daijobanai-project(ダイジョバナイ・プロジェクト)

こんにちは!ダイジョバナイ・プロジェクトです。 これまでに出会った方々の心の裡を、「叫…

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こんにちは!ダイジョバナイ・プロジェクトです。 これまでに出会った方々の心の裡を、「叫び」「SOS」「自慢」「喜び」「ボヤキ」「弱音」「強がり」「悲しみ」「願い」などの形でご紹介します! フィクション、ノンフィクション、インタビュー、物語、色々混ざってます。

最近の記事

No.034 大好きなパパとママへの抵抗

いいえ、娘さんは正常です。 異常なんて、ひどいことを・・・。 病気や障害ですって? とんでもない。 いや、たとえ異常があるとしても、今回の件はそれが原因ではありません。 その因果関係を知らなければ、親子はずっと分かり合えませんよ。 彼女の発言はとても注意深く、自分の言葉や行動が周囲にどう映るかを気にしながら話していますよ。思いつきで適当なことを言う子ではありません。10歳の子が使いこなす言葉は限られるかもしれませんが、その範囲において彼女は誠実に自分自身と向き合い、相手に自

    • No.033 僕らの意地

      芸術系の大学を出て五年ほど経った。 バイト程度はやったけど長続きしなかった。 いまだに親元で暮らしてる。 ボカロ曲を作ったりして音楽家を目指してるけどパッとしない。 彼女もできたことがないし、結婚なんてたぶんできないんだろうな。 親が用意した縁談は断って、マッチングアプリを使ってる。 一人の女性と出会って、仲良くなってデートには3回行った。 二人とも大人しくて、相手が引っ張ってくれる人じゃないとお互いにダメみたい。 「何かあったらまたよろしくね」なんて変なセリフで関係は終わっ

      • No.032 墓前のセミ

        よくがんばったよ、オレは。 12年と8ヶ月、すべてが忍耐だった。 がまん、がまん、がまん、それが毎日の仕事だった。 そういう意味ではオレはお前らと一緒だ。 お前らとちがうのは、孤独だったことだ。 お前らとちがうのは、金にならなかったことだ。 お前らとちがうのは、毎日、罪悪感と戦ってたことだ。 おい、オレ。 何やってたんだ、今まで。 もうじっとしてる必要はない。 今すぐに出ていけ! 屈辱の巣穴から這い出せ! もう動き出してもいいんだ。 地面が堅くて出てこれなかっただけだ。

        • No.031 「愛してる」と「バカヤロー」

          久々家出した 小学校から数えると5回以上はやってる 父親が今のあいつになってから 3回は警察沙汰になった 高校になって外出はうるさく言われなくなったから家出しなくてもすんでたのに 友達の家に一週間泊まってたらさすがにキレられて外泊禁止になった めんどくさくなって必要なものとあいつの金少し盗んで久々ちゃんと家出した そしたらソッコー警察よんでるし それしか脳がないのかお前ら ママ泣いてたよね そういうときだけよく泣くよね 愛してるからもうやめてだって ふざけんな だったらいき

          No.030 そら豆のふとん

          おい、豆ども。 おまえら存在が謎なんだよ。 そもそもなんであんなに種類があんのか教えろよ。 大豆って最初水に浸すじゃんか、あれなんでか教えろ。 まあ大豆っていうわりに別にデカくはないけどな。 でも水に浸して茹でたらちゃんと豆の形になるじゃんか。 ああやって人を微妙に裏切ってくるところが気に食わねーな。 まんまるが第1形態で、水を吸って第2形態ってか? そんで茹でた後が完璧な第3形態とは、、、めでてーな。 そりゃあ美しくて、水煮にして保存しておきたくもなるわ、ボケ。 豆腐とか

          No.029 謙遜家族

          ボクはお料理が全然できないからなー。 パパはおみそ汁作れるんだよね? なにいってんだ。 オレはみそ汁とめしを炊くくらいで、ほかに何もつくれねーんだよ。 ママは煮物でも揚げ物でもなんでも作るけどな。天ぷらなんかホントにうまいよな。 おい母ちゃん、今夜は天ぷらやってくんねーか? 何いってんの。 天ぷらはもちろんやってあげるけど、特別おいしくはないよ。私はありあわせでごまかしてるだけなの、いつも。ステーキとかハンバーグとか、火加減が難しい料理は全然ダメ。 おばあちゃんのハンバー

          No.028 「楽しみだね」をしばらく封印!

          入園前はずっと嫌がってた。 楽しみだねって精一杯伝えるのに、うんとは答えてくれなかった。 話題にするたびに表情が暗くなる娘。 「みんないるよ」は効果なし。 「いっぱいおそと走れるよ」は無視。 「ブランコもあるよ」は一瞬反応してフリーズ。 ネタがない・・・ 「先生もお友達もみんな遊んでくれるよ!」と渾身の力で伝えてもダメだった。 そんなとき、夫から「釣りはやめろ」と指摘が。 べつに釣りじゃない。幼稚園が楽しみになるように考えてるのに。あなたは何も言ってくれないじゃない。

          No.028 「楽しみだね」をしばらく封印!

