ダドイダイ

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最近の記事

ボーイズ・ネクスト・ドア

明日は土曜日。つまり僕の住む杉並区では燃えるゴミの日です。なので夕方、仕事がひと段落したところでゴミを出そうと思い、二階建てアパートの階段を降りると、見覚えのある顔に遭遇しました。彼は一瞬僕の顔を見てから、僕の降りてきた階段を上り、我が家の隣の部屋へと入っていきました。彼と会うのは実はこれが初めてのことでした。 ではどうして僕が彼の顔を知っているかというと、彼が部屋を出たり入ったりするのをドアスコープから見ていたからなのです。うちのアパートは変わった造りをしていて、こちらの

    • ニワカの戯言〜序章〜

      ゴダールが亡くなったということで、僕の周りの映画が好きな人たちはけっこうショックを受けているみたいです。僕も映画は好きなのですが、かといって詳しいわけではなく、ゴダールの映画も大学の講義でチラッと観たことがあるだけで、まだちゃんと観たことはありません。ただこんなことをいうのはアレですが、その一瞬であんまり好きにはなれないような気がしました。 僕はどちらかというとヒッチコックみたいな映画が好きで、一瞬でも退屈だと思ってしまうと全然集中できなくなってしまうんです。きっともっとい

      • ※この記事は特定の政党を非難するものではありません。

        宇宙空間を背にした安倍さんの画像を見たとき、くーちゃんが作るやつじゃんって思いました。たかだかひとりの人間が、まるで宇宙規模で存在するかのように見せるボケ。実は偶然、私も自分の写真を使って同じ構図のギャグ画像を作ったことがあります。でも安倍さんのものはどうやらギャグではなかったようです。 自民党が今一番謝るべき相手というのは、彼らを支えてきたネトウヨの方々なのではないかと思うんです。だってネトウヨの方々からしてみれば、何かあるとすぐ人に向かって売国奴だなどとのたまわってきた

        • 奥歯の星は季節の途中で、

          2ヶ月に一度、 僕は口内炎に悩まされる。 そういう話をすると大抵人には、 栄養が足りてないんじゃないかだの、 ストレスが溜まってるんじゃないかだの、 口ん中汚いんじゃないかだの。 最後のを言われたことは、ないんですが。 でもそれどころの話じゃないんです。 これはね、宇宙規模の話なんですよ。 ある日、虫歯が痛くて歯医者に行ったんです。 僕は歯医者、そんなに嫌いじゃないんですよ。 なんでかっていうと、 ハンマーみたいな物でコツコツされても、 ドリルでギュルンギュルンされても、

        ボーイズ・ネクスト・ドア

          もう許すことはないだろう

          大学生はやたらと海に行きたがる。といっても真夏に友達と海水浴をするのではなく、ひとりで海岸を歩いてみたりするという意味で。肝心なのは歩いて「みたりする」のところで、要は分かりやすく感傷に浸りたいのだ。馬鹿みたいにシンボリックな海で、その羞恥心を誤魔化してくれる缶ビールを片手に。 僕の場合はある日の放課後、ウイスキーの小さいボトルを大学近くのコンビニで買ってみたりして、5〜6時間かけて東京湾まで歩いてみたりして。それで海沿いのベンチに腰掛けてみたりして、こんなことしちゃってる

          もう許すことはないだろう

          戯曲におけるプロット思考、あとは退屈について

          「桃から生まれた桃太郎が仲間を集めて鬼退治に行く」この一連のストーリーに焦点を当てて作品をつくるとしたら、やっぱり最適なメディアは映像になってくると思う。なぜならカメラは、川上から鬼ヶ島まで桃太郎についていくことができるから。 もしこれを演劇にするとしたら川、家、道中、鬼ヶ島の少なくとも4ヶ所の場所が必要になり、3回も転換しなくてはいけない。小さい子供も楽しめる桃太郎はそれだけストーリーがシンプルだということだから、展開もさせづらい。長くても30分くらいの尺にしかならない。

          戯曲におけるプロット思考、あとは退屈について

          松本市愛犬人質強盗事件

          テレビやネットのニュースでご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんが、長野県松本市で面白い事件が起きました。ある民家に押し入った強盗がそこで飼われている犬を人質に取って現金を奪っていったそうです。この場合、人質という表現が正しいかどうかは疑問ですが。 被害者は農業を営む60代の夫婦で、犯人が民家に侵入したのは午後5時ごろ。ちょうど夫は畑で作業をしており、家には妻しかいませんでした。妻は洗濯物を取り込もうとしたところ、庭で犯人と鉢合わせたそうです。その時点で犯人は犬小屋にいた

          松本市愛犬人質強盗事件

          蛇の減らず口なら溺死寸前

          部屋の蛇口を捻ると、蛇口とは全然関係のないところ、それは壁や天井の裏のどこか、でボコッと音が鳴ることにいつの間にか気づいていた。その正しいプロセスは見当もつかないけれど、昔のギリシャかどこかで水道が生まれたときにはパイプの中が真空だのああだこうだ、そういう理屈なんだろうな。或いはギリシャということでは、神話に出てくる蛇、それはアダムとイヴのあいつなのか、メデューサのあいつなのか、もしくはマンホールくらいの太さのあいつなのかは分からないけど、そういう類の蛇が水道管の中に潜んでい

