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浄化槽についてご存じですか?       ~その2:浄化槽管理者の義務

今回は、前回に続いて浄化槽!
そして浄化槽に関する法的な義務などについて書きますね。


|浄化槽法

住みよい暮らし、美しい環境を守るためにも浄化槽を適正に設置し、管理していかなければならないことから、昭和58年5月に浄化槽法が制定された。

この浄化槽法では、浄化槽の製造、施工、保守点検、清掃などがきちんと行われるよう技術上の基準を定めて規制したり、浄化槽関係の事業に従事する関係業者の責任を明確にしたり、資格制度を定めたりしているほか、浄化槽の使用者に対しても正しく使用するよう義務づけられている。

|浄化槽設置の届出

浄化槽を設置しようとする場合、都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区では市長又は区長)に届け出ることが必要である。

また、都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区では市長又は区長)を経由して特定行政庁に届け出ることも義務づけられているのだ。
実務的には届け出の受理は保健所が行っていることが多いようだ。

なお、住宅を新築する際など建築確認申請を行う場合には、建築確認申請書に浄化槽の仕様書等を添付して建築主事の確認を受けることになる。

|浄化槽の工事と浄化槽設備士制度

浄化槽の工事は、都道府県知事の登録を受けた浄化槽工事業者等(又は土木工事業者、建築工事業者、管工事業者であって届出を行った業者)が行うことになり、環境省令・国土交通省令で定めている「浄化槽工事の技術上の基準」に従って行わなければならないこととされている。

また、工事を行うときは、浄化槽設備士という国家資格を持っている者が工事を行うか又はその監督のもとに行われます。

|浄化槽の使用開始報告

浄化槽管理者(所有者)は、浄化槽の使用を開始してから30日以内に使用開始報告書を都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区では市長又は区長)に提出しなければならない。

|浄化槽の使用に関する準則

浄化槽の正常な機能を維持するために浄化槽使用者が守るべきこととして、「浄化槽の使用に関する準則」が定められている。

|浄化槽の保守点検と浄化槽管理士制度

化槽管理者(所有者)は、環境省令で規定している浄化槽の「保守点検の技術上の基準」に従って、定期的に保守点検を行わなければならない。

この浄化槽の保守点検を行うためには専門的な知識、技術が必要なので、浄化槽管理者が自ら保守点検を行わなくても都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区では市長又は区長)の登録を受けた保守点検業者に委託することができるのだ。

浄化槽の保守点検の回数は、いろいろな方式(種類)によって年3回以上とか4回以上とか定められている。

|浄化槽の清掃

浄化槽管理者は、環境省令で定める「清掃の技術上の基準」に従って、浄化槽の清掃を定期的に行わなければならないこととされている。

これも専門の知識や技術が必要なんで、市町村長の許可を受けた浄化槽清掃業者に委託することができるとされている。
浄化槽の清掃の回数は毎年1回(全ばっき方式の浄化槽については、おおむね6ケ月ごとに1回以上)とされている。

|浄化槽の定期検査制度等

1.使用開始後の水質に関する検査(7条検査)
浄化槽管理者は使用開始後3ケ月を経過した日から5ケ月間に、都道府県知事の指定する指定検査機関が行う水質に関する検査を受けなければならない。

この検査は主として浄化槽が適正に設置されているか否かを判断するための検査で、受検の手続きは、その浄化槽を設置する浄化槽工事業者に委託することができることになっている。

2.定期検査(11条検査)
浄化槽管理者は、毎年1回、前述の指定検査機関の水質検査を受けなければならない。
この検査は主として保守点検及び清掃が適正に実施されているか否かを判断するための検査で、受検の手続きは、その浄化槽の保守点検又は清掃を行う者に委託することができる。

|浄化槽の廃止届出
浄化槽管理者は、 浄化槽の使用を廃止したときは、その日から30日以内に都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区では市長又は区長)に届け出なければならない。

|浄化槽使用時の注意事項

浄化槽は、主に微生物の働きによって生活排水をきれいにする装置なので、正しく機能させるためには、正しい使用する必要があるので、以下の点に注意する必要がある。

〇 浄化槽の電源を切らないこと
浄化槽の中には、微生物がいるので、もし、電源を切って浄化槽に空気が送られなくなると、その微生物が活動できなくなったり、死滅したりして、汚水をきれいにできなくなる。

〇 紙おむつや生理用品を流さないこと
水に溶けにくいものを浄化槽に流すと、詰まったりして故障の原因となる。

〇 食用油や野菜くず、食べ残したものなども流さないこと
油や食べ残しなどを直接流すと浄化槽に能力以上の負担をかけることがあり、放流水が汚くなったり、故障したりすることがある。

日頃から浄化槽に関心を持ち、放流水が汚かったり、悪臭がするなどの異常を発見したときは、すぐに専門の業者に連絡して対応すること。

|おわりに

浄化槽を設置することは、浄化槽管理者(所有者)に保守点検や清掃の義務が生じます。とはいえ、汚水を浄化してきれいな排水を流すためのには浄化槽の設置が不可欠ですね。
忘れず定期的な点検・清掃を行うようにしましょう。


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