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人間翻訳にゆめをみる

 ボディクリームを全身に塗りたくっている時、からだって繋がってるなって思う。普段服を着ている時はなんとなく分かれているような気がするのに、くびれのあたりからふとももまで両手をすべらせて、そう思う。気づくって改めて定義するに近くて、そのタイミングっておもしろい。いろんなものを定義しなおして、そうして世界がまた一段とクリアになっていくのだろうか。

 うまれた想いを言の葉として相手に送れば、相手の脳がその言葉を受け取って、想いを汲み取るように翻訳する、その翻訳こそが人間にそなわった翻訳機能のような気がする。こんな、笹舟を送るような会話の仕方でわたしたちが成り立っていると思うと、怖くなったり愛おしくなったりする。正解の想いなんてないのかもしれず、つまり相手とぴったり想いを重ねるなんてことはないかもしれず、けれどそのズレこそが人間による翻訳の趣なのかもしれず、コミュニケーションってたのしいね、というなんやかや。

 思うことは尽きなくて、世界に感想を持つことはやめられなくて、今日も月が綺麗だ。想いの窓からあなたをのぞいて、いつか出会えることを夢見ている。


23.0725

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