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働くことを振り返る その⑨ 休職中に転職したその後

これまで

今回で最終回です。これまでのあらすじ。
初めてアルバイトをした時に見た社会
その① 初めて社会に出た時
新卒でSEとして就職
その② 新卒SE時代
飲食関連企業へ転職するも、入社前と入社後の業務の相違
その③ 飲食関連企業でのミスマッチ
総合病院で経験した長時間労働、病気による退職から復帰
その④ 総合病院勤務
お誘いをいただき、医療系企業へ転職
その⑤ 医療系企業でのこと(前編)
その⑥ 医療系企業でのこと(後編)
環境や業務負荷により、精神的に疲弊。休職ではなく退職を選択。
その⑦ 休むことを疎かにすると良い結果は生まれない
転職するもコロナや環境変化により休職
その⑧ 働き続けないといけないことはない

休職中に転職活動をする

コロナによるリモートワークが始まりました。しかし、環境面では何の準備もされないまま、従業員任せの管理体制のままリモートワークに突入。具体的には自宅で業務ができるモバイルPCの貸与がない、業務報告体制も決めれれていない。という状況でした。その中で上司は、リモート下でなにをしているのか分からない、業務が見えないと、責任を従業員に押し付けていることが散見されていました。リモートワークの指示が出ているにも関わらず、上司自身は毎日出社していて、まるで出社している人が評価され、リモートワークをしている人はサボっているかのような態度もありました。正直、考え方も古く、自分とは別に体調を崩した人がいましたが、その人へ「仕事が終わらないなら出社して来い」と言ってみたり、パワハラまがいの発言の見られていました。

体調不良の経過

おそらく、医療系企業にいた時から体調不良はあったのだと思いますが、休むこともせず、転職活動をし2ヶ月後に転職。そしてその2ヶ月後にやはり体調が優れず、心療内科を初めて訪れました。ここではほぼ薬を出されて終わりという感じで、回復するよりどんどん悪化している気がしていました。ちょうど10連休のゴールデンウィークがあった年でしたが、どこにも行く気にもなれず、寝ていたかったという気持ちを覚えています。そしてそこからずっと通院と服薬を続けていましたが、職場環境は悪くなる一方で、上司に話をしても親身にな態度もなく、これはもうダメだと思い、1年ほど経った頃休職を自ら選択します。当時、自分の中では転職したこの職場環境が悪く、環境を変えれば大丈夫だろうと考えていました。ですので、休職期間中に転職活動を本格化させ、休職期間満了と同時に次へ転職したのです。休職に伴って自宅近くの医療機関に通院先を変更していました。ここではカウンセリングなども受け、自分自身を見直す期間を持つことができましたが、あくまで本人の気持ちを尊重するカウンセリングでは、転職に待ったをかけることは当然ありません。

コロナ禍での転職

転職先に選んだ会社は、500人規模の会社でしたが、9割の従業員がほぼフルリモートワークで働いており、妻の状況などから、子供のことや、家事を考えるととても、働きやすい環境だろうと想像していました。この頃もまだ、家事、育児、仕事をすべてこなす状況が心理的負荷になっていることは気づいていませんでした。そしていざ勤務が始まってみると入社2日目からリモートでのお仕事。通勤時間もなければ、周りの顔を気にすることもありません。しかし、それは孤独との戦いでもありました。前の職場でリモートワークをしていた時は、従来オフィスで顔を合わせていたメンバーが、リモートになっただけで、誰がどういう人であるか理解はできていましたし、何かあれば誰に聞けばよいか、人間関係もできていたので、孤独を感じることはありませんでした。しかし、今回は部署内のメンバーですら、顔を合わせたことがなく、そんな中で仕事をしていかなければならない状況でした。

ルーチン業務ではない

担当していた業務がルーチン業務のようなものではなく、自己完結型ではなかった点も、苦労しましたし、ストレスの原因にもなっていました。それは企画的な仕事だったので、部内のメンバーすら知らない状況で、他部署の方や下手すれば上層部の人たちと関わらなければいけない点です。医療系企業で企画や業務改善ができていたのは、トップの考え方や会社の考え方が、長く勤務したことで理解できていたり、よくコミュニケーションをとる環境であった為に方向性なども理解できていた点が大きかったと思います。しかし、今回はそれがありません。そんな中頼るべき人も分からず、味方となる考え方の合う人もいない状況で、進めなければならない事にかなりストレスがありました。

