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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語㉝

「Have a good time. 」


2度目のハワイ!
2人の子連れ車椅子ママとおばあちゃんとまだオムツも取れていない赤ちゃん連れママ
御一行6名様
初めての空港で子供たちはキョロキョロしています
優しい空港のスタッフさんにに声をかけられたりして
無事搭乗できました
初めての機内食にワクワクの長女
メニューはハンバーグでした、ハンバーグが大好きだった長女は
よろこんで
「パクッ」
が、顔がゆがんでいます。
ご優待ツアーはユナイテッド航空だったので、
日本のハンバーグとは全く違う味だったのです
この時から後に日本の航空会社に乗る時まで
「機内食はまずいからきらい」
とずっと言っていました

ホノルル空港に到着しました
飛行機の中ではほとんど眠れませんでした、妹も赤ちゃんを抱いて立っている時間の方が多かったようです
入国手続きを済ませ、空港の外にホテルまでの送迎バスが並んでいました
「スーパー○○御一行様」のそのバスは車椅子でのれません
「ツアーの担当の方には連絡してあります」
「車椅子なんですけど」
「はい、では車いすから降りてお乗りください」
「車いすは荷物といっしょに運びます」
「だから、一人では乗れないし、私たちでは乗せられないので誰か手伝ってください」
「いや、それはちょっと…」
ご優待ツアーの添乗員は全く使い物になりません
他のお客様を次々と誘導しています。
私達はその場で戸惑うばかりです。
「もういいです!」
ついに、おばあちゃんは憤慨して
「タクシーでいこう!」
急遽リムジンタクシーを手配してホテルに向かいました
初めて乗ったリムジンは広くて快適、空港でのいやな気持が少し和らぎました
そして、ご優待ツアーのホテルに到着
街中の小さな古そうなホテルです
お部屋は狭くて車椅子ではとても使いにくいホテルでした
私達はチェックインの手続きだけを済ませて再びリムジンに乗り込みました
こうなることをよそうしていたおばあちゃんは
奮発してオーシャンビューのコンドミニアムを手配してあったのです
そのコンドミニアムは広くてきれいで夢のようなお部屋でした
きっととんでもない出費だったでしょうが可愛い娘と孫のため
頑張ってくれたのでしょう
感謝です。

その甲斐あってか
孫を連れてハワイの街を歩くと
「Cute! 」
「Cute! 」
と言われまくり、おばあちゃんはたいそうご満悦でした。
 
帰国の前日にご優待ツアーのホテルに戻り、娘たちはお部屋でお昼寝タイムです
そのすきに母と妹がこっそり街へ出かけていきました
狭いホテルの部屋で私は、
「このまま日本へ帰るのはもったいない!」
「よし!やってみよう」と挑戦を決行
「ねむくない~」とぐずる娘達を連れて3人で冒険に出かけていきました
車いすの膝に次女を乗せ、長女とホテルを抜け出しました
スマホもGoogle Mapもありません
かなり方向音痴の私ですが
「どうにかなるでしょ!」
と車椅子を漕いでいると
すれ違う人たちが笑顔で
「Cute」
「Have a good time. 」
とか言ってくれるので、うれしくなって
「Thank you」
とか言って笑顔を振りまいていました
でも、内心は
「何かあったらどうしよう」
「迷子になって帰れなくなったらどうしよう」
とドッキドキしながら進んで行くと
ABCストアー発見!
「いいじゃん!」
さっそく、入店
サングラスを掛けてみたり
可愛いシールを選んだり
お土産を買ったり
ハワイのお店を満喫して、母と妹が返ってくる前に無事ホテルへ戻り
何食わぬ顔でお昼寝タイムのふりをした
内緒の冒険でした
「あぁ、おもしろかったぁ」
ハワイの冒険最高!


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