          蛇の減らず口なら溺死寸前

          なんの話 その8

          味噌汁にハマっている。プカプカと浮かぶ大根にしがみつきながら60度、香りが飛ばない程度にのぼせている。背中がチリチリするのは火傷なのか、それとも葱が当たって擦れているのか。ボーッとしながら味噌汁の対流を眺めていると生き物のようにみえてくる。実際、味噌そのものは生きている。それを知ったのは制作会社で働いてたときのこと。プロデューサーに薦められて観たドキュメンタリー、ひとつは福知山線の脱線事故についてのもの、もうひとつが和食における菌についてのもの。たしか醤油を作る工程、豆とドロ

          なんの話 その8

          今、水面を見ている。

          ナルキッソスが泉の水面に写る自分に見惚れていたとき、泉はナルキッソスの瞳に写る自分に見惚れていた。今日だって特別になりたい人たちがお互い睨み合いながら切磋琢磨している。でも本当に特別な人だったらわざわざ特別になろうとは思わない。なぜならすでに特別だから。もちろん誰もが特別ではあるわけだけど、その特別さに気づかない限り本人からすればそんなこと知ったこっちゃない。あるいは自分の外側にある特別さに到達しない限りは。そのために必要なのはお金か時間か努力か運か。それとも「自らは特別であ

          今、水面を見ている。

          Happiness is the highest form of health.

          人生で初めて体づくりをしている。主に「筋肉をつける」という方針でやってるんだけど、ムキムキになりたいわけではないからプロテインとかは飲んでない。ダイエットすらしたことがなく筋肉と食事に関して無知だったために、得られる知識も新鮮で楽しい。体づくりは同時に脳づくりであることを知った。これもひとつの知識である。 実は「筋肉をつける」ことに少し前まで抵抗があった。その理由は松本人志である。まっちゃんは今やM-1、キングオブコント、すべらない話、IPPONグランプリ、ドキュメンタルと

          Happiness is the highest form of health.

          It’s a kind of snobbery that makes people think they can be happy without money.

          お金の話をする。去年の4月から今年の1月まで働いて貯金が100万あり、給料を考慮すれば割とがんばった方。正確には地道に「貯めた」というより使い道がなくて「貯まった」んだけど、多少は自分を褒めてやってもいい。でも正直同世代の人はもっと貯まってる人がほとんどだろうからここで金額を明かすのは恥ずかしいんだけど、姜尚中が「漱石の凄いところはそれまで倦厭されていたお金の話を躊躇なくしてしまうところ」みたいなことを言っていてじゃあ僕も躊躇なくしようと思ったのだ。漱石は好きだし。ただ、今は

          It’s a kind of snobbery that makes people think they can be happy without money.

          Anger is never without an argument, but seldom with a good one.

          以前の会社で働いていたときに仕事の関係で国立国会図書館に登録した。せっかく登録したんだから退職後も戯曲執筆のために通おうと意気込んだものの、無職にとって往復の交通費は馬鹿にならず、足は次第に遠のいていった。ちなみに先日働き先が決まったのでニートからフリーターへと今わたしは着実に駒を進めている。まさに充実した人生という感じで、そんな風に羨望の眼差しを向けられても困る。 で、それじゃあやっぱり自宅で書くかということになるんだけど、春を告げる風が建て付けの悪いドアをカダガタとノック

          Anger is never without an argument, but seldom with a good one.

          そして偶然、春が来る。(必然)

          実はここ数年、演劇を観に行くことがなくなった。公演は何個か観てはいるんだけど、それは演劇を観るためというよりは友達や知り合いに会いに行くためだった。今年に入ってからは戯曲を読むこともすっかりやめてしまった。実際には戯曲を読もうとしても途中で興味がなくなってやめてしまう。もう演劇が好きではないのか?戯曲も書いてはいるものの、それは本当に演劇が好きで書いているのか?それとも数ある自己表現の手段のうちのひとつに過ぎず、本当は戯曲ではなく小説や映画のスクリプトでも成立してしまうのでは

          そして偶然、春が来る。(必然)

          苦手なもの、電話。

          以前飲み物としての水が苦手だという話をしましたが、他にも私の苦手なものとして電話が挙げられます。若い世代には同じ電話嫌いが多い印象なので、不寛容な皆さんにも水に比べれば多少はご理解いただけるのではないでしょうか。逆に上の世代で電話が苦手だという人にはまず会ったことがありません。むしろ彼らは隙を見せればすぐに電話をかけてきます。 隙というのは電話に出られる瞬間のことであり、厳密には24時間365日のことです。つまり電話をかけるということは他人様の24時間365日を所有するとい

          苦手なもの、電話。

          なんの話 その7

          少し前の休日の話をしようかと思うのですが、実は今まさにわたくしニートに他ならず、毎日が休日であるがゆえに休日を休日と呼んでいいのか怪しいところではあるのですが、「人生の」という意味では休日に違いないだろうということで休日の話です。せっかく無職になるわけだし服でも買っておこうということで自宅から20分ほど歩いて高円寺に参上し、早速目に留まった古着屋に突入。古着屋はよく行くんだけどなぜかひとりだとやけに緊張するので「自分は今ふたりだぞ」という意識でドアを開け、なんとなく店員の視界

          なんの話 その7