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80′s
2024年2月24日 09:15
小学生の頃、突然、親父が家を出て行った。中学生の頃、母親が男を連れて帰って来た。俺がグレるのに、然程時間は掛からなかった。俺は、いつの間にか、この中学の不良の長にまで、上り詰めていた。毎日は、酷くつまらなかった。単調で、平凡で、何もワクワクする事がなかった。感情を持て余した俺は、ある日、バットを持ち、仲間を引き連れて、親父狩りに行く事にした。すると、校門の前に、リーゼント頭の体育教
2024年2月3日 09:15
息子のタダシは、優しくて穏やかな性格だった。まるで、春の平静な海みたいに…。寄せては返す波の様に、折り目正しく、その中に一瞬の煌めきを見ていた私は、節分の時、鬼に豆を投げつけるタダシの姿を真横で見て、久しぶりに母親として、何か感じるものがあった。あの優しい息子が、殺気立っている。そして、物凄く怒っている。何かに対して…。その″何か″は、今は、明確には分からない。恐らく。母親の勘で、