よこやま

高校で国語やってます。

よこやま

高校で国語やってます。

最近の記事

  • 固定された記事

自己紹介書いたよ!

◯文字でする自己紹介ってあんまりない◯ 自己紹介って、の後に「、」を入れるかどうか、すごく悩みました。 それを悩んで悩んだことを 言っちゃうようなところがあります。 入れないことにしました。 ◯プロフィール◯ 文学部哲学科出身(自然哲学)。 高校では吹奏楽でホルンをふいていました。 大学ではジャズ研とねこサーとハシビロコウ同好会とフエラムネ研究会とつぶぐみ愛好会に所属していました。 ◯ 毎日のすごしかた◯ 高校で国語教員をやっています。 国語って、教育ってなんだろ

    • 未完小説の世界。読書記録⑥飛ぶ男

      今日は阿部公房生誕100年です。すべりこみセーフ。 『砂の女』で驚愕し『壁』で大ハマりした僕。 100年記念で文庫化された『飛ぶ男』を手に取りました。フロッピーディスクから発掘された阿部公房の遺作。 『飛ぶ男』は別のバージョンもあります。 それは、未完小説の『飛ぶ男』を阿部真知さんが加筆改稿したもの。 今回文庫化された本作は、未完のドロドロしさをそのまま残した作品です。 よくぞ出版してくれた!! 原理的に読み終わらない未完小説を読み終えたとき、何かのはざまに落とされたよう

      • 木漏れ日の影の形をとどめる。映画鑑賞記録④PERFECT DAYS

        木漏れ日の影の部分ってなんて言うんだっけ。 こかげ?それはちょっとおおきすぎる。 それとも、影と光のあわいを合わせて木漏れ日とよんでいるのかなあ、あ、なんか載ってたな。 うーん、sunlightか、まずいな。 とかなんとか、2時間。 木漏れ日の影にきづかせてくれる映画でした。 それは、太陽と闇夜とかスカイツリーと公式便所のような二項対立じゃなくて、いや、二項対立なんだけど、二項対立のある世界のなかで、うまく言えないな、その重なり合う部分が、手元に落ちてくるときにあいま

        • 映画鑑賞記録③こちらあみ子

          しんどい 1人称でアミコの世界を書き切った原作小説にも重さがあった。 1.5人称視点というか、常にあみ子の背後から世界を眺めさせられた重みは別の耐え難さがあった。 なんでこんなものがつくれるんだろう……。 映画版に感じた時々の"ハッピー"はかえって現実のつらさを改めて認めさせてきた。 ○ときおりBGMにリンクするあみ子の挙動 あみ子の世界には常にけたたましい明るい音楽が鳴っているような。 ○デウスエクス・マキナ・おにいちゃん。 あみ子の必死の訴えを確かめもしなかった

        • 固定された記事

        自己紹介書いたよ!

          主人公がぼくのコートを探していた。 読書記録⑤挾み撃ち 後藤明生

          ある日のことである。 ぼくは一軒の本屋のことを思い出した。 浦和PARCO「今日からの暮らし」という催しに出展していた川越の本屋である。 とがった本ばかり売っていた。 古本も新刊もリトルプレスも大量にたずさえている。新刊は利益が少ないらしい。イベントでこんなにたくさん新刊を並べるのは「ばかのやることですよ」と言っていた。 ぼくの実家はさいたま市と川越市の境目にある。その街には家族で営むおいしいカレー屋さんがあり、実家のメンバーと食べる。母が新体操、父が空手の経験者という

          主人公がぼくのコートを探していた。 読書記録⑤挾み撃ち 後藤明生

          意味なんかないさ 暮らしがあるだけ

          さいきん、この歌詞がSNSで取りあげられることか増えている。 僕が見た投稿者は 「若者の貧困で、まさに『意味なんかないさ暮らしがあるだけ』になりつつある」 というようなことを言っていた。 いまの生活にせいいっぱいであることを「暮らしがあるだけ」になぞらえている。 でも…… 「意味なんか無いさ暮らしがあるだけ」 うーん、「暮らし」は、なんというか、「透明なしあわせ」を歌っているんじゃないだろうか。 意味がなくても謳歌される暮らし。それは「意味があるからこそ価値がある

          意味なんかないさ 暮らしがあるだけ

          熱狂の国 LA SEÑAS

          親愛なる友だちであり音楽家であり宇宙人であるAsami Tanimotoさんが誘ってくれました。 「さけんでおどれてすきそう」とのこと。行くしかない。 彼女が所属する即興演奏打楽器集団LA SEÑAS。 音と踊が言語、熱狂の国でした。 会場は渋谷WWW。チケットはソールド・アウト。 メインホールに足を踏みいれると、始まる前からただよう熱気に寒波も忘れます。 熱狂を予感しつつ待っていると、ステージ袖から演者の声が! 「俺たちが一番かっこいい!We Are LA SEÑA

          熱狂の国 LA SEÑAS

          腰痛ポケモンコシータ。腰がいたいのでポケモンにした

          こんばんは。 最近運動不足なのです。 3日前から運動をはじめました。 YouTubeを見ながら自分でやります。 そして今日、朝おきたら腰がとても痛くなっていました。 健康のために始めたのに……。 でも、続けるったら続けるのです。 さっそく「腰痛 改善 筋トレ」 つづいて「腰痛 改善 ストレッチ」 ちゃんとやります。 動画のサムネに使われているイラストが気になりますが、腰に腹はかえられませぬ。 なんとかやりきり、束の間の満足のあと、 「腰痛前に戻そうとしているだけでは

