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「いちかばちか」に挑む人類・異星人混成チーム「プロジェクト・ヘイル・メアリー」

<SF(6歩目)>
「いちかばちか!?」に挑む人類代表と異星人代表の知力を尽くした闘いから「愛(love)」を学ぶ。

プロジェクト・ヘイル・メアリー 上
アンディ・ウィアー (著), 鷲尾直広 (イラスト), 小野田和子 (翻訳)
早川書房

プロジェクト・ヘイル・メアリー 下
アンディ・ウィアー (著), 鷲尾直広 (イラスト), 小野田和子 (翻訳)
早川書房

「6歩目」はアメリカから。SFエンターテインメントど真ん中の王道の作品です。

日本と中国とロシアの心を突く作品に続くのは、アメリカの大技の作品です。

作者のアンディ・ウィアーさんは「火星の人」「アルテミス」とベストセラー連続の凄い才能の作家です。
どれもエンターテインメント度100点で、間違いなくおすすめです。それ故に、「ネタバレ」を避けるために、別の観点をお伝えます。

帯に「いちかばちか!?」と記載されていたのですが、ここで注意が必要なことは、アメリカSFの「いちかばちか!?」は「ギャンブル」ではないことです。

私たち日本人のメンタリティーの中での「いちかばちか!?」には、「僥倖」を望む気持ちがあります。

「僥倖」とは戦時中のカミカゼの様に、人間を超える力が後押ししてくれるとの「願望」が入っています。「いちかばちか!?(=最後は運だ!)」になりがち。祈ると人知を超えた何者かに助けてもらえる。。。

つまり、努力をすると評価される(SF作品だとハッピーエンド)とのメンタリティーがとても色濃い。(時代の変遷とともに最近は古来の日本SFと異なる進化していますが!)

ここが、アメリカSFやロシアSFの王道の作品と少し違う。一見、「いちかばちか!?」に見えるも、この作品でも当事者はマルチタスク処理で考えて、起こりえる未来を予測する。

そして、複数に分岐する解を理解したうえで、満を持して成功のために「選択」する。ここが、楽しみながら学ぶべきことだと感じました。

また、「チーム」の力を束ねるマネジメントがアメリカSFの王道です。変わり種の「異能の人」を「一つの目標」に合わせてまとめあげると凄まじい力になる。
アタリマエなのですが、このことがこの作品でも色濃く出ています。

なんとなく、SF作品ですから、マネジメントの教材の様に書くことは気が引けるのですが、間違いなく「愛(love)」と「マネジメント」を強く感じる作品で、おススメです。

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