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差別化要素作りとは、お金を掛ける部分と掛けない部分を決めるということ。

他店と差別化する事によって競合に負けない。

フードビジネスのみならず、多くの業種において、深く、そして沢山考えさせられるテーマだと思います。

それを作っていこうとする際に、どう考えるべきなのか?が今回のお話のテーマです。


差別化するための8つの要素

まず、様々なサービスにおいて差別化要素は下記の8つの視点からなるものだと思っています。

①立地:出店場所(利便性・立地特性など)
②規模:店舗の大きさ(=在庫量、商品量)
➂ブランド:認知度の高さ、歴史・伝統など
④商品:商品自体の価値(原価、見栄え、味など)
⑤販促:認知拡大、来店のきっかけ作り
⑥価格:商品の安さ(高さ)、コストパフォーマンス
⑦接客:顧客と接点を持つ際のサービス品質・サービス量
⑧固定客化:購買後のフォローアップ、次回利用の誘因

になります。

一方で昨今では、フードビジネスでもWebのみで事業が完結してる場合も多くあります。

立地=事業どのモール出品しているのか?検索順位ではどこか?

規模=自社・複数モールに出品しているか?在庫保有量はあるか?

接客=ユーザビリティが高いか?

など実店舗を出店しているという場合と、各項目における捉え方が異なりますが、今回は主に実店舗を出店している飲食店を想定してお話をできればと思います。


投資額や経費を掛けるポイントを選ぶ

上記8つの視点から差別化要素を作るにあたって、まず認識をして欲しいのは、タイトルの通りでもあるのですが、

差別化する重点項目に対して投資を多くする、または、PL上の経費率が、一般水準や基準値よりも高くなるという点です。

(もちろん全てにおいて、ヒト・モノ・カネを掛けて競合店に対して全てを上回る事ができればいいですが、リソースが限られている店舗が多くを占めておりますので決してそうはいきません。)

例えば、

立地への投資:好立地(駅前・国道沿い・流行りの商業施設内)などは人/車通りが多く、見込み客や店前通行客が多いため総じて家賃が高くなります。

規模への投資:席数多く取る、それに伴い厨房が大きく、その分人もいるため、家賃や人件費が多く掛かる場合があります。

ブランドへの投資:歴史・伝統という観点ではすぐにとはいきませんが、認知を広げ、また店舗向上させるために店舗や販促物デザインにこだわれば販促(広報活動)費が高くなったり、初期投資を大きくする必要がある。またブランドイメージを引き上げるためのドミナント出店においては出店ごとに費用(借入など)が掛かります。

商品への投資:見栄え、提供方法など創意工夫もありますが、分かりやすく価値やコストパフォーマンスを感じてもらうのは食材原価(多品目化、アッパーグレードの食材)を掛けることになります。その他にも中食などであれば包材原価を掛ける場合もあります。

販促への投資:Web、紙、街頭広告、SNSなどの多媒体化をした上で高頻度で販促仕掛けを実施すれば、競合ひしめく都心繁華街などを除けば、基本的には認知は爆発的に広がりますが、販促経費率は高まってしまいます。

価格への投資:投資という観点ではないですが、価格においてパフォーマンスを上げる場合の多くは、より低価格で良い商品を提供すること(もちろん高く提供してという場合もあります)になるため、必然的に原価率が高くなります。

接客への投資:実店舗の場合は、顧客接点を多くする為に人員を増やしたり、その品質担保をするために人財教育に時間を掛けるなど、接客による満足度向上を目指す場合は人件費が掛かります。

固定客化への投資:アフターフォローの手法は様々ですが、Web・紙などのツールを使う場合は、その分の費用が掛かります。もちろん人的稼働(営業等)が発生すればその分の人件費も掛かります。


凄くわがままな顧客視点に立てば、使いやすい場所にあって、高い原価が掛かっている旨い商品を食べて、接客も丁寧な従業員さんばかりで、次回〇〇円引きクーポンを毎回もらえるフォローもちゃんとある・・・・

そんなすべてが揃っているお店が理想ではありますが、最終的に儲けを出すことが目的だとした場合、決してそうはいきません。


そのため、明確な差別化要素を作るためには、どの部分にお金を掛け、どの部分はなるだけ経費を削減するのかを決める必要があるのです。


差別化要素を選んだら、どの費用を吸収するのか?もあわせて考える。

既に出店している場合は別ですが、立地や規模に対して優位性を持とうと思った場合には、例えばですが、原価が低くかつ安定しやすい、人件費の低い(オペレーションを回しやすい)商材を選択することで賃料経費を吸収することで収益性が担保できます。

また出店立地や店舗規模に優位性が無い(賃料以外の観点に投資が出来る)という場合には、販促費を掛け認知拡大を狙う場合もあれば、高原価化と商品自体の工夫によって集客力を高める方法も考えられます。

また、高原価化をして商品を際立たせる場合には、サービス(接客)をデジタル化・セルフ化をすることで人件費を抑えるといった場合もあります。

また立地や商品価値よりも、飲食店という空間や滞在時間に価値を与えるという場合には、サービス人員やその教育にお金を掛けるという選択もあります。


差別化要素を作る点に重要視される点は、経営者、企業の思考や店舗コンセプトごとに多種多様であり、ここまで書かせていただいた以外の方法も沢山あるかと思いますが、

自社に差別化要素が見いだせない、どんな視点で作るかに悩んでいるという場合に是非参考にしてみてください。

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