Fearless Change パターン13~16 「グループのアイデンティティ」「達人を味方に」「空間を演出する」「イノベーター」
Fearless Changeとは
「アイデアを組織に広めるための48のパターン」が収録された書籍です。タイトルの通り、組織に対して恐れ知らずの変化を与えるために必要なことが書かれています。48のパターンそれぞれに概要・使いどころ・使用例などがまとまっています。ナンバリングされていますが、順番に使うものではありません。適切な状況で適切なパターンを使いましょう。
パターン1~12
✔ パターン1~4 「エバンジェリスト」「小さな成功」「ステップバイステップ」「予備調査」
✔ パターン5~8 「ふりかえりの時間」「協力を求める」「ブラウンバッグ・ミーティング」「コネクター」
✔ パターン9~12 「何かを食べながら」「電子フォーラム」「アーリーアダプター」「外部のお墨付き」
パターン13「グループのアイデンティティ」
活動を特徴できる名前を掲げ、人々が活動の存在を認識できるようにするパターンです。名前を聞けば何を実現しようとしているのかを気づかせる助けになります。
デザインパターンをまとめた4人を Gang of Four と呼ぶみたいなことですね。自分たちで名付けたわけじゃないでしょうけど。ちなみに GoF の一人 Erich Gamma は Microsoft で Visual Studio Code の開発に関わっています。
使えるパターンとして、下記が紹介されています。
✔ 電子フォーラム(10)
✔ 空間を演出する(15)
✔ 協力を求める(6)
✔ みんなを巻き込む(33)
パターン14「達人を味方に」
組織のメンバーに尊敬されているシニアレベルの人々にサポートを求め、組織内の人々の興味関心を持ってもらうパターンになります。例えばマネージャーが信頼しているエンジニアを味方につければ、マネージャーに対して新しい技術を導入しやすくなるということですね。
彼らに近づくときは、徐々にアイデアを提示できるように意見を求める形で話すとよいと書かれています。もし彼らが反対派だった場合は懐疑派代表(44)の役割をしてもらうといいでしょう。
使えるパターンとして、下記が紹介されています。
✔ ちょうど十分(34)
✔ 個人的な接触(20)
✔ テイラーメイド(26)
✔ コネクター(8)
✔ 達人のレビュー(31)
✔ 懐疑派代表(44)
パターン15「空間を演出する」
組織のあちこちに、それを見れば新しいアイデアのことを思い出すようなものを設置するパターンになります。思い出すきっかけを生み出して忘れられないようにします。露出を増やして認知してもらうきっかけづくりですね。
「情報ラジエーター」として通りすがりの人にもわかるような表示装置を置くのもいいでしょう。常に同じ場所に置いていると無関心になってしまうので、掲示場所をときどき変えることも勧められています。
使えるパターンとして、下記が紹介されています。
✔ 協力を求める(6)
パターン16「イノベーター」
新しいアイデアを最初に活性化してくれるために、新しいもの好きな人に助けを求めるパターンになります。新しいというだけで好奇心をそそられ興奮する人々を最初に味方に付けば、新しいアイデアの導入を進める手助けをしてもらえることでしょう。
ただしイノベーターは新しいもの好きのため、違う方に興味が移っていってしまうこともあります。
使えるパターンとして、下記が紹介されています。
✔ ブラウンバッグ・ミーティング(7)
✔ やってみる(17)
✔ 予備調査(4)
✔ 勉強会(25)
ここまでの感想
ワークショップやハッカソンで、チームを組んだ後にまずやることとしてチーム名を考えることが多いのは、チーム内でコミュニケーションを発生させ、アイデンティティを作り上げる意味があると気づきました。
スクラムマスターは意外とアナログ好きで、ホワイトボードと付箋が大好き(偏見)なのですが、それは空間を演出する(15)と同じように、目につくところにおいて進捗や課題を思い出せるようにする効果を狙っていることが分かりますね。
😉