手ぬぐい程度なのかよぉ!!』

・・・・・・・・
沈黙。
伝わってくる。
仁君の想い。
仁君はボクに憤りをぶつけてきた。その感情は凄く、ボクの胸に、心に飛び込んできて、そしてボクは思う。こんなボクで申し訳ない思いと、そして、ボクが想っていることをこの人に、仁君にちゃっと伝えないといけないと。
だから・・・
ボクが何か言おうとした時、仁君は後ろを向いて歩き出す。慌てる唯さんが、
『仁君!どこにいくのぉ~。』『トイレだ!』
仁君はそのまま振り替えず、行ってしまった。


/⇒走&巡&店&食=怒×2⇒公園&話⇒襲撃

『ダイキさん!すみません!』

唯さんがボクに向かって頭をさげてくる。
『ほんとに、ほんとーにぃ。。。ごめんなさいです。仁君、失礼なこといっちゃって。でも、仁君、ダイキさんが嫌いで言ったんじゃないんです!仁君は、あんな格好だから誤解されるけど、すごくみんなの事を心配してくれて。。。』
唯さんが頭を上げて言う。
『仁君、自分の役目が最前線で戦うことだから、まわりに戦いで傷ついた人、たくさん見てきていて。。。だからダイキさんに、「救世主様」に期待と憧れを持っていたんです。もう戦いが終わるって。もう、誰も傷つかないですむって。私に、良く言ってくれてましたぁ。だからダイキさん!』
ぽん。『え?』
ボクは唯さんの頭に手を乗せ、
なでなで『あうぅう。。』
やさしく、撫でた。
『うん、ありがとう、唯さん。仁君のこと、いろいろ教えてくれて。ボクは彼のこと、知らないから。でも、さっきの仁君の言葉と、唯さんが教えてくれたことでボク、わかったよ。』
ボクは続けて唯さんを優しく撫で続ける。
『うん、キミも仁君も、真っ直ぐで優しい心を持った、いい子だね。(ニコ)』
『ダイキさん・・・』
『だからボク、仁君に伝えなくっちゃいけないことがあるんだ。仁君が戻ってきたら、話したい。伝えたい。ボクの想い。何もできないボクだけど、それでもこれからキミ達と一緒に歩むために。』
ボクは真っ直ぐ、唯さんを見て言う。

『ダイキさん。。。ありがとうですぅ。やっぱりダイキさん、変ってない。そんなダイキさんだからわたしぃ・・!!』
風が突然、吹きあがる!!
『ダイキさん!伏せて!』

びゅおおおおおおおおおおお!!ガキィバキィィン!

風の壁がボク達の周りに現れ、何かを弾く音がする。
ビュン!『イツぅ!!』
『ダイキさん!頭!血が!!』
何かが頭にかすったのか、ボクの左前額から血が垂れてきている。
『大丈夫だよ、かすっただけみたい。痛くないから。』
ボクは唯さんに笑顔で答えると、
『どうした!!唯!無事か!?なにがあった!』
仁君の声が風の壁の向こうから聴こえる。と、風の壁が収まってきて『唯!』仁君が見える。
『仁君!私は大丈夫!でもダイキ様が頭にお怪我を!』『ちぃ!襲撃か!!』
仁君が周りを見渡している。ボクも目であたりを伺う。

『ふぅ~。運のいい人ですねぇ。鳴沢大樹。さすがレジスタンスの精鋭が護衛についているだけのことは、ある。』

不意に声がした。
ボクから仁君の方向、さらにその向こうから声がした。
そこにはのどかな公園に相応しくない格好をした男が居た。
中肉中背、腹が出ていて丸めがね。頭は天然パーマの長髪。赤のTシャツとジーンズのおっさん。はっきり言って。。

『キモイ。』『キモ。』『気持ち悪いですぅ。。』唯さん、涙目です。

『・・・・・・ほっほー。なるほどなるほど~。初のご対面でのご挨拶がなんとまぁ。。失礼ですなぁ~。しょせんはクズの集団のレジスタンスとその主だけのことはなりますね。この私の美的センスを理解できないらしい。』
『うわ、キモイ。』『うげ、キモ。』『にゅうぅ~、気持ち悪いですぅ。。』唯さん、泣いてますよ。

『おい!唯さん、泣かすなよ!!お前、最低だな!!』ビシィ!!っと指を刺すボク。
『なんですか!!あなたは!失礼な!失礼な!失礼な!失礼な!失礼なぁああああああああ!!』
キモオヤジも負けじと丸めがねを指で押さえながらボクの方に指を刺してくる。って、
『だから!それがきもいんじゃ!!ボケ!!この公共公害!汚水!うんこ!やーい!うんちぃ~』
お、なんか若干ハゲかかっている額の血管がピクピクしてるぞぉー。