          腰痛ポケモンコシータ。腰がいたいのでポケモンにした

          読書記録④捨てられる教師

          本を読んだ。「捨てられる教師」。 ふだんこういう本は読まないのだけれど、上司が貸してくださった。 さらりさらりと読む。 良くも悪くもセンセーショナルな書きぶりで、「伝統的な学校」をサゲ、「これからの学校」を打ち立てる。 著者略歴の1行目に「学校改革プロデューサー」とあるのは自覚的だろう。 結論からいうとおおむね賛成だな、というか、まあそうだよな、という感じ。 ブルーム・タキソノミーに基づく「知識」「理解」「応用」から「分析」「評価」「想像」へ、というのはわかりやすかった

          読書記録④捨てられる教師

          誕生日の冒険

          今日は誕生日です。27才で死ねませんでしたから、ロックスターの道は諦めます。 道を見失った僕はとりあえずあてもなくさまようことにします。午後はお休みをもらって街を歩くのです。 こんなこともあろうかと手ぶらで来ました。 大きく手をふって歩きます。 さて、誕生日なのでよいものを見つけることができます。 今日はそれが、《本と喫茶 夢中飛行》でした。 光る[本]の看板がうれしくて立ち寄ります。 多くの本屋さんにはとにかくたくさん本があってなおうれしいのですが、この本屋さん、よ

          誕生日の冒険

          ドイツ語3級うけてきました!

          勉強せい勉強せい言う立場です。 自分も勉強してみました。 とくに国語が専門じゃない子らに国語を学んでもらっているので、僕も専門外を。 うーん何にしようかな、ああ第二外国語ドイツ語だったな、と思い立ち、目標を立てねばと、ドイツ語検定3級を受検しました! 就活の際、資格欄に「けん玉4級」のみで筆が止まり、絶望したことも一因です。 僕を客観的に表す指標は、球を持って剣を刺す、それのみ。 せっかく学んだことを目に見える形で安心したいもいう思いもありました。 ほんで、合格しまし

          ドイツ語3級うけてきました!

          高校国語教員の共通テスト感想🌸二項対立の終焉

          いやあ、感動したー!! 二項対立の終焉。「考える人」の育成。 複数テキスト問題の是非が問われる中で、社会の中での国語の意義を色濃く反映した、感動的な問題でした。 まず評論。 いままでは 「西洋はこうだけど、日本はこう」 とか、 「流行はこうだけど、伝統はこう」 とかいったように、二項対立に基づいて、筆者の考える"本質"を読み取る問題でした。 対して今年は 「Aという考え方と、Bという考え方があるけど、不可分だよね。」 という文章が採用されていて、 それにまず感動!!

          高校国語教員の共通テスト感想🌸二項対立の終焉

          徒然④成人式

          本日成人式を迎えたみなさん、おめでとうございます。 いまの日本には少なくなってしまったハレの日です。いいものです。 数年前の改正によって、成人だけど未成年という不思議な時期がなんとなくゴールを迎える感じがします。 早生まれのぼくにもなんとなくその気持ちはわかる気がします。 僕は法をあまり破らない生き方をしているので、19歳で迎えた成人式ではジャスミンティーばかりしこたま飲んでいました。 「よこやまがいくならいくー」と言われ、ほな全て終わらしたろうと参加しなかった2次会に

          徒然④成人式

          令和の日本型教育と学際的な探求

          教職員向けの、文化庁次長・合田哲雄氏の講演会に行ってきました(日本の教育を動かしている/動かす方です。ググってください)。 考えつづける時間でした。 《個人的今日のテーマ》 絶対視されているものを暴き、自己批判的に脱却すること。 《そのための姿勢》 ・それは、学校というシステムを含め神聖視された領域を踏み叩くこと。 ←学校は聖域の集合体です。「部活」「教科」「学校」……の枠組みを疑い、越えることは許され難い(というか議論の俎上にあがりすらしない)。それを問い直すことがトラ

          令和の日本型教育と学際的な探求

          徒然③イルミネーション

          クリスマスですね🎄 ぼくは浮かれるのがすきです。 街がなにかに染まるのはワクワクします。 最近は職場の最寄駅にもイルミネーションがほどこされていて、毎日いいきぶんです。 明日はM-1グランプリの決勝戦なわけですが、その広告見ましたか?こちら。 とやかく言ってきておもろいです。 おもろいのですきです。 でも改めて考えると、イルミネーションの変遷は面白いです。 というのも最初は、イルミネーションはもちろん電球なので、「何かをてらす」「何かをめだたせる」ことが目的だったと思う

          徒然③イルミネーション

          読書記録③自由論

          中世哲学がにがてだった。 哲学は神学の端女だ?やんのか? それいらい、キリスト者の哲学、というか倫理学には(蔑まれている気がして)少しくトラウマをおぼえていた。 【逆に宗教者は無宗教者の倫理学をとるに足らないものだと思ったりするのだろうか】 J.S.ミルに出会うまでは。 【「満足な豚より不満足なソクラテス」は今の僕の指針のひとつ】 本書は、 「自由の尊さ」→「個性の尊さ」→「社会のあるべき姿」という構成で書かれたあまりに客観的な自由論である。 そういえば哲学書は久しぶり

          読書記録③自由論