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節分

 「鬼は外」「福は内」毎年この日がやってきた。二月三日。節分。鬼に豆をまき人間の厄を落とす日。毎年毎年我慢はしているが、豆をまかれるのは嫌だ。豆が顔や頭に当たり辛くて、じんじんと痛い。痛いのは豆が当たった身体なのか?それとも心なのか?鬼は自らに問いかける。涙をポロポロと流しながら。傷つきながら。
 どこの世界でも鬼は悪者・犯罪者として位置付けられる。人間たちに嫌われる。主人公に倒される。大人気のマンガでも鬼は人間に残酷に殺される。「鬼が罪を犯すのが悪い」と人間は口にする。「更生するから」「罰を受けるから」「反省してるから」「罪を償う機会を与えてくれないのだろうか?」鬼が人間に問いかけても人間は口を閉ざして黙ったまま。何も答えず。鬼は人間の姿に不信感を抱き絶望。人間の側からそっと離れた。
 「罪を犯し罪を償ってもこの社会では犯罪者のまま」鬼は何もかも諦めきった顔で消え果てた。

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