囲碁史記 第118回 方円社、中川社長辞任と広瀬の就任
雁金の方円社復帰 大正八年四月、長らく囲碁界の表舞台から遠ざかっていた雁金準一が、十四年ぶりに方円社へ復帰する。明治三十八年三月に方円社から本因坊秀栄門下へ移り、秀栄が亡くなった明治四十年に起きた後継争いに敗れて以降、自分の殻に閉じこもっていた雁金は、大正六年十一月に亡くなった十五世井上田淵因碩の後継者に推す声が高まった際、一時その気になっていたが、井上門内の相続争いに嫌気がさし、申し出を受けることはなかった。その雁金の方円社復帰に囲碁界は騒然となる。
雁金の復帰には次の