          No.027 人類滅亡の十年前

          ヒトはかつて、その背中の翼を捨てた。 空よりも地上で生きることに命の安定を見出したのだった。 100万年も前のことである。 ヒトはかつて、その口の牙と頭の角を捨てた。 狩猟に際し知恵とチームワークを見出したのだった。 10万年も前のことである。 ヒトはかつて、言葉と上下関係による秩序を得た。 種の存続のために社会性を見出したのだった。 1万年も前のことである。 ヒトはかつて、生産と分配を司るための法制度を得た。 公平性に新たな幸福を見出したのだった。 千年も前のことであ

          No.026 眠れない夜の10人のアドバイス

          眠れない夜は夜景を見てあきらめます 開き直るしかないので 40代女性 眠れない夜はにんにくパスタを作って楽しくやる ヤケですねもう 30代男性 眠れない夜は2時間の映画を見て勝ち誇ります 途中で寝てはいけないルールにして縛ります 20代女性 眠れない夜はドライブに出かけてプラス思考になる ホントに楽しくなるまで家に帰りません 20代男性 眠れない夜は昼間あった嫌なことをあえて思い出す 引っかかっていることから逃げてる証拠なので 30代女性 眠れない夜はゲームする バ

          No.025 芸術

          芸術は悲しみから生まれる あえて悲しみを望む者はいない しかし悲しみは必ずやってくる 悲しみを表現すれば、それは芸術となる 悲しみは憂いであり、願いである それらを分かち合えたとき、喜びが生まれる 芸術とは、悲しみを喜びに変えるための努力と工夫の痕跡である それは自然と命の痕跡である それは感情と創造の痕跡である それは学びと信念の痕跡である 悲しみは互いに惹かれ合い、いくつも連なり、つながり合う つながった悲しみは膨張し、嫉妬や憎しみ、恨みや絶望へと変質する

          No.024 人生代行サービス

          就職してまだ1ヶ月も経ってないんですけど、会社はもう辞めることにしました。大卒なんで、まだ新卒扱いで転職できるんですよ。どうせならゴールデンウィーク前に辞めて気楽に休日を過ごしたくて、急いで退職することにしました。 研修で覚えることが多すぎて疲れました。正直ここまで多いとは聞いていませんでした。研修課の担当の人がメモを取れって言うんですが、とてもしつこくて初日だけで3回も言ってくるんですよ。あと、学生時代にノート取ってきただろって、それは余計ですよね。ノート取るのは先生の板

          No.023 「情け」がなかなか自分に戻ってこないのだ!

          わたしは「情けは人のためならず」のことわざが大好きです。回り回って自分に戻るかもしれないから、喜んで他人に親切にしなさいという教えです。小学生の頃、担任の先生にそう教わったのがずっと残ってて、それから20年経った今でもその場面がとても強烈に記憶に残ってるんです。 でも最近、ちょっとこの流れがうまくいかないんです。 というのも、、、言いづらいんですが、情けを与えるばかりでなかなか自分に返ってこないんです。わたし、けっこう人に尽くすというか、何でもやってあげたくなっちゃうタイプ

          No.023 「情け」がなかなか自分に戻ってこないのだ!

          No.022 学生あるある「お披露目恐怖症」

          【Aさん・男性】 ボクは新しい運動靴を下ろすときでしたね。 中学の時が特にそうで、高校の時もたしかそんな感じだったと思います。 買ってきた新品の靴をわざわざ土で汚すんです。家の中で足で何度も踏んづけてシワをつくったりもしました。そうすると使用感が出るんですよ。別にそうしたいからとかじゃなくて、真っ白の靴を見せたくないから仕方なくやるんです。 時々汚しすぎて不自然に見えちゃうこともあって、それはそれでバレる怖さがありました。わざと汚してたのバレたら二重に恥ずかしいので。 雨の日

          No.022 学生あるある「お披露目恐怖症」

          No.021 待ちぼうけ

          学生諸君、おはよう。 お待たせしてすまない。 電車に乗り遅れてしまってね…。 「待つ」といえば、諸君は「待ちぼうけ」の唄を知ってるかな? そう、山田耕筰は有名だね。 しかしこの場合、北原白秋の方が大事なんだよ。 何番まであったか、、、とにかくあの詩を書いたのは彼なんだから。 なんの教訓か知らんが、怠け者がうさぎを待つだけの場面が描かれているんだ。 こう言っちゃなんだが、あれは内容的に待ちぼうけとは言えないよ。主人公が真剣にうさぎを待つ気配はないし、木の根っこにうさぎがぶつ

          No.020 水星行きの列車

          水星行きの列車がまもなく発車します。ご利用のお客様はご乗車になってお待ちください。 マークプルタス号は、ここ冥王星を発車しますと、土星、木星、火星、地球、金星の順に、終点水星まで各惑星駅に停車いたします。 天王星および海王星方面には参りませんのでご注意ください。 天王星方面をご利用のお客様は、直通の特急列車ウラノプルタス号をご利用ください。海王星方面にはワイドビュー・ネプルタス号をご利用いただけます。いずれも反対側のホームよりご乗車ください。 続いて、惑星各駅における注意

          No.019 ほこりを、拾います

          職場の書棚近くの床にほこりが落ちてたんです。 拾える大きさだったので拾って捨てました。 でもその瞬間、ちょっと思ったんです。 捨てて良かったのかなって。 過去にも、ゴミを拾うとき何となくそんな感覚になることがありました。 ほこりに命があるとまでは言いません。 でも、そこにいたかったんじゃないかなって思うんです。 違う場所に移されたことで、びっくりしちゃったかもって。 あでも、ちゃんと捨てますけどね。(笑) ほかの人にこんなこと言ったことはないですし。 言ったら絶対ドン引き