上司のマネジメント能力

上司は年下、女性でしたが、あまり年齢や性別は関係ないと思っているので、その人の人間性やマネジメント能力によるところがあります。しかし、上司があまり一つ一つを理解していません。不明点を聞いてみても、明確な答えは得られず…なんてこともよくありました。結局、各メンバーに任せっきりになっていたんだと思います。上司が分かっていないので、一度やったことは、そうじゃない、ああじゃないと振出に戻ることもしばしば。リモートワークなどの離れた場所で仕事をしていく上で大事になってくるのは、マネジメント層が、どれだけ各メンバーの状況、状態を把握しているかなのかもれません。

Slackとフレックス勤務の怖さ

業務はSlackというチャットツールでコミュニケーションがされます。メリットとしては、誰と誰がどういうコミュニケーションをしているか見えるかされるため、担当者同士で判断がされたり、恣意的な運用が避けられるという点。デメリットは全てみえてしまう為、後から追い返す必要があるという点です。あわせてフレックスという勤務体制が故に、どうしても遅くまでSlack上ではコミュニケーションがされてしまい、早く仕事を終えた人は、真面目な人ほど、夜中や勤務前にSlackを見返したり、そういった心理的負荷もありました。リモートになった事で、常に家にいなければいけないというストレスもありました。本来家は体を休めたり、趣味をしたり、そういったプライベートな空間です。そこで仕事をするというのは、やはり違和感があります。なので自分はよく外のカフェで仕事をしたりしていましたが、そういった事にも罪悪感みたいなものを感じていました(真面目すぎ?)

どうでも良くなった

入社して半年程経過した頃、色々な事がどうでもよくなってきました。かなりメンタルが疲弊していて、日中の眠気や集中力もなくなり、仕事も将来もどうでもいい・・・とにかく休みたいと思うようになります。長年勤めた会社での環境悪化や業務負荷から始まり、転職をしてもうまくいかず、ここでまた転職というのは正直考えられなかったです。また家事や育児によるストレスもありました。妻は結構安易に考えていて、「家にいるんだから洗濯しといて~」と平然ということもあり、自分の状況を理解してくれる人も当時はいませんでした。そして限界を迎え、しばらく仕事というものから離れる決断をします。今まで、過去の経験ももとに転職してきましたが、それって本当にやりたかった事なのか、このまま社員という一見安定していそうな働き方をしていて、本当に安定なのか、その働き方で迎える将来像は期待するものなか、一度考える期間が必要だと心が訴えたのでしょう。

ちゃんと自分と向き合う

転職した事で、通院もしなくなっていました。しかし、やはりちゃんと向き合って回復させようと思うようになり、改めて自宅近くの心療内科に通い始めます(ここは合わず今は別の所に変更しました。)社会に出た頃から振り返ってみると、社会に合わせる生き方をしたり、本当に自分に合った働き方、そんな事を考えることは皆無でした。みんな正社員で働いているから、自分もそうでなければだめ、将来のために働かないとだめ、ただなんとなく流されて、うまくいかない時は別の環境を考えたり。そんな15年ほどを生きてきました。でも鬱やメンタルに不調を抱えるという経験は、自分と向き合うことを心が必要としているんだと思います。このまま続けていたら、自分がおかしくなるよ、この先にあなたの幸せはないよ…と。働くことは幸せになるための、ただの手段です。もちろんお金のためというのもあります。でも幸せになれない働き方を何十年も続けていたら、いくらお金に安心できた暮らしが日々できていても、いつか心を壊します。

あれから半年

自分を見つけ直す期間が半年を経過しました。最初のうちは早く働かなきゃと焦ってばかりでした。そしてまた正社員として戻らなきゃいけない、でも戻ってその先どうなるんだろう…と、循環小数のように同じところをぐるぐる(笑)でも周りに思考を切り替えてくれる人がいたりしたお陰で、世の中の大多数が歩いている道というのは、自分がそこしか見ていないから、それが全てと考えてしまうのだと気づきました。働いていない人もいれば、パート勤務の人もしるし、専業主夫をしている人もいる。一度今までと違った道を選択したからって、ずーっとそのままということもないと思います。またいつか(自分の場合は子供が大きくなったりしたら)、以前のような働き方に戻るかもしれないし、そうやって自分のタイミングと、なりたい自分に正直に進んでいけば良いと思えるようになりました。あまり人生に対して「こうあるべき」とか「こうしなきゃだめ」と決めつけないことです。それは結果、自分の首を締めることになります。時が流れれば自分も変わるだろうし、たとえ変わらなくても時代や環境が変わることで、自分の考え方も変わります。なので、今迷っていても、幸せを感じられなくも、ずーっとこのままなんてことはないと思います。大事なのは自分の心の声をいつでも聞いてあげることかもしれません。

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