『うふふ、うふふふ、うはははははははは、うははひゃはははっは!!!!!かあぁぁぁああああああああ!!!!』

いきなり笑い出したかと思ったら、叫びだした。
『ふぅ~。コントロぉ~ル、コントロール。マイ、マインド、こんとろぉぉ~るぅ・・』
と思ったら、なんか下向いて、ぶつぶつ独り言を言っている。うん、キモイ。

どぉお!ん!
とたんに顔を上げ、こちらを真っ直ぐ見ている。
『お初にお目にかかる。救世主、鳴沢大樹ぃ。わたくしは、「岡村健三郎」と申すもの。最高の神仕にしてぇ、』
ぎょろ、とさらに目をこちらに向け『あなたを葬り去る命令を我らの主より頂戴したもの、ですよぉ~』

うーん、いきなりの自己紹介。さらにきもい。蹴りたい。
『おい!てめぇか!さっきの襲撃は!!』仁君がキモおっさん改め、岡村に詰め寄る。
すると岡村はニタァ~とした笑みを浮かべ
『はいぃ~、その通りですよぉ。今、この公園は私のコントロぉ~ル化、にありますぅ~。丁寧にいいますとぉ~、十数人の者たちがぁ、狙撃銃やボウガンなどの遠隔攻撃武器を持って今も、そう、』
岡村は両手を広げ『この今、まさにこの時もぉー、あなた達3人を!狙い続けていますよぉ~。』汚らしい笑みと共に言い放った。

『そしてですねぇ~』
さらに嫌らしい笑みを浮かべ
『ち・な・み・に、彼らはただの、一般じーんですよぉ。
私のぉ~、この世でもっとも素晴らしい最高のマインドコントロール「エクセレントコントローラー」で命令している
たっ・だぁ・のぉ~、一般人ですぅ~。
相手の行動と、
そしてぇ、感情ぉお!
までもコントロールできるこの能力。
今の彼らの感情にはぁ~「世界一最悪な殺人犯への怒り」を植え付けてぇ、
そしてぇ~「殺人犯、鳴沢大樹とその一味の殺害」という命令を与えてあげているんですぅよぉぉー。
彼らはいまぁ~、ヒーロー気分であなたを殺しに躍起なんですよぉお!!最高ですよねぇー!!
あは、あはは、あはひゃひゃひゃああああああああああああひゃはあああああああああああ!!!』
岡村ら恍惚の笑みで笑い狂っている。

『なんてひどいことぉ~。恥ずかしくないんですかぁ!!なんの関係ない人を操って、殺意まで埋め込むなんて!』
唯さんの声に『はあぁ~あん?』こちらに首を傾げる岡村。
『恥ずかしいぃ?何故です。何故そんなものを私が感情に持たなくてはならないのです。クズなあなた達を、ゴミなそこら辺にいる一般人を、高貴な神仕である私が使ってあげているのに、何が恥ずかしいのですかぁ?むしろぉ、』
にたぁ~
『あの一般人に意味を与えてあげているんですよぉ~、私は。神に、その仕える私に使われる、という意味をねぇ~。』

ダン!!

『ぬぁあ!なにぃい!!』
仁君が岡村に一気に間合いを詰める!!
『うるせぇ!消えろや!!』
仁君が拳を振り下ろす!表情を変えた岡村が腰に掛けているレイピアを抜くが、遅い!
『あぶない!仁君!!』『なに!』
唯さんの声に、仁君がその場から離れる!バシュ!バシュ!バシュ!『クソ!!』フィン!シュ!シュ! バシィ!!
仁君が居た場所に銃痕が四つ、同時にボウガンが仁君を襲い、矢を幾つか弾く仁君。

岡村はすぐさまその場から離れる。
『ほっほー、あぶないあぶないですねぇ~。さすがは隊長クラス。油断できませんねぇ、これは。当初の予定通り、甚振り、甚振り、甚振り続けてあなた達全員が動けなくなるまで待ってから、再びお会いするのが良いですねぇ~。』
さらに間合いを広げると、
『では、またお会いしましょ~。良いダンスを踊ってくださいな。』
公園の施設の方へ走り出した。

『ち!野郎!!待てや!!』『仁君まってぇ!』
唯さんの静止も聞かず、仁君は岡村の後を追って、行ってしまった。

前のお話:https://note.com/daikiha/n/n8b6772939245

後のお話:https://note.com/daikiha/n/nac2f76990cfa

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?