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日野山。福井県。

今年のゴールデンウィーク


たしか1年前、私はどこにも出かけないまま、ただひたすら呼吸するだけだったような気がする。それと比べるわけではないが、今年はずいぶん生きた
心地のした日々だったように思う。
久しぶりの地元。もうすぐ北陸新幹線が開通する。信じられない。こんな
田舎に、まっすぐに伸びた1本の道。田んぼの中を、山の中を、それは人々がより便利に移動するために作られたもの。ピカピカなその出来立ての道は
この地元の風景に何となく違和感があるがそれでも現代風らしく、不思議な気持ちになるというのはたぶんこういうことだということを実感する。

山へ。さわやかな緑が包んでくれる。

地元の山に登った。季節は春。さわやかな緑がどこまでも続いている。
緑の間から差す太陽の光はどうしてこんなにも綺麗なのだろうか。
まぶしいというより、なぜかこの日の光を浴びると、全てを忘れて身を
預けることさえ出来るから、自然の素晴らしさには到底、かなわないと
思う。
じんわりと汗をかけるこの季節。最高だ。のぼり坂で息があがるのも、
脚に疲労を感じるのも、全て好きで仕方ない。私にはこの時間が必要だ。

標高794m

1時間30分くらいで頂上へ。
おだやかな春の風と、見渡す限りの田園風景。田植え真っ盛りの水を張った田んぼと、麦の穂がさらさら風に吹かれる緑色の麦畑のグラデーションが広がっている。そして山の間を貫く北陸新幹線と、越前たけふ駅。
向こうには白山がまだ雪をかぶったままひときわ存在感を放っている。
自然はどうしてこんなにも私の心をつかんで離さないのだろうか。
いや、私が一方的に好きなだけなのだが、こんな風景を見ていたら、
気持ちがあまりにも満たされてしまって仕方ない。

久しぶりの仕事。日常が戻る。

約1週間ぶりに仕事に。
あまりにも開放的だったあの風景とは真逆の、
日光も差してこないような閉ざされた建物に、
パソコンと人。これが日常だったと、改めて思い出す。
仕事場も、人も変わらない。だけど、ここで仕事をする
私の気持ちは、いくぶん新鮮になっているような気がした。
仕事がはかどるわけでもなく、仕事がうまくいくわけでもなく、
人間関係が劇的に良くなるわけでもなく、パソコンスキルが
上がっているわけでもなく、私はただ、また、いつものこの席で
仕事をする。
日常があるから、非日常も、劇的に輝く。最高に楽しめる。
日常がなければ、非日常の良さもきっとない。
また地に足を付けて、仕事をする。
私は私らしく、輝ける世界を生きていけることをこのゴールデンウイークで
再認識した。



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