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No.028 「楽しみだね」をしばらく封印!

入園前はずっと嫌がってた。
楽しみだねって精一杯伝えるのに、うんとは答えてくれなかった。
話題にするたびに表情が暗くなる娘。

「みんないるよ」は効果なし。
「いっぱいおそと走れるよ」は無視。
「ブランコもあるよ」は一瞬反応してフリーズ。

ネタがない・・・
「先生もお友達もみんな遊んでくれるよ!」と渾身の力で伝えてもダメだった。
そんなとき、夫から「釣りはやめろ」と指摘が。

べつに釣りじゃない。幼稚園が楽しみになるように考えてるのに。あなたは何も言ってくれないじゃない。

ケンカになった。

夫にバトンタッチ&お手並み拝見。
さっそく娘にこんなことを言う夫。
「幼稚園は楽しいかどうかわからないよ」
「楽しいかもしれないし、こわいかもしれない」

ちょっと!それ言わないでほしかった…。
余計ダメでしょ。

構わず続ける夫。
「あーちゃんが楽しいってなるかなー?」
「それとも、こわいこわいってなるかなー?」
「どうなるかわかんないね」
「パパもどうなるかわかんなくて、ごめんね」
「楽しければ行けばいいよ」
「こわければ帰ってこようか」
娘はじっとパパを見つめて聞いている。
しかもところどころうなずいているではないか!

うーん、、、どういうこと?

たまらず私が話に割って入る。
「あーちゃん、幼稚園行きたくないの?」
娘は「わかんない」と反応した。

夫が続ける。
「いきたいかどうかなんて、わかんないよね?」
娘は「うん」と答えた。

「まだよくわかんないんだよね?」
「うん」

なるほど、そりゃそうだ。

でもそんなやりとりしてたら、じゃあ行かないってなって終わってしまうんじゃ…?
一抹の不安がよぎる。
夫はこれをどう乗り切るつもりなのか?

するとこんなこと言い出した。
「入園式にパパも行くから、あーちゃんも一緒に来てくれる?」
「いやだったら一緒に帰ってこよう」
「パパも一緒だからね」

すると娘はすんなり「いく」と言い出した。
そしてタブレットで幼稚園のホームページを一緒に見始めてる。
建物の画像を見てなにやら2人で話してる。
冗談まで言いながら!

私の負け。

私にはこのテクニックがない。
「楽しい」と決めつけて勧めるのは確かに釣りだ。
それが娘にバレてるんだ。
だから私の誘いには怪しいところがあるのだ。

でも夫はそういう駆け引きをしない。
娘にちゃんと寄り添ってる。
福祉の学校出た私がなんでできないんだろ…。
悔しいけど、夫の話の進め方は勉強になる。

信頼関係はおそらくパパの方が強いか。
あーちゃんはパパの言葉は信用できるんだよね、きっと。
そんなパパが誘うことは断らないんだよね。
幼稚園をがんばってみようと思うのかな。

最初から夫がやればいいんだけど、敢えて私に対応させようと泳がしてる感じはある。
私は娘に関わる時、どこか緊張しているのだ。
彼女からYesを引き出せないかもしれず、心配なのだ。
うまくやろうとカタイ感じがあるのは自覚している。
あーちゃんに向き合わないと。

まあそんなこんなで無事入園し、1ヶ月経った。
多少のトラブルはあるけど、ほぼ順調。
ありがとう、あーちゃん。
娘が順調というか、、、娘はそもそも大丈夫なのだ。
むしろ私のほうが順調でいないと、娘に良くない。

今月は遠足がある。
でも私は娘に「遠足、楽しみだね」とは言わない。
夫のマネして「遠足どこ行くんだろうね」なんて言ってみたりしている。
早く安心させたくて焦るが、娘がちゃんと反応してるところを見るとこれでよさそう。
安心したいのは結局、私自身なのだ。

「楽しみだね」は、私の中ではNGワードになった。

楽しみなんて言えるほど、娘も私も度胸はない。
娘の前では正直でいよう。

心から「楽しみだね」って言えるようになる日まで、このセリフは封印だ。

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