見出し画像

浄化槽のことご存じですか?

最近では、都市部を中心に公共下水道が充実しているので、浄化槽のない家もあるが、一般的に戸建ての家には、トイレから排出されるし尿と、台所・洗濯所・洗面所・風呂場などから排出される生活雑排水を、各戸毎に処理し、一定の水質まで浄化してから放流するような設備になっていることをご存じですか?


|浄化槽はどういうもの?

トイレが水洗の場合、使用後に流される汚水は、
 〇 下水道に直接流す。
 〇 コミュニティ・プラントに流す。
 〇 浄化槽に集約する
という3つの方法のうちのいずれかになる。

もちろん公共下水道が完備されていないと下水道には直接流せない。
そのため、公共下水道のない地域では、汚水はそれぞれのところで一旦処理をして浄化された水にして河川などに放流されているのだ。

「浄化槽」は、微生物の働きなどを利用して汚水を浄化し、きれいな水にして放流するための施設であり各家庭の敷地内に設けられている汚水処理施設といえる装置である。

|単独処理浄化槽と合併処理浄化槽

浄化槽には「単独処理浄化槽」「合併処理浄化槽」の二種類がある。
単独処理浄化槽は、水洗トイレからの汚水だけを処埋する浄化槽であり、合併処理浄化槽は、水洗トイレからの汚水と、台所排水、浴室排水、洗濯排水など(これらを生活雑排水といいます)を一緒に処理する浄化槽である。

なお、下水道予定処理区域(7年以内に下水道が供用開始になる区域)以外では合併処理浄化槽でなければ設置できないことになっている。

イラストAC

|浄化槽に関する法律

浄化槽に関する法律として「浄化槽法」という法律があり、これをもとに関係法律が整備され、浄化槽装置の設置や管理、その機能など様々なことが定められている。

|浄化槽で汚水がきれいになる仕組み

水の汚れの原因となるものには、汚水中の固形物と水中に溶け込んでいる有機物質(溶解性物質)とがある。
固形物は沈殿・浮上させることで分離したり、ろ材等でこしたりし、溶解性物質は微生物などの働きで除去する方法などがある。

|浄化槽の処理方式

浄化槽にはいろいろな処理方式があるが、一般家庭に設置される合併処理浄化槽でよく用いられているのが「嫌気ろ床接触ばっ気方式(嫌気ろ床槽、接触ばっ気槽、沈殿槽、消毒槽から構成)」というものである。
その浄化の仕組みは以下のとおり。

汚水は、まず第1室である「嫌気ろ床槽」に入り、固形物を取り除くとともに「ろ材」についた嫌気性微生物(酸素のないところで働く微生物)が溶解性物質を除去する。

次に、第2室である一つの「嫌気ろ床槽」を通り、同じ処理を繰り返して、接触ばっ気槽に入る。

ここでは、接触材の表面についた好気性微生物(酸素のあるところで働く微生物)がブロワーから送り込まれる空気の助けを借りて、溶解性物質を食べ除去しながら成長する。

次に沈殿槽に送り込まれ、汚れの原因である溶解性物質を食べて成長した微生物のかたまりである汚泥を沈殿させる。
最後にきれいになった処理水を塩素剤で消毒してから放流するのだ。

茨城県発行「浄化槽のしおり」より転載

このような機能のある浄化槽ですが、一般住宅以外にも集合住宅や事業所、工場などにも設置されています。そして法律で使用者(管理者)に点検や清掃の義務(罰則あり)などがあるので、次回に書きます。